「パーソナルモビリティ」とは? 多分、ぼくらが20〜30年後くらいにお世話になっている乗りもの(2/3 ページ)
一緒に出掛けるのが楽しくなりそう──2人乗り電動カート「Honda ふれモビ Concept」
本田技研工業(ホンダ)は、今回の東京モーターショー2017で複数のパーソナルモビリティを展示していました。その1つが2人乗りの電動カート「Honda ふれモビ Concept」です。
Honda ふれモビ Conceptは、これまでの電動カート1台分のサイズで2人乗れるようにしたものです。1人は座って、もう1人は後ろに立って乗るスタイルです。自分1人ではなく「パートナーと一緒に、気兼ねなく移動できるように」という意図を込めているそうです。
例えば、老夫婦のどちらかが車椅子を押しているような「老老介護」のシーンをよく見かけます。「気兼ねなく」一緒に楽しく出掛けたい──。パートナーを気遣って口には出さずにガマンしたり、遠慮してしまう心理状況は、介護の現場では想像以上にあるとホンダの説明員は述べます。こういったことも、近未来の乗りものの力で解決できそうです。
スーパーの店内も、坂道もスイスイと“歩ける”──「Honda チェアモビ Concept」
もう1つは、“歩くように移動する”ことにこだわった、1人乗りの電動モビリティ「Honda チェアモビ Concept」です。
Honda チェアモビ Conceptは、バーなどにある昇降式スツールのような椅子にタイヤを付けたような小型の車体が特長です。座席がやや高い位置に自動調整されることで、目線が立っているときと同じ位置になります。
ポイントは、「並んで歩くパートナーと目線が同じになる」ことと、「その場で回転できるくらいに小回りがきく」ことです。この仕様も、前述した「ふれモビ Concept」と同様に、パートナーと一緒に外出したり、少し狭いスーパーやコンビニで買い物したりするときに、「“自分は迷惑を掛けているのではないか”などと心配してしまう心理状況を一掃したい」とする思いが込められています。
3輪バイクの技術を生かした、立ち乗りスタイルの3輪EV「TRITOWN」
ヤマハ発動機からは、3輪バイク「TRICITY」で採用された「LMW(Leaning Multi Wheels)」技術を応用した個人向けの立ち乗り型3輪EV「TRITOWN」が展示されました。
TRITOWNは、3輪の安定感を保ったまま体重移動でスイスイ乗れるパーソナルモビリティです。そのまま自立できるので、乗ったまま静止もできます。「まるで自分の足のような一体感が味わえる」乗り心地を目指しているそうです。
自動運転技術の進展は、この先の社会の在り方も変えるはずです。鍵は「その場、その時のその人のために」「心理状況などまで認知してごく自然に制御すること」と、あるブースの開発者は述べていました。自動運転車だけではなく、20年、30年後の私たち自身が普通に使っているかもしれない「パーソナルモビリティ」もじわじわと身近になってきそうな近未来の1つといえそうです。
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