コラム
» 2017年11月20日 11時00分 公開

「浮気調査はおいしいから取り合いになる」「尾行は素人には100%無理」 意外と知らない“探偵のお仕事”について聞いてきた(後編)(1/2 ページ)

「調査されたら浮気は絶対バレる」そうです。

[中山順司,ねとらぼ]

 フィクションの世界ではよく見かけるけど、実際には何をしているのか分からない「探偵」のお仕事。記事前編では、調査料の相場から尾行の仕方まで、探偵歴15年のベテランさんに話を伺いました。

 後編となる今回は、「調査されたら浮気が絶対バレる」という話から、「いじめ調査は無料」の理由まで、引き続き「知られざる探偵の世界」に迫っていきます。

尾行は素人には100%無理

――タクシーで「前の車を追ってくれ!」ってあるんですか?

 ふつうにありますよ。

――おお!

「前の車を追ってくれ!」

 現場で対象者に車に乗られる=逃げられるってことです。1台しかタクシーがなくてそれに乗られてしまうのが、典型的な見失いパターン。ベテランはそのへんが経験で分かっているので、危険を察知したら対象者を追い越して先にタクシーを捕まえて乗り込みます。

――えっ。で、どうするんです?

 運転手に「まだ出さないで」って指示してじっと待機。で、対象者が別のタクシーに乗り込んだら「あれを」と追いかけさせるんです。

――あらかじめ、車は用意しておかないんですか?

 それも可能です。ただし、事前にクライアントで車の選択肢を選んでもらわないといけません。

 追う手段はバイク、徒歩、車いろいろありますよね? 対象者の交通手段を事前に調べておき、相手に合わせて準備します。何しろ、現場に全ての交通手段を用意する訳にはいかないですから。

――車を選べば、料金はどうしてもかさみますよね。

 ええ、頼まない人もいますが、そうなると相手が車を使った場合に追いかけられませんよ、とお伝えします。

――出たとこ勝負はダメってことか。

 ダメです。相手に振り回されるし、空振りも多くなり、いつまでも証拠がつかめない。料金をケチりすぎるとそうなってしまいます。

 それでもなんとなく、「探偵の尾行なんて簡単だ。おれでもできる」って思っていませんか?

――ええ、なんとなく自分でもできそうな気がしないでもない……。

 100%無理ですよ。探偵学校で学んでいる実習生でも確実に巻かれます。せいぜい3時間しか持たない。ほとんどは1時間半で見失います。テクニックや集中力の持続等、コツが無数にありますので。

――ずっと目線を送りっぱなしだと、相手に気付かれそう。

 ヘタすぎて、「君、完全にバレてるよ……」ってかんじで尾行してくる実習生も多いです。尾行される側がちょっと動く瞬間にあっという間に見失ってしまう。相手が「逃げよう」って頑張ってないのに、それでも巻かれてしまうものです。しかも、尾行はただついていくだけでなく、証拠映像の撮影も気付かれないようにしなくてはいけません。

――だいぶ難度が高そうですね……。

浮気調査は調査員同士で取り合いになる

――探偵事務所でポピュラーな調査って、やっぱり浮気調査なんですか?

 浮気調査は多いですね……。どっちかというとうちは詐欺師追跡、ストーカー対応、企業内犯罪の調査が専門なのですが、需要があるので浮気調査はよくやります。

――企業内犯罪の調査って、具体的にはどんなものでしょう。

 会社からの依頼で情報漏えい犯、あるいは横領事件を暴く……というものです。「社員の犯行だと見当は付いているが誰だか分からない」とか、「怪しい社員の心当たりはあるけど、証拠がないので尻尾をつかんでほしい」とか。

――うお……一気に生々しくなってきた。

 こういうケースは犯罪者が相手です。詐欺師はプロだし、ストーカーや企業内犯罪もしかり。そういった相手を追うよりも、浮気調査のほうがよほどラクです。浮気調査は調査員同士で案件の取り合いになるほど(笑)。

――一般人だし、逃げるテクニックもないですもんね。

 稀に尾行を巻こうとしたりする人はいますが、われわれには通用しません。「ああ、こざかしい技を使っているなー」と生温かく見守ってます(笑)。

――あら……素人が頑張っても通用しないんだ。

 自宅を突き止めるだけなんて楽勝だし、浮気相手とホテルに入る瞬間を抑えるのも朝飯前。時間差で入ることでごまかそうとするでしょう? でも、われわれはちゃんと隣の部屋を事前におさえているから分かります。ドアスコープからのカメラで記録もしているので、部屋に入るところをばっちり納めます。

――えーーー、隣の部屋に陣取って待ち構えてるんだ……。ずるい! そんなことされたら、もうお手上げじゃないですか。あ、べつに浮気する人の肩を持つわけじゃないですが(笑)。

 コンシェルジュがいるような、完全に遮断されている場所は難度が上がりますが、それでもなんとかします。対象者がこういう場所を使う場合、奥さん側もそれなりにお金とコネクションを持っているものなので、会員カードを借りるなどして潜入します。

――でも、芸能人とかセレブ階級が住む高層マンションはさすがにムリでしょう?

 詳しい手法は内緒ですが、一歩手前くらいなら行けますよ。つまりですね、ちゃんとした探偵に浮気調査を依頼したら、まず確実に証拠をつかまれます。

――まじか……。

数々のトラブルも

――相手がプロだと、やはり警戒心も強いんですかね?

 詐欺師は警察を想定して警戒しているので、レベルが高いです。われわれはそういうのをいつも相手にしています。

――危害を加えられたことは?

 そんなにないですよ。いままでいろいろされたけど、入院するほどのケガを負ったことはありません。まあ、もしもされたら裁判の材料に使いますしね。

――少々のケガは経験済み……と。

 車をぶつけられることはあったかな。あ、監禁されたことはあって、怖い思いもしてます。

――相手から逆に訴えられることは?

 そういうことを言う人はいます。不法侵入だとかなんだとか、いちゃもん付けてくる人間は。だけど、「どうぞ、受けて立つよ。逃げないよ」って言い返します。「その代わり、うちも弁護士団を使って戦う。あなたの人生を本気でつぶすつもりでいくけどいいね?」って徹底抗戦の姿勢を見せます。訴えられたことはありますけど、一度も負けたことはありません。あと、ただ訴訟に勝つだけじゃなく、賠償金までぶんどってやります。

――探偵を敵に回すと怖い……。

 合法にやるので、訴えられても問題ないです。そういえば、建設業の社長さんだった対象者で、浮気がバレて家庭が崩壊し、会社をつぶして、一家離散になったケースもありました。オマケに婿養子だったので、家からたたき出されてしまい、その後の消息は分かりません。

「いじめ調査は無料」の理由

――Webサイトを拝見したところ、いじめ調査は無料だと書いてありました。その理由は?

 じつは最初は有料で請けていたんです。でも……。

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