「メーカー純正」のカーシェアサービスが続々登場 ホンダに続き、日産もカーシェアサービス「NISSAN e-シェアモビ」を開始(1/2 ページ)

「新型リーフやノートe-Powerなどの最新車種を用意」その意図は?

» 2017年12月08日 20時00分 公開
[岩城俊介ねとらぼ]

 日産自動車は12月8日、カーシェアリングサービス「NISSAN e-シェアモビ」を2018年1月15日に開始すると発表しました。

photo NISSAN e-シェアモビには、「新型リーフ」「ノートe-Power」が配備されます

 NISSAN e-シェアモビは、15分単位から車両を借りられるカーシェアリングサービス。自動車メーカー自身が展開する強みとして、車両にはフルEV車「リーフ」やシリーズ式ハイブリッド車「ノート e-Power」を用意し、最新の電動化技術、自動運転技術、自動駐車機能などを備える最新車種を手軽に体感できるようにしたのが特長です。

 利用拠点は2018年1月の約30ステーション(東京、神奈川、静岡、大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、和歌山など)からスタートし、順次ほかの都道府県にも拡大する計画です。料金体系は既存のカーシェアサービスと大きくは変わりません。入会費不要で、基本料金は15分200円(税込、以下同)から、6時間パック3500円、12時間パック5500円、ナイトパック(24〜6時)2000円、ビジネスナイトパック(17時〜9時)2500円などのプランを用意します。なお、月額基本料(1000円/月)を2018年7月31日まで無料とするキャンペーンも行われます。

photo 「NISSAN e-シェアモビ」のロゴマーク

 会員カードには、運転免許証がそのままIDカードになる仕組みを取り入れました。運転免許証のIC機能を活用してユーザー認証を行うので、サイフを圧迫し、他のICカードと干渉する要因にもなる会員カードを個別に携帯せずに済みます。最近はスマホのIC機能を会員証に用いるサービスが増えていますが、運転免許証は「そもそも運転時に必ず携帯するもの」なのでこの方法も自然です。

 また、ETCカードを「搭載済み」としたのも便利そうな試みです。ETC料金を後払い清算式にすることで、個人のETCカードを用意することなく、そもそもETCカードを持っていない人もETCゲートを利用できるようにしました。既存のカーシェア/レンタカーサービスの車両では、ETC車載器こそ備わりますが、ETCカードは個人所有のものを持参する必要がありました。利用後に「取り忘れてしまう」リスクもあったので、こういった施策はユーザーとして喜ばしいところです。

photo 新型「リーフ」は、フル電気自動車で、運転支援システム「ProPILOT」などの機能を搭載

自動車メーカーが“純正”のカーシェアサービスを推進、なぜ?

 「自動車メーカー自身が展開するカーシェアサービス」としては、今回の日産だけでなく、11月9日にホンダも純正カーシェアサービス「Honda EvreyGo」を開始しています。Honda EvreyGoでは軽自動車の「N-BOX」、エコカー「フィット」、ミニバン「フリード」などの売れ筋車種が用意されています。

photo ホンダのカーシェアサービス「Honda EvreyGo」

 ここに来て、なぜ自動車メーカー“純正”のカーシェアサービスが増えているのでしょうか。共通するのは「自社の最新車両を用意」して「自社自慢の最新機能、最新安全技術を体験・体感できる」ようにしていることです。カーシェアサービスは、「普段は他の交通機関を使うが、週末だけクルマを利用する」といった都市部在住者を中心に利用者を増やしています。「カーシェアで十分と分かったので、これまで所有していたクルマは不要と判断して手放した人」や「本当は手放したくなかったけれど……という人」もいるでしょう。こんな層へ今後「新車を売る」にはかなりの苦労があるはずです。

 そこで打開策になるのは「自社技術、車両への自信」と「そのハードルを越えるほどの新体験」にあるとメーカーは考えました。メーカー純正のサービスは、カーシェアサービスにおけるそもそものレンタルニーズに加えて「最新車種に乗れる、EVや自動運転支援などの最新機能を体感できる」メリットがあります。そしてメーカー側としては、これを販促ツールとしても活用します。これまでの販売店における「興味を持たせて、来店を促し、試乗してもらう」までのフローを、ほぼ何もせずにすっ飛ばせることになります。

 シェアリングサービスは、貸す側の休遊時間と借りる側のニーズをマッチングさせることで機能します。さしずめ今回のようなメーカー純正のサービスは「試乗車の休遊時間」と「新車・新機能のプロモーション」、ユーザーの「クルマが短時間必要」と「新車に乗りたい、新機能を体験したい(=クルマをまた所有したい)」のニーズを掘り起こしてうまくマッチングさせるようなサービスと言えます。同サービスの進展や効果によっては、ほかの自動車メーカーでも参入が進みそうです。

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