Amazonオリジナルドラマのパクリ疑惑に共同プロデューサーが反省の弁 新潮社は関係を否定(1/2 ページ)
「清水潔氏の著作『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』が原作なのではないか」という問い合わせに新潮社がきっぱり否定。
Amazonオリジナルドラマ「チェイス」について、新潮社は12月28日付で「弊社より刊行している清水潔氏の著作『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』が原作なのではないか、との問い合わせを頂いておりますが、弊社および清水氏はドラマ「チェイス」の制作について何ら関知いたしておりません」とのコメントを発表しました。同作には12月22日の配信後から、「パクリ」「盗作」「著作権侵害」などの声が上がっています。
Amazonプライム・ビデオにて独占配信中の「チェイス」は大谷亮平さん、本田翼さん、岸谷五朗さんらが出演するAmazonオリジナルドラマシリーズ。27年前に発生した5つの連続幼女誘拐殺人事件を追うという内容で、視聴者からは「北関東連続幼女誘拐殺人事件をモチーフにしている作品だと分かります」という声の他、「物語があまりに清水潔さん著『殺人犯はそこにいる』と酷似」「『殺人犯はそこにいる』を勝手に利用したもの」との非難が相次いでいます。
指摘が相次いでいる『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』とは、ジャーナリストで「桶川ストーカー殺人事件」「北関東連続幼女誘拐殺人事件(一部は足利事件とも呼ばれる)」などを取材したことでも知られる清水潔さんの著書。2013年に出版され、「新潮ドキュメント賞」「日本推理作家協会賞」を受賞するなど大きな話題を呼びました。
出版元の新潮社は12月28日に「Amazonドラマ『チェイス』に関して」との声明を発表し、「チェイス」と『殺人犯はそこにいる』との関係を否定。書籍の販売後から映像化の話がたくさん寄せられているものの、「事件の被害者であるご遺族の感情に配慮し、弊社および清水氏は慎重を期して検討を進めております」との状況を明らかにしました。清水さんも自身のTwitterで同様の告知文を掲載しています。
またこれに対し、「チェイス」の共同プロデューサー、四宮隆史さんはTwitter上で、清水さんにリプライを送る形で番組制作に至った経緯などを明かしました。
四宮さんは、清水さんの著書『殺人犯はそこにいる』は出版当初から読んでいたと認めつつも、「チェイス」については「足利事件に限らず、未だ解決の目処が立たない未解決事件を、未解決のまま放置しておくべきではない」「未解決のまま放置される背景には、国家権力による不当な隠蔽があるのではないか」といった問題意識を、架空の連続ドラマという形で表現したものと説明。
「清水さんの功績は賞賛と尊敬に値するものである」としたうえで、「私自身としては、勝手ながらリスペクトする清水さんから名指しでお叱りを受ている現状は重く受け止めなくてはならず、未解決事件の真相解明に向けた動きの一助になれば、との想いがはやり過ぎたかもしれないと反省しております」と反省の弁を述べています。今後について四宮さんは、「私なりの想いと信念もあり、この作品に取り組んで参りましたので、そのことを直接お伝えしたく存じます」と、清水さんと直接会って説明をしたい考えを明かしています。
なお12月31日15時現在で「チェイス」の配信は続いています。
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