「茨城」が「いばら“ぎ”」と誤読されてしまう理由を考える

なぜ濁るのか。

» 2018年01月19日 11時00分 公開
[QuizKnockねとらぼ]

 2017年発表された都道府県の「魅力度ランキング」で、5年連続の47位、すなわち最下位となった茨城県。もはや魅力度最下位であること自体が魅力と化してきた感すらあります。

 ところで、茨城県の話題になると、必ずと言っていいほど誰かが「イバラ“ギ”じゃなくてイバラ“キ”!」と主張し始めます。それはもちろんその通りで、「茨城」は「いばらき」と読むのが正解です。

 では、私たちは一体どうして「茨城」を「いばらぎ」と読んでしまうのでしょうか?

茨城県民自身が「いばらぎ」と言っている?

 「茨城」を「いばらぎ」と読んでしまう原因は、「いばらき」だと主張しているはずの茨城県民のせいだ、とする説があります。一見逆説的ですが、その原因とは……?

 それはズバリ、「茨城弁」と呼ばれる方言です。茨城弁には、文頭以外のカ行やタ行が濁る傾向があります。例えば「柿」は「かぎ」になり、「分からない」は「分がらない」になります。同様に考えると、「いばらき」も「いばらぎ」になってしまいます。

 この結果、県民自らが発音している「いばらぎ」が広まってしまい、誤解されるようになったという説です。

「宮城」からの類推説

 しかし、大阪生まれの筆者はそれでは納得できません。なぜなら、上京するまで茨城出身の人と会ったことがなかったからです。茨城弁を話す茨城県民と会ったことがないのに、「いばらぎ」だと勘違いしている人もいるはず……! ということで、自分が納得できる答えを探してみました。

 さて、茨城県民でなければ、「茨城県」という字を初めて習うのは小学校中学年の社会の授業でしょう。都道府県名と場所、県庁所在地をまとめて覚えたはずです。

 このとき、一緒に覚えるのが「宮城県」です。2県に共通して使われる「城」という漢字。これも小学4年生で習うのですが、その読み方は「ジョウ」と「しろ」しか習いません。

 実は「城」を「き」と読むのは、常用漢字表外の読み方。学校では習わないのです。

 それもあって、「宮城県」の「城」が「ぎ」と読むように、「茨城県」の「城」も「ぎ」と読むはずだ、と勘違いしてしまうのではないでしょうか。その逆、「宮城県」を「みやきけん」と読むのは、いささか違和感がありますし。

 ちなみに宮城県のように、「宮(みや)」+「城(き)」=「宮城(みやぎ)」と濁ることを連濁と言います。「鼻(はな)」+「血(ち)」=「鼻血(はなぢ)」などもそうですね。

 では茨城県はなぜ連濁しないのか。

 それは、「茨(いばら)」にはすでに濁音が含まれているから。日本語では、濁音が含まれている単語を組み合わせた場合、連濁は起きにくい傾向が知られています。

制作協力

QuizKnock


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2409/18/news063.jpg 友人に「100円でもいらない」と酷評されたビーズ作家、再会して言われたのは…… 批判を糧にした作品が「もはや芸術品」と490万再生
  2. /nl/articles/2409/20/news020.jpg 1歳双子赤ちゃん、カメラをじーっと見つめて……次の瞬間! じわじわ笑える急展開に「あ〜可愛い」「1日1回見てしまいます」
  3. /nl/articles/2409/18/news028.jpg 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
  4. /nl/articles/2409/19/news012.jpg 【今日の計算】「7+6÷2+9」を計算せよ
  5. /nl/articles/2409/20/news034.jpg 「意外な結末」 ダイヤモンドに1200度のマグマをかけたら…… “衝撃の実験結果”に「これは予想できなかった」
  6. /nl/articles/2409/19/news146.jpg 大沢たかお、「キングダム」で20キロ増→近影に驚きの声「王綺将軍とのギャップ……」「随分体型が変化」
  7. /nl/articles/2409/20/news151.jpg 年商30億円の「BreakingDown」ファイター、高級車ズラリの巨大ガレージが圧巻だった “こだわり”光るコレクションに「自分も頑張ろーー!!」「そんなふうに生きたい」
  8. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  9. /nl/articles/2409/20/news177.jpg 中秋の名月を撮影→偶然映り込んだ“ある惑星”に20万いいねの大反響 「うわぁぁぁ!ほんとだ!!」「写真で撮れるものなのか」
  10. /nl/articles/2409/19/news036.jpg 台風の雨の日に出会った子猫→息子と一緒に育ち7年後には…… 共に過ごした日々の思い出に涙「種族を超えて、家族になった」「号泣しました」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  2. 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  3. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  4. 「僕ですかこれ」 垢抜けたい男性が“劇的イメチェン”→その大変身に「すげええ!」「泣けたわ」と仰天
  5. 第5子妊娠中の宮崎麗香、子どもたちとの“奇跡の1枚”が撮影される ギャップ満載な“現実”ショットも話題に
  6. そうはならんやろ “バラの絵”を芸術的に描いたら……“まさかの結果”が200万再生 「予想を超えてきた」【海外】
  7. 天皇皇后両陛下の那須静養、愛子さまが天皇陛下のため蚊を手で払う場面も…… “仲むつまじいショット”が約240万再生
  8. 「脳がおかしくなった」 新宿駅を出る→“まさかの光景”に思わず三度見 「意味わからん」「田舎者にはマジでダンジョン」
  9. 合宿前の兄たち、0歳末っ子と離れたくなくて…… メロメロな“別れの光景”に「あーもうなんて尊い」「幸せ」430万再生突破
  10. 雑草だらけの庭が“たった1台の草刈り機”で…… “見事な変化”に7000万再生 「よくやった」「まさにプロ」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」