「謎のアート」「血管みたい」 東京メトロ路線図を高低差まで表現したガチャ、なぜ生まれたか
バンダイの東京メトロの路線図カプセルトイが話題に。開発経緯を取材しました。
上下左右にぐにゃぐにゃ曲がった黄色い棒は有楽町線、Uターンに枝分かれまでしている赤い棒は丸ノ内線――。
東京メトロの路線図を“高低差”まで立体的に表現したカプセルトイ「東京地下鉄立体線路 東京メトロ編」が、1月24日にバンダイから発売されました。カプセルには全9路線のうちいずれか1つが入っており、全てそろえると全幅30センチほどの立体路線図が完成します(1回300円)。
普段利用する地下鉄が実はどれだけ浮き沈みしているのかが一目瞭然になる一方で、1路線しかないと謎のオブジェにしか見えない作りがシュール。1月中旬に発売が告知されるや、ネットでは「よく商品化したな」「高低差がすごい!」「血管みたい。まさに都市の動脈」「知らない人からだと謎の現代アートかプラスチックゴミ」と、斬新なコンセプトにほしがる人が続出しました。
これほどマニアックなカプセルトイをどうして商品化するに至ったのか、何か困難はあったりしたのか。開発したバンダイ担当者に取材しました。
「1路線300円」のコスパ実現が難しかった
「『東京地下鉄立体線路 東京メトロ編』の企画は今から10年ほど前、『もしこんな商品があったら自分がほしいだろうなと思うもの』として発案したものです」と経緯について担当者。「時がたち、設計に関する技術水準が上がったことと、会社の寛容な判断により実商品化までこぎつけることができました」
カプセルトイ化に当たって最も苦慮したのは、手頃な「1路線300円」という価格をどのように実現するかでした。
「グネグネした細い棒状のフィギュアを製造すること自体はさほど難しいことではないのですが、限られたコストの中でパーツを金型にうまく収めていく設計が困難でした。そこに関しては協力メーカーの担当者様が非常に頑張ってくれました。モノづくりに携わっている方が見れば、コストを抑えるための苦労が商品からにじみでていると思います」
平面の路線図を立体化していく中で、開発側で何か気づいた東京メトロの魅力などはあったのでしょうか。
「魅力というか、なぜ各路線は一定の深さで走っていないのかは気になりました。同じ深さでそろっていれば組み立てるのもこんなに大変じゃないのに……と(笑)」
「自分なりの解釈としては、東京という土地は思っている以上に高低差があるので、地表から一定の深さで掘っていくと必然的に地下鉄にも上下運動が発生するため、あのようなグニャグニャの形状になったんだと考えています」
「またよく知られている話ですが、最初に作られた銀座線は地上付近を走り、後の路線ほどさらに地下深くに作られます。他にも主要ターミナル付近は路線が密集するのでどうしても隙間を縫うように掘り進めなければいけなかったのだなぁなど、地下鉄を作られた方々へ思いをはせた次第です」
なお今回は地下内部のデータについて正確な資料の入手が難しく、また実寸に忠実に再現するとただの平面図になってしまう事情から、高低差を表現するためにカプセルトイは横方向と高さ方向で縮尺を大きく変えたそうです。「あくまで『路線図』ですので再現度について足りていない部分についてはご容赦いただけますと幸いです」
ネットの反響については、「夏に鉄道模型のイベントに出展した際にも、賛否両論さまざまな反響を直接いただきました。良くも悪くもご意見をいただけるということは少なからず注目をいただけたということですので、大変ありがたく感じています」とのこと。
今後は他の地下鉄もカプセルトイ化するのでしょうか。
「可能であれば『都営地下鉄編』も展開したいと考えており、実は設計は完了しております。東京メトロ編の販売動向次第で今後の展開が決まりますので何卒よろしくお願い申し上げます!」
おおお、もし実現すれば、東京メトロと都営地下鉄が絡み合ったカオスな立体路線図を作れるのでしょうか……なんとも野望が膨らむ返答です。とりあえず東京メトロ編を試しに購入してみたいところ。ダブって誰かにあげようとして「何これ?」とキョトンとされるのも一興かもしれません。
(黒木貴啓)
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