ルノワールの絵画に「最強の美少女(センター)」 展覧会のアイドルなキャッチコピーに賛否

ねらいは伝わってくる。

» 2018年02月06日 14時45分 公開
[福田瑠千代ねとらぼ]

 国立新美術館で開催される「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」の広告が賛否両論を巻き起こしています。

ルノワールの絵画に「最強の美少女(センター)」 展覧会のアイドルなキャッチコピーに賛否 目を引くキャッチコピー

 話題になっているのは、ルノワールの「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)」をモチーフにした広告。ポスターには「絵画史上、最強の美少女。」とのキャッチコピーが書かれており、「美少女」の文字には「センター」とルビが振られています。

 センターとはアイドルグループにおいて中心に立つ存在を指すもの。絵画と共に「美少女」「センター」といった現代の大衆文化を意識させる言葉を配置したことに対し、広告を見た人からは「ルビ振った人、大丈夫かよ」「安っぽいというか、軽いイメージついちゃう」といった批判意見や、「アピールしたい年齢層がわかりやすい」「若い子が絵画観に行くキッカケになるなら、こんな表現も歓迎」と理解を示す意見など、賛否を呼んでいます。

ルノワールの絵画に「最強の美少女(センター)」 展覧会のアイドルなキャッチコピーに賛否 アリ? ナシ?

 実はキャッチコピーは以前から使われていたもので、昨年(2017年)からしばしば話題になっていました。今回は会期が迫ってきたことで露出が増え、大きな話題に。せっかくなのでコピーを考案した理由について、あらためて美術展の主催者に聞いてみました。

コピーを付けた理由

――「可愛いイレーヌ」を広告のモチーフに選んだのはなぜですか。

主催:ルノワールの最高傑作と知られており、本展のメインビジュアルにふさわしいと考えて選びました。

――「美少女」に「センター」というルビを振った理由を教えてください。

主催:古今東西、幾多の画家が女性の肖像画を描いてきましたが、その作家たちの中でも、ルノワールが特に数多く描いています。そのルノワールの女性の肖像画の中でも、「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)」が彼の最高傑作の美少女像であると考え、2018年に開催するにあたり多くの皆さまに少しでも興味を持っていただくためにこのキャッチコピーを考案しました。

――SNS上では「センターが美少女とは限らない」という意見も出ていますが、どう思いますか。

主催:言葉に関しては皆様それぞれお感じになることが違うと思いますので、主催者からは展覧会に直接関係すること以外の回答は控えさせていただきます。

――広告を見た人から反響・意見などは届いていますか。

主催:直接こちらには頂いておりません。


 「美少女がセンターとは限らないのでは?」というツッコミに対しては残念ながらノーコメントでしたが、コピー自体はルノワールの作家性と照らし合わせて検討されたものだったと分かりました。


 ちなみに展覧会では美少女の肖像画以外にも風景画や静物画など、20世紀前半のスイス人実業家エミール・ゲオルグ・ビュールレが終生をかけて収集したコレクションを一挙に展示。ビュールレ・コレクションは2020年にはチューリヒ美術館に全て移管されるため、今回はその全体像が見られる貴重な機会になっています。


開催概要

東京展「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」

  • 会期:2月14日 〜5月7日
  • 開館時間:10時〜午後18時 (毎週金・土曜日、4月28日〜5月6日は20時まで) ※入場は閉館の30分前まで
  • 休館日:火曜日休館 ※5月1日は除く
  • 会場:国立新美術館

福岡展「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」

  • 会期:5月19日〜7月16日
  • 開館時間:9時30分〜17時(入館は16時30分まで) 毎週金・土曜日は20時まで夜間開館(入館は19時30分まで)
  • 休館日:5月21日、6月4日、6月18日、7月2日
  • 会場:九州国立博物館

名古屋展「名古屋市美術館開館30周年記念 至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」

  • 会期:7月28日〜9月24日
  • 開館時間:9時30分〜17時(毎週金曜日は20時まで) ※入場は閉館の30分前まで
  • 休館日:毎週月曜日(ただし8月13日、9月17日、24日は除く)、9月18日
  • 会場:名古屋市美術館

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/21/news021.jpg 【ヤフオク】“3万円”で購入した100枚の着物帯 →現役着付師が開封すると…… “まさかの中身”に驚き
  2. /nl/articles/2501/22/news010.jpg 子なし夫妻が“人間の子ども”のように育てた柴犬を、実家の家族に会わせたら……  幸せあふれる展開に「とっても嬉しそう」
  3. /nl/articles/2501/22/news035.jpg 友達に「あれ、お前んちパーティ中?」と言われた“実家”が100万再生 衝撃の全貌に「ビビってます」「ウチの中にない物ばかりwww」
  4. /nl/articles/2501/22/news088.jpg 道で“お宝”拾ったと大興奮→磨いたら…… 3430万再生された驚きの職人技に「まさに芸術作品!」「信じられない」【海外】
  5. /nl/articles/2501/21/news098.jpg 「キティちゃんのお面だと思ったら……」 ひっくり返した“まさかの正体”が830万表示 投稿者に話を聞いた
  6. /nl/articles/2501/22/news029.jpg 0歳赤ちゃん、朝起きてママに気付いた瞬間…… 涙が出そうになる表情が600万再生「こーれーはーやばい!」「あかん一生みてまう」
  7. /nl/articles/2501/22/news108.jpg 東京ディズニーリゾート、“あのブランド”とコラボした紅茶に反響 「遂に来たぁあああ!!」「買うしか!」
  8. /nl/articles/2501/22/news076.jpg 実物大ν(ニュー)ガンダムが公開から数年たち…… 現在の姿を捉えた写真に反響 「イラストかと思った」「かぁぁっこえぇ……」
  9. /nl/articles/2501/21/news023.jpg 100円で売ってた謎のジャンクDSソフト、その中身は…… “とんでもないデータ”が入った掘り出し物「これもう運命の出会いでしょ」
  10. /nl/articles/2412/09/news077.jpg 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
先週の総合アクセスTOP10
  1. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  2. 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
  3. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
  4. 鮮魚店で売れ残っていたタコを連れ帰り、水槽に入れたら…… ヤバすぎる光景に「こんなに可愛いなんて!」「笑ってしまった」
  5. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  6. 「まじで終わってる」 マクドナルド「エヴァ」コラボ品“高額転売”に嘆く声…… 「結局欲しい人が買えない」
  7. 母に「髪染めやピアスはダメ」と言われ続けた25歳東大女子、大変身を決意したら…… まさかの事態に「さすがにおもろい」「涙出てきた」
  8. 賞味期限「2年前」のゼリーを販売か…… 人気スーパーが謝罪「深くお詫び」 回収に協力呼びかけ
  9. 風呂上がりに偶然「牛乳を注ぐ女」になった人に反響 「ほぼそのままw」「盛大にふきだした」 投稿者に話を聞いた
  10. タンクトップ姿のパパ「昔はモテた」→娘は信じていなかったが…… かつての姿に衝撃走る「『トップガン』に出ていても納得」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  3. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  4. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  7. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  8. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  9. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  10. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」