切り絵師が作ったオウムガイに「ギャフンと言いました」 想像を超えた立体感に感動
作者に制作過程を聞いてみました。
切り絵で作られた「オウムガイ」に衝撃を受ける人が続出しています。切り絵で立体感や奥行きが出せるなんて……!
作者は個展なども開く切り絵師の切り剣(@kiriken16)さん。3月6日に完成作品の画像をツイートしたところ2万4000件を超える“いいね”や「とりあえず、僕はギャフンと言いましたw」「超 リアル 凄いなぁ」「生き物独特の綺麗さがある感じで、とにかく美しいです」といったコメントが多く寄せられました。
作品をよく見てみると、繊細で緻密なカッティングも素晴らしいことながら作品全体にパースがかかっていることにより、のっぺりと仕上がりがちな切り絵に立体感を持たせていることがよく分かります。
これは手前に来る部分は光が当たっているように見せるため白の面積を多く残し、奥の部分はカッティングを増やして影の部分を作るという手法によって生み出されたものですが、どうやってこうした手法が生み出されたのでしょうか。ねとらぼ編集部では作者の切り剣こと福田理代さんに取材。切り絵との出会いから制作秘話に至るまでを聞きました。
なぜ立体感抜群のオウムガイが誕生したのか。
――オウムガイの制作にはどれくらいの時間がかかりましたか。
福田:今回のオウムガイは、まず手のひらサイズの試作品を作り、それを拡大・修正・加筆して制作しました。試作品は約1週間くらい、本作品は約1カ月くらいで制作しました。
――立体感を感じさせる素晴らしい作品だなと思ったのですが、他の作品に比べてオウムガイは作るのが難しいモチーフでしたか。
福田:普段の作品は下描きから完成まで3〜4カ月、下手したら下描き1カ月、切るのに6カ月かかったものもあります。今回は4月の自分の個展に間に合わせるために時間制限があり、早く切れる下描きの工夫などをして、かなり短い時間での制作となりました。
――そんなに早く……! 今回のモチーフオウムガイには対となる作品があるともツイートされていました。
福田:この作品は個展の後にアートフェアに出展する予定なのですが、2枚出展で申し込んだので、雰囲気の似ている切り絵をもう一枚作ろうと思いました。そちらはシワコブサイチョウという鳥をモチーフにしており、生物としてはオウムガイとは何の関連も無いのですが、雰囲気の似た存在感のある作品を並べたら面白いと思い「対」と言う表現をしました。オウムガイと同様に試作品を作り、拡大・修正・加筆して切る予定です。
――ユニークな発想で面白いですね。そもそも切り絵に興味をもったのきっかけは何だったのでしょうか。
福田:興味を持ったのは高校生のころで、友達に渡す誕生日カードを「ただの四角ではつまらない」とハート型に切ったのがきっかけです。それが女の子の横顔、花束……とどんどん細かくなり今に至ります。
今後は4月10日から青山にて個展「福田 理代切り絵展」を開催する他、4月14日から上野にて「八百万之紙&切り藝展」、5月にフランス・パリで開催されるアートフェア「サロン・アート・ショッピング」に参加する予定の福田さん。現地でその超絶技巧を鑑賞してみたいですね。
画像提供:切り絵師の切り剣(@kiriken16)さん
(Kikka)
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