切り絵師が作ったオウムガイに「ギャフンと言いました」 想像を超えた立体感に感動

作者に制作過程を聞いてみました。

» 2018年03月10日 17時00分 公開
[Kikkaねとらぼ]

 切り絵で作られた「オウムガイ」に衝撃を受ける人が続出しています。切り絵で立体感や奥行きが出せるなんて……!

 作者は個展なども開く切り絵師の切り剣(@kiriken16)さん。3月6日に完成作品の画像をツイートしたところ2万4000件を超える“いいね”や「とりあえず、僕はギャフンと言いましたw」「超 リアル 凄いなぁ」「生き物独特の綺麗さがある感じで、とにかく美しいです」といったコメントが多く寄せられました。


オウムガイ 切り絵

オウムガイ 切り絵 切り絵「オウムガイ」

 作品をよく見てみると、繊細で緻密なカッティングも素晴らしいことながら作品全体にパースがかかっていることにより、のっぺりと仕上がりがちな切り絵に立体感を持たせていることがよく分かります。

 これは手前に来る部分は光が当たっているように見せるため白の面積を多く残し、奥の部分はカッティングを増やして影の部分を作るという手法によって生み出されたものですが、どうやってこうした手法が生み出されたのでしょうか。ねとらぼ編集部では作者の切り剣こと福田理代さんに取材。切り絵との出会いから制作秘話に至るまでを聞きました。


オウムガイ 切り絵

オウムガイ 切り絵 本当に切り絵だ……!

なぜ立体感抜群のオウムガイが誕生したのか。

――オウムガイの制作にはどれくらいの時間がかかりましたか。

福田今回のオウムガイは、まず手のひらサイズの試作品を作り、それを拡大・修正・加筆して制作しました。試作品は約1週間くらい、本作品は約1カ月くらいで制作しました。


オウムガイ 切り絵 手のひらサイズバージョン

――立体感を感じさせる素晴らしい作品だなと思ったのですが、他の作品に比べてオウムガイは作るのが難しいモチーフでしたか。

福田普段の作品は下描きから完成まで3〜4カ月、下手したら下描き1カ月、切るのに6カ月かかったものもあります。今回は4月の自分の個展に間に合わせるために時間制限があり、早く切れる下描きの工夫などをして、かなり短い時間での制作となりました。


オウムガイ 切り絵 下絵

オウムガイ 切り絵 制作過程

――そんなに早く……! 今回のモチーフオウムガイには対となる作品があるともツイートされていました。

福田この作品は個展の後にアートフェアに出展する予定なのですが、2枚出展で申し込んだので、雰囲気の似ている切り絵をもう一枚作ろうと思いました。そちらはシワコブサイチョウという鳥をモチーフにしており、生物としてはオウムガイとは何の関連も無いのですが、雰囲気の似た存在感のある作品を並べたら面白いと思い「対」と言う表現をしました。オウムガイと同様に試作品を作り、拡大・修正・加筆して切る予定です。


オウムガイ 切り絵 下絵

オウムガイ 切り絵 制作過程

オウムガイ 切り絵

――ユニークな発想で面白いですね。そもそも切り絵に興味をもったのきっかけは何だったのでしょうか。

福田興味を持ったのは高校生のころで、友達に渡す誕生日カードを「ただの四角ではつまらない」とハート型に切ったのがきっかけです。それが女の子の横顔、花束……とどんどん細かくなり今に至ります。




 今後は4月10日から青山にて個展「福田 理代切り絵展」を開催する他、4月14日から上野にて「八百万之紙&切り藝展」、5月にフランス・パリで開催されるアートフェア「サロン・アート・ショッピング」に参加する予定の福田さん。現地でその超絶技巧を鑑賞してみたいですね。

画像提供:切り絵師の切り剣(@kiriken16)さん

(Kikka)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news042.jpg 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  4. /nl/articles/2411/14/news090.jpg ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  5. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2411/13/news162.jpg 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  9. /nl/articles/2411/14/news035.jpg 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  10. /nl/articles/2411/12/news194.jpg 「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた