誰でも描けるリアル背景、「爆発エフェクト」の描き方漫画家直伝イラストテクニック(3)(1/3 ページ)

紙とペンを用意して、ぜひ試してみてください!

» 2018年03月21日 13時10分 公開
[Kikkaねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 漫画家の作画テクニックを伝授するコーナー「漫画家直伝イラストテクニック」。第三回は漫画『折れた竜骨(原作:米澤 穂信)』や『アルマディアノス英雄伝(原作:高見粱川)』を連載中の漫画家、佐藤夕子(@makaidaibouken4)先生に、“爆発”の描き方を教えていただきます。


ねとらぼイラストテクニック 漫画 作画 絵 爆発 誰でも描けるリアル背景、「爆発エフェクト」の描き方

第三回:「爆発」のエフェクト

 第三回はバトルシーンなどで見かけることの多い“爆発”がテーマ。飛び散る破片や爆風などを描きます。

STEP1:円を重ねる

 まずは紙、筆記用具を用意し、大小さまざまな円を部分的に重ねるようなイメージで鉛筆で下書きしていきます。このとき規則性を持たせずに、ざっくりと描いていくのがポイント。この下書きを目安にして爆発の形を大まかにイメージしていきます。


ねとらぼイラストテクニック 漫画 作画 絵 爆発 円が重なるように描いていくところがポイント

STEP2:影となる部分に斜線 

 次に1で描いた円の中に影となる部分(ベタ)を斜線で描いていきます。ここで“爆発”の瞬間をもう一度イメージしてみましょう。中心から火が出て、破片が周囲へ飛び散り、煙がもくもくと上がっていきますよね。この現象を“明暗”という視点で見てみると、中心が明るく、外側は暗いということになります。


ねとらぼイラストテクニック 漫画 作画 絵 爆発 影になる部分に斜線を引いていく

 この考えを参考に影をつけていくと、中心部分は白(余白)が多め、外側の円には黒(斜線)が多めになることが分かります。ただし、外側の円全てを塗りつぶしてしまってはリアリティーに欠けてしまうので、円と円が重なり合ってできた部分の面積は適宜塗ったり、塗らなかったりしましょう。

STEP3:ペン入れ

 次は鉛筆からペンへ持ち替えてペン入れの作業を行っていきます。ペン入れとは鉛筆で描いた下書きをなぞって本番用の線にしていくこと。つけペン、ミリペン、筆ペンなど描き込む場所によって使う筆記用具を変えていくことにより、リアルな質感に仕上げることができます。

 まずはアウトラインから描いていきましょう。ここではつけペン、ミリペンなどを使って円を描いていきますが、このとき、わざと形を崩すようになぞるのがポイントです。1で描いた円はあくまでも“目安”なので忠実になぞる必要はありません。煙が正円のような形になることはあり得ないので、円状の形状は守りつつ、細部ははみだしたり、凹ませたりしてみましょう。


ねとらぼイラストテクニック 漫画 作画 絵 爆発 なぞるときにはあえて形を崩すのがポイント

 また所々に筆ペンを使用してシャッと細い線を重ねたり、煙がうねっているように描いたりすると、よりリアルな爆発エフェクトになるので、ぜひ取り入れてみましょう。


ねとらぼイラストテクニック 漫画 作画 絵 爆発 筆ペンを使ったテクニック

STEP4:ベタ塗り

 次はベタ塗りをしていきます。ベタ塗りとは影になる部分を黒く塗りつぶすことで、今回は斜線の部分をメインに塗っていきます。まずは黒くする部分の中心を大まかに太いペンやマジックなどで塗りつぶしていきます。このとき、円と円が重なり合っている部分に注意して塗りすぎないのがポイントです。

 外側の円は黒多め、内側の円は白多めということを念頭に、完璧に塗りつぶす部分、カケアミ(線を複数重ねて影を作るテクニック)、トーン(漫画・イラスト用の模様素材)などを駆使してグラデーションを付けたりするとより一層リアルな仕上がりが期待できます。


ねとらぼイラストテクニック 漫画 作画 絵 爆発 表面をボコボコさせるテクニック

 またこのとき、輪郭をボコボコさせたり、タッチが分かるようなペン入れをすると、爆発の動きや炎のゆらぎがより伝わりやすくなるので、同じ場所を何度かなぞってインクを重ねるのも有効です。


ねとらぼイラストテクニック 漫画 作画 絵 爆発

ねとらぼイラストテクニック 漫画 作画 絵 爆発

 最後に紙を離してみて、バランスが整っていれば完成です。リアルな「爆発」のエフェクトを描くことができました。


ねとらぼイラストテクニック 漫画 作画 絵 爆発 完成!

編集部でも描いてみた

 と、ここまでご紹介してきた佐藤先生によるテクニックですが、これは素人にも活用できるのか――。今回もド素人の編集部員が実際に“爆発”を描いてみました。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2504/25/news022.jpg 足の悪い母のため、庭に作った小道→100均アイテムで雰囲気ガラリ 天才アイデアに「すごい!」「真似します」
  2. /nl/articles/2504/26/news046.jpg 身長が足りず、東京ディズニーシーのアトラクションに乗れなかった少女→17年後……「やばい泣いちゃう」キャストの“神対応”に反響
  3. /nl/articles/2504/26/news011.jpg 余りがちな“紙袋”→2カ所切り込みを入れるだけで…… 「天才」「めっちゃ良い!」目からウロコの活用法が140万再生【海外】
  4. /nl/articles/2504/25/news168.jpg 「こんな事態記憶にない」 小柳ルミ子、低調だった“NHK生歌唱”の原因とは…… 舞台裏で信じがたい“声帯トラブル”に「悔しくって悔しくって」「言い訳も出来ず」
  5. /nl/articles/2504/17/news162.jpg 築53年家賃4万円・何てことない団地のドアを開けると…… まさかの空間出現に驚きの声「素敵」「ここまでお洒落に」
  6. /nl/articles/2504/26/news017.jpg 雨の中、ガクガク震えて泣く生後2週間の子猫→3年後、“驚きの姿”に「何この格好」「え、人ですよね?w」
  7. /nl/articles/2504/26/news040.jpg テレビで“ミスド特集”を見た妻、ドーナツを買ってくると…… 夫も驚きの“まさかの光景”に「すごい」「そんなことあるんだw」
  8. /nl/articles/2504/26/news054.jpg 「絶対にこれがいい!」 わが子が“即決”した裁縫セットにママは「本当に……?」 ひときわ異彩を放つデザインに反響続々
  9. /nl/articles/2504/25/news018.jpg “恋”をした46歳男性→思い切ってイメチェンしたら…… 「これが俺?」まさかの仕上がりに仰天「美容師さん最強」
  10. /nl/articles/2504/24/news021.jpg ママ「昔は可愛かった」→娘は疑っていたが…… 1171万再生された当時の姿に「女優レベルやん」「元モデルは強すぎる」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「成長したらそのうち襲ってくる」と言われたワニ、16年後……→ 280万回再生を突破した驚きの姿に「初めて見た」の声
  2. 【大阪万博】皇后さま、帽子から靴までブルーとピンク 天皇陛下のネクタイと“連日おそろいコーデ”
  3. 飲み終えた“コーヒーかす”→捨てずに石と混ぜると、1カ月後…… 「感動」目からウロコの裏ワザに「やってみよう」
  4. 人里離れた山にカメラを設置→1週間後…… 「なんで?」映っていた“意外すぎる住人”に「笑った」「実在していたのか!」
  5. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  6. 「ウソだ…」「言葉が出ない」 幼少期から絵を描き続けた少年→15年後…… 大人になって描いた絵が100万再生【海外】
  7. 湘南の砂浜に打ちあがった“超危険生物”を飼育したら…… 貴重な姿に「初めて見ました」「かっこいい」と大反響→2年後の現在について話を聞いた
  8. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」話題になった飼い主に聞いた
  9. 万博「ミャクミャク」記念500円硬貨、金融機関での「品切れ」&高額転売相次ぐ…… 5倍以上の金額で出品される事態に
  10. マクドナルド、次回ハッピーセットコラボに「争奪戦すごそう」 品切れや転売の懸念も「1個でいいから欲しい」「たくさん作って」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 【べらぼう】“問題のシーン”、「子供に見せられない」 身体張った27歳俳優へ「演技やばくない?」
  2. 「恩師ビックリするやろなぁ」 中学3年で付き合い始めた“同級生カップル”が10年後…… まさかの現在に反響
  3. 「本当に迷惑」 宅急便の「不在連絡票」と酷似のチラシが物議…… ヤマト運輸「配布中止申し入れ」
  4. 「うそでしょ!?」 東京ディズニーランド、“老舗”レストランの閉店を発表 「とうとう来てしまったか」「いやだああああ」と悲しみの声
  5. 雑草ボーボーの運動場に“180羽のニワトリ”を放ったら…… 次の日、まさかの光景に「感動しました」「すごい食欲」
  6. 40歳・女性YouTuber「18年間、脇毛を処理していない」→“処理しない理由”語る 「脇のみならず……」
  7. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  8. 息子の小学校卒業で腕を組んだ34歳母→中学校で反抗期を迎えて…… 6年後の姿に反響 「本当に素敵!」「お母さん、変わってない!?」
  9. Koki,、豪邸すぎる“木村家の一室”がウソみたいな広さ! 共演者も間違えてしまうほどの空間にスタジオビックリ「コレ自宅!?」「ちょっと見せて」
  10. 使わない靴下をザクザク切って組み合わせると…… 目からウロコの再利用法が2500万再生「とてもクリエイティブ」【海外】