「社畜ノート」の物語と仕掛けに涙する人続々 めくるたびにブラックな環境に耐える社員の悲壮な日常が展開

見ていてつらい。

» 2018年04月04日 21時00分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

 仕掛け絵本風に作られた物語「社畜ノート」が、Twitterで注目を集めています。ページをめくるたび、激務に耐える社員の暮らしが展開されて、見ていてつらい。


社畜ノート 伏せられたノートの1ページ目を開くと……

社畜ノート 駅のホームのシーンに。別パーツの電車が手で押されて入ってきます

社畜ノート ページをめくると場面は車内へ。つらい日常が始まる

 『ドラえもん』や『ドラゴンボール』を斬新な工作で表現して話題を呼んだ、しんらしんげ(@shin___geki)さんの新作。今回はページの随所にスライドする紙を仕込み、動かすことで風景や時候などの変化を表現しています。


社畜ノート 車窓は切り抜かれており、背景の紙をスライドすることで走行を演出

社畜ノート オフィスの引き戸もスライドで表現

 主人公の勤め先は、ホワイトボードに「死ぬまで働け」などと書いてある、分かりやすくブラックな会社。大量の業務を振られた彼は夜遅くまで働き、疲れて帰って眠るだけの日々を過ごしています。


社畜ノート スローガンはやがて「死ぬまで働け」から「死んでも働け」に

社畜ノート 夜遅くまで残業

社畜ノート社畜ノート 疲れて電車に揺られ、ただ眠るだけ

 そんなある日、ほんの少しだけいいことが。独りで残業している夜、隣席の女性社員が戻ってきて、業務を半分手伝ってくれたのです。彼女はてきぱきと作業を片付け、主人公より先に退社するのでした。


社畜ノート社畜ノート 孤独な残業中に救いの手

社畜ノート 主人公よりも手早く作業を済ませ、女性写真は帰宅しますが……

 しかし、このことは痛ましい悲劇を生みました。女性社員がオフィスを出るなり、交通事故に遭ってしまったのです。それでも会社の様子は翌日もいつも通りで、「1日で3日分働け」「サービス残業は社会貢献」など、無茶なスローガンを押しつけるのみ。絶望した主人公はとうとう、自室に自殺用の縄を用意してしまいます。やめろーっ!


社畜ノート 窓の外で不穏な音が

社畜ノート あああ……

社畜ノート それでも酷な要求を続ける会社

社畜ノート 絶望のあまり、死を選んでしまう主人公

 縄の輪っかの向こうは、一面の花畑。一度はそちらに行きかけた主人公ですが、すんでのところで縄が切れて我に返りました。それと同時に、iPhoneに着信が。電話の主は、事故で入院したあの人です。「つらいだろうけど……がんばって、私もがんばるから」と声をかけられ、号泣する主人公を描いて物語は幕を閉じます。


社畜ノート社畜ノート ページをめくると、輪っかの向こうに花畑が

社畜ノート社畜ノート 縄が切れて無事だったところに着信が

社畜ノート

社畜ノート

社畜ノート 事故で入院した女性社員から、温かいはげましが

 BGMや効果音による演出も見事で、作品は泣けると評判に。「結局何も解決していない」「ここまで追い詰められても、まだがんばらなければいけないのか」と、考えさせられた人も多いようです。

 反響を受けて、作者は「もうちょっとハッピーな展開にすればよかった……」とコメントしています。同時に、一部のページを完全に開いた状態も披露。立てたとき自然に見えるよう、角度を工夫して描いていることが分かります。


画像提供:しんらしんげ(@shin___geki)さん

(沓澤真二)


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2408/31/news036.jpg 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほどの変貌が379万表示「そこだけボッ!ってw」 半年後の現在について聞いた
  2. /nl/articles/2408/30/news121.jpg 「地獄絵図」「えぐすぎやろ……」 静岡・焼津市の地下歩道が冠水 “信じられない光景”にネットあぜん
  3. /nl/articles/2408/31/news073.jpg 「よくこんなものが……」 米不足でメルカリに米出品→疑問の声も 運営は“禁止出品物”に「然るべき対応」
  4. /nl/articles/2408/31/news025.jpg 次男に塩対応の柴犬、いよいよ次男の帰省最終日を迎え…… 本音が出た瞬間に「不意に泣かせるのやめて欲しい」と感動の声
  5. /nl/articles/2408/30/news017.jpg 最上位グレードのハイエースを“50万円の底値”で購入したら…… 驚きの実物に「ある意味最強」「正直、羨ましい」
  6. /nl/articles/2408/30/news188.jpg 実写「着せ恋」、キャストに物議 海夢の再現度が高すぎるタレントを推す声あがる 「逆になんであかせあかりさん以外の人……」
  7. /nl/articles/2408/29/news193.jpg 「なんで欲しいと思ったんですか?」 酔った勢いで購入 → 後日届いた“まさかの商品”に反響 「理性あったら買わないw」
  8. /nl/articles/2408/28/news142.jpg 明石家さんま、69歳バースデー迎え長男から幸せ呼ぶ“輝かしいプレゼント” 同席した元妻・大竹しのぶは「最高の笑顔でした」
  9. /nl/articles/2408/31/news084.jpg 仕事早いな! 大谷翔平の愛犬“デコピン”、大反響の始球式がさっそくTシャツ化 「こ、これは……」「欲しい!」と爆売れの予感
  10. /nl/articles/2408/30/news113.jpg 「これ600円なの?」 大谷翔平が長く愛用しているデコピンの“おやつ入れ”、始球式で注目「おそろだった」「真美子さんが選んだのかな」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  2. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  3. 「苦手な芸能人は誰?」 あのちゃん、女性芸能人を“実名で即答” 「ここ最近で一番笑った」「強すぎる」
  4. ホテルでチェックアウト、忘れ物で多いのは? ホテル従業員が教える「圧倒的に多い忘れ物」
  5. 乳がん闘病中の梅宮アンナ、抗がん剤治療で「髪の毛ほとんどなくなっています」 帽子かぶり「ああ、来たか」
  6. 「キティちゃんのお面だと思ったら……」 ひっくり返すと“まさかの正体”に11万いいね
  7. 「凄すぎる…」「ガチで滝」 “市ケ谷駅の冠水”が衝撃与える 階段に大量の水が流れる様子も…… 東京メトロに経緯を取材
  8. 「早すぎます」「一体なにが」 52歳ボディービルダー、訃報1週間前に最期の投稿で“人生初の試み” 恋人は「亡くなる数時間前まで普通にお出かけも」
  9. お盆で帰省した次男に、柴犬も猫もまさかの反応→どちらも豹変して爆笑 「涙出てきました」「おもろ可愛過ぎ(笑)」
  10. 着陸する戦闘機を撮ったはずが…… タイミングが絶妙すぎる1枚に「一部の専門家には貴重な一枚」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」