ブックオフの伝説記事「異世界転生ファンタジー年表」を作った“ラノベ担当ミヤザワさん”とは一体何者なのか:かーずSPのインターネット回顧録(番外編)(3/3 ページ)
ミヤザワ:
最初に買った「星空ぷらねっと」や、ねこねこソフトの「みずいろ」「姉、ちゃんとしようよっ!」「D.C. 〜ダ・カーポ〜」などが大好きです。
―― 物語を読んで楽しむ素養はそこから生まれたんでしょうか。
ミヤザワ:
多分。「涼宮ハルヒの憂鬱」のアニメが2006年4月に始まったんですけど、アニメを見た翌日に既刊を全て買いました。そこからラノベをよく読むようになりました。
そして『えむえむっ!』に出会いまして、「これが自分の読みたかったラノベだ!」と衝撃を受けました。それからMF文庫Jのラノベは全部買うようにしています。当時500冊ぐらい出ていたのを全部集めて、800冊ぐらいまでカウントしてたんですけど それ以降は覚えてないです。
―― あれだけ毎月冊数が出ているレーベルを全部買いする人は初めて見ました。影響を受けた作家はいますか。
ミヤザワ:
日日日さん、十文字青さん、阿智太郎さん、土橋真二郎さん。
「ミヤザワの文章に読点が多くなったね」って指摘されることが増えたんですけど、十文字青さんはかなり読点を打つ作家さんなので、知らないうちに影響を受けたんだなって気付かされました。
―― ライトノベル以外ではどうですか。
ミヤザワ:
ポール・アーデンさんという広告デザイナーの方の本がすごく好きです。『PLAY・JOB(プレイ・ジョブ)』の有名なセリフに「準備は走りながらするものだ」っていう言葉があるんです。「みんな準備に時間をかけすぎている、準備は走りながらするものだ」って言葉に感銘を受けました。
―― 最後に、一般小説にはない、ライトノベルの魅力はどんなところでしょうか。
ミヤザワ:
ライトノベルってリアル感があまりないところが良いんです。
例えば東野圭吾さんの『秘密』っていう一般小説があります。すごく面白くて衝撃を受けました。妻が亡くなって娘の身体に妻の人格が入るっていうこれもファンタジーな話ですが、主人公がとにかく複雑に考えるんです。「私がこの娘に手を出していいのだろうか」みたいにいろいろと悩む。
これがもしもライトノベルだったら「まあいいかな」ってなりますよね。リアルな現実とは切り離したところで楽しめる、それがライトノベルの魅力だとミヤザワは感じています。
── 本日はありがとうございました!
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