「ジョークのよう」な悲劇でホテルから出禁になった男性、17年を経て和解を成し遂げる
同僚へのおみやげが引き起こした悲惨な事件。
ホテルから終身出入禁止を言い渡された男性が、17年の年月を経て、再びお客さんとして迎え入れられました。男性は過去にホテルの一室をカモメのフンまみれにしてしまいましたが、経緯を説明したうえで過去の間違いを謝罪。ホテル側も男性の反省を受け入れ、和解に至りました。
宿泊部屋がカモメのフンだらけになる被害を受けたのは、カナダのラグジュアリーホテルとして知られるフェアモント・エンプレス。17年前の2001年、ニック・バーチルさんは、ある会社の新入社員として、カンファレンスに参加するために同ホテルに宿泊していました。バーチルさんは海軍に勤めていた経験があり、カンファレンスに参加するついでに、過去の仕事仲間へおみやげとして大量のペパロニ(香辛料を強く利かせたソーセージ)を持参していたのです。このペパロニがとんでもない悲劇を生むことに……。
海軍の仲間たち全員に配れるよう、バーチルさんはスーツケースに溢れんばかりのペパロニを詰め込みました。しかし宿泊した部屋には冷蔵庫がなく、ペパロニが傷まないか心配になったバーチルさんは少し窓を開けて、風通しがいい窓際にペパロニを置くことにします。4〜5時間ほど散歩にでかけ、部屋に帰ってきたバーチルさんが目にした光景は、数え切れないほどのカモメでした。カモメはペパロニを食べ散らかし、部屋にフンをまき散らしていたのです。
フェアモント・エンプレスは、バーチルさんが勤める会社宛にバーチルさんのホテル利用を「一生禁止」としたことを伝えます。バーチルさんは17年間、律儀にこの通達を守ってきましたが、18年目となる本年、ホテルへ当時の経緯を説明して謝罪。許してもらえないか再検討を願う手紙を送りました。バーチルさんは謝罪内容をFacebookに投稿しています。
「私は成長し、自分の行動に責任を持つようになりました。ホテルに与えてしまった損害について、何度も何度も謝ります。そして、私が貴ホテルの利用を終身禁止されていることについて再検討していただくことを願います。私を許していただく、もしくはホテルを利用しなかった18年間を『拘留期間』として再度検討していただけたら幸いです」
バーチルさんの謝罪を受けて、フェアモント・エンプレスのマネージャーであるライアンさんは、彼を再びお客さんとして迎え入れることを伝えました。Facebookには「最高の話だよ! 許してもらえてよかったね」「まるでエイプリルフールのジョークね! 最高のストーリーよ」といった声がよせられています。バーチルさんは和解した秘訣を「平和協定としてペパロニをもっていったことだね」と語りました。
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