見た目はスーツ、実は作業着 「ワークウェアスーツ」はなぜ生まれたか(1/2 ページ)

「スーツの代わりに着たい」という声もあがるなどさまざまな反響が。開発元に聞きました。

» 2018年04月13日 07時00分 公開
[ねとらぼ]

 スーツのようなデザインの作業着「WORK WEAR SUIT(ワークウェアスーツ)」が3月末に発売され、注目を集めました(関連記事)。清掃・設備・建設業界のイメージを向上させて人手不足を解消したいという思いから生まれたこの製品について、開発元に聞きました。

ワークウェアスーツ

 ワークウェアスーツを開発したのは、水道工事やメンテナンスを行うオアシスソリューションのグループ会社「オアシススタイルウェア」。同製品はスーツのような見た目と、現場作業に必要な機能性を備えている点が特徴となっています。

ジャケットタイプとブルゾンタイプの2種

社長の実家は水道工事店

 オアシスグループの関谷有三社長は、実家が水道工事店。父親のことは尊敬していたものの、汚れた作業着を着た職人さんがあまりかっこよく見えず、スーツで働くビジネスマンにあこがれていたとのこと。実家の経営危機をきっかけに水道関連の事業に携わり、業界のイメージを変えたいと思ってきたとしています。「ガテン系でかっこいいと思われる方もいれば、一方で私みたいな感覚を持っている方もおそらくいるだろうなと思います」と関谷社長。

 創立10周年を記念して自社の水道工事ユニフォームをリニューアルするに当たって、「職人さんのかっこよさや作業着の機能性を生かしつつ、業界のイメージを変えられるような身だしなみ」を実現したいと、ワークウェアスーツ開発を開始しました。

 同製品の開発は、清掃・設備・建設業界の人手不足も背景となっています。同社が総務・人事や転職・就職活動中の人を対象に、これら業界のイメージと作業着について調査を行ったところ、約7割が作業着には3K(きつい・危険・汚い)などをネガティブなイメージを連想させると回答し、転職・就職活動中の人の多くが働きたい服装を「オフィスカジュアル(66%)」「スーツ(46.2%)」と答えたといいます。業界のイメージアップや着用者の意識向上、人手不足解消につなげるという狙いが込められています。

女性社員の一言がきっかけで「スーツ型」に

 水道工事ユニフォームのリニューアルに着手したものの、1年かけてもかっこいいものができなかったといいます。つなぎやストリートファッションなど男性目線でかっこいいものを突き詰めていたものの、中途半端なデザインになり行き詰まることに。

 そんな中で、ミーティングで人事担当の女性が発した「若者ウケするスーツみたいなスタイルで作業ってできないんですかね?」という一言をきっかけに、「仕事終わりにそのままデートに行けるような服装」としてスーツ型のデザインが決定。

 試作では、無理やりポケットを付けるとスマートさが失われ、スマートさを押し出すと機能性が失われるといったように試行錯誤を重ね、サンプルを1年作り続けたとのこと。柔らかく軽量で、水をはじき汚れにくく、自宅で洗っても乾きやすい形状記憶素材「ストレッチアイ」が見つかったことが突破口になったとしています。

 サンプルは実際に着用する技術スタッフがフィッティングし、実際に作業に支障がないかどうか半年の試験運用を経て商品化。作業しやすいよう、大容量のジッパー付きポケットや小物をいれるポケット、外での作業時に冷たい空気が入らないようにするためのリブなどを作り、伸縮性の高い素材やカットを入れることで腕まくりしやすくしたり、かがんでも引っかからないように工夫を施したとしています。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  3. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  4. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  5. 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
  6. 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
  7. 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
  8. 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
  9. 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
  10. 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」