「戦隊」へ配属された新入社員がピンク係を拒否 既成概念にあらがう漫画がアツい
内勤希望だったのに、「若くてかわいいんだからピンクをやれ」と命ずるブラック上司とも戦うことに。
色とりどりの戦士が協力して戦う「戦隊ヒーロー」において、例外はあれど女性は「ピンク系の戦士」を担当しがちなもの。この既成概念によってピンク係を強いられた、ハデな色が苦手な女性の悲劇を描くパロディ漫画がTwitterに登場しました。
主人公は難関を突破し、晴れて「某省」へ就職。事務方のつもりでバリバリ働こうと意気込みますが、配属されたのは「平和戦隊課」で、「トツゲキジャー」のピンクとして迎えられてしまいます。「ピンクやだやだやだあああああ」と泣き出す主人公。女の子だからって、誰もがピンク好きってわけではないですからねえ。
彼女をなだめようと、別の色を提案する赤や黄色。そもそもこの戦隊は規則がゆるく、黄色がリーダーを務める(既存の戦隊ものではほぼ赤が担当)など、色によるキャラ付けもされていないので、チョイスは個人の自由なのです。しかし、主人公は彩度の高い服が精神的に無理で着られないタイプ。全員が彩度と明度を7割落とすぐらいでないと……と、戦隊への配属を受け入れられないのでした。
彼女が困惑していると、今度は通信モニターに長官が登場。「お前らの好みなんか知るか!」「ハデなほうが営業的なアピールになる」と高圧的に命令してきます。主人公が「内勤希望だったのに」と言葉を返すと、「若くてかわいいんだから外回りでがんばってよ!」とねじ伏せられる始末。前任のピンクもブラックな長官のせいでやめたのだとか……「黒」のいる戦隊は少なくありませんが、そういう意味じゃないですよ?
このままではだめだと、リーダーの黄色は一念発起。長官を追い出して主人公を後釜に据え、自分は隊員をやめて彼女の補佐役を務めるのでした。そしてラストで初めて漫画のタイトルが「職場改善トツゲキジャー・完」だったことが明らかに。色の既成概念にあらがう話から、組織体質と戦う話にまで発展してしまった。
同作は漫画『ゲーム屋BL』を手がけるヒゲフサ(@higehusa)さんが、2017年2月に公開したもの。Twitterで「『ピンク=女の子の色』という固定観念はいかがなものか」という意見が話題になった際(参考:togetter)、ヒゲフサさんがあらためて投稿したところ注目を集めました。
物語は主人公が新長官となったエピソードで一区切りを迎えましたが、その後も継続。前長官のバックボーンや、“バイク乗りの戦士”が所属する「機動課」の存在などが明かされています。ヒゲフサさんは第20話までモーメントにまとめており、同人誌版も5月5日のコミティアで頒布するそうです。
(沓澤真二)
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