「二度と掛けてくるな」 “漫画村”広告主への取材一部始終、広告は取材後に消滅(2/2 ページ)
――漫画村への出稿が4月5日をもって取り下げられましたね。
B社代表:3月下旬から広告代理店に「漫画村の広告を落としてほしい」と頼んでいたので、やっと落ちたなという感じです。
――なぜ出稿を取り下げようと思われたのですか。
B社代表:(漫画村は)評判がよろしくないサイトだということで。
――私がA事務局に取材をした翌日に広告が落ちたわけですが、なぜこのタイミングだったのでしょうか。
B社代表:A事務局にアイティメディアから問い合わせがあったという話は聞いています。他にもこうした問い合わせや取材依頼などが相次いでおり、業務に支障が出るようになってきましたので。
――それはご迷惑をおかけしました。B社では漫画村を指定して出稿していたのでしょうか。
B社代表:いえ、アドネットを使用していた関係でそうなっていただけだと思います。弊社から指定したことはありません。
――ということは、B社は漫画村への出稿を知らなかった“被害者”ということになるのでしょうか。
B社代表:具体的にいつごろから出稿されていたのかは覚えていないのですが、最近は漫画村への出稿を把握していました。被害者といえば被害者かもしれませんが、後半は加害者だったかもしれません。
――漫画村の広告宣伝効果は高かったのでしょうか。
B社代表:アクセス数自体が非常に高いサイトというのは事実です。正直に言えば「違法サイト」だとか大事にならなければ引き続き出稿したいという気持ちもありました。
――広告を取り下げた後、各商品の売り上げは下がりましたか。
B社代表:商品ページへのアクセス数自体はかなり下がりましたが、売り上げが半減しているだとかそういうことは今のところありません。というのも、漫画村以外にも複数のサイトに出稿しており、代理店とは「月○○アクセス保証」といった形で契約しているからです。漫画村を外せば別のサイトに広告が出るだけです。
――ズバリおうかがいしますが、その広告代理店とはどこなのですか。違法サイトの運営に問題があることは火を見るよりも明らかですが、そうしたサイトに資金を供給してしまう広告代理店にも問題があると思うのです。
B社代表:それは言えません(笑)。ちなみに弊社以外にも取材しているんですよね。
――はい、しています。
B社代表:アイティメディアが取材している代理店の中に携わっている会社がありますよ。
――なぜそういうことが分かるのでしょうか。B社のサイトを拝見したのですが、御社も広告代理事業を行っていますね。自社のアドネットを使って配信していたということはありませんか。
B社代表:自社で出稿しているということは否定します。ただ業界内ではそういう話(取材の問い合わせがあったなど)はよく聞こえてきますからね。アダルト系の広告をやっている代理店ならほとんどどこでも漫画村や海賊サイトとつながっていると思いますよ。私の口から具体名は出せませんが、頑張ってたどり着いてください。
実はこの時点で編集部が問い合わせを行っていた広告代理店事業者はB社ともう一社のみ。アイティメディアの複数の編集部にも確認を行いましたが、ねとらぼ編集部以外が漫画村の案件で広告代理店を取材したという事実はありませんでした。これにより、漫画村とつながりを持っている広告代理店がかなり絞られたこととなります。
「広告代理店の名前は言えない」大手出会い系サイトも回答拒否
続いてスマートフォン版漫画村に広告を出稿している大手出会い系サイトの運営会社C社(仮名)に問い合わせを行いました。
――漫画村に広告を出稿していらっしゃいますね。
C社担当者:えっ、もう掲載していないと思っていたのですが。
――4月9日時点で出稿を確認しています。
C社担当者:そうですか……。漫画村に弊社の広告がアドネットワーク経由で掲載されていたのは事実なのですが、広告代理店に対して出稿を落としてほしいと伝えているんです。もう掲載は終わっていると思っていました。
――出稿をはじめられたのはいつごろのことですか。
C社担当者:年明けごろでしょうか。記憶が定かでありませんが、そのころには掲載していたんじゃないかと思います。
――なぜ出稿を取り消そうと思ったのでしょうか。
C社担当者:良くないというか、(漫画村は)グレーなサイトなんじゃないかという話が社内で出たため、最近になって広告を落とそうということになりました。
――今回の漫画村出稿に携わった広告代理店はどこなのでしょうか。
C社担当者:それは言えません。
――なぜ言えないのでしょうか。
C社担当者:……申し訳ありません。
この取材の最中、漫画村は「現在漫画村はメンテナンス」というアラートが表示されるなどアクセスが難しい状況となりましたが、新たな海賊版サイトがオープンするなどイタチごっこの状況が続いています。
海賊版サイト撲滅には、資金の供給を断つことが最も効果的との意見もあります。今後もねとらぼでは、広告代理店を取材するとともにその責任を追及していきます。
(Kikka)
関連記事
- 海賊版サイトのブロッキングに関するアンケート結果発表 「漫画村」や「Anitube」に対するアクセス遮断に賛成は52.7%
対策についてどうすべきか意見を聞いています。 - 漫画の海賊サイトの闇を体操のお兄さんが解説する漫画、共感集まる 「出版不況だからこそ野放しにしてはいけない」
pixivコミックで人気の『うらみちお兄さん』の久世岳さんがTwitterで公開。 - 漫画違法サイト「フリーブックス」、出版社が連携して法的措置を進行 「移転先教えます」の詐欺行為も続出
小学館も「海賊版サイトはこれを利用すること自体、著作権を侵害する違法行為に当たります」と注意を呼びかけ。 - 漫画海賊サイト大手「YouBook」が閉鎖 「月額2000円で読み放題」うたう
昨年問題視された「フリーブックス」の移転先ではないかと推測する声もありました。 - 集英社、政府の海賊版サイト対策の決定を受け緊急声明 「海賊版対策において大きな前進」
「集英社としても、より使いやすい正規サービスを提供するなどの努力を継続」するとしています。 - 「諸悪の根源は製作委員会」ってホント? アニメ制作における委員会の役割を制作会社と日本動画協会に聞いた
製作委員会ってそもそも何をする組織なの。 - 海賊版サイトのブロッキング要請は「断じて許されない」 日本インターネットプロバイダー協会が見解
「現行法上許容されるとは考えられません」と主張しています。 - 政府、海賊版サイトブロッキング推奨声明で「Anitube」がトレンド1位に SNSではブロッキングを悲しむ声も
むしろ漫画村より話題に。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
-
60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
-
「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
-
皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
-
真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
-
71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
-
新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
-
家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
-
「ほぼ全員、父親が大物芸能人」 奇跡的な“若手俳優の集合写真”が「すごいメンツ」と再び話題 「今や全員主役級」
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
- フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
- 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
- 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
- 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
- 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
- セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」