恋した人に触れられない……ショーウィンドウ越しのマネキンの恋を描いた漫画が切ない
好きな人が幸せであれば、それでいい。
もし、マネキンに心があったなら……ショーウィンドウ越しのマネキンの恋を描いた漫画に切なさを感じる人が続出しています。
漫画を描いたのは、イラストや漫画をTwitterで公開する、さいとうジェームズ(@sai10james)さん。
「私はマネキン。この小さな店のモデルなの。道行く人がたくさん私を見ていくのよ」――物語は、ショーウィンドウから外を眺めるマネキンのつぶやきから始まります。桜の季節、セミが元気な季節、たくさんの人々がこのショーウィンドウを、そして、マネキンを眺めていきます。
そして、秋が深まり冬にさしかかったころ、“彼”が現れます。いつも作業服の彼は、食い入るようにマネキンを見つめ、マネキンもその瞳にいつしか夢中になるのです。
「ああ、もし私に声があれば」「もし、この手に血が通っていたら」「その手に、手を重ねることができたなら」そんな思いを巡らすマネキン。神に似せられて作られた人間は動けるのに、人に似せられて作られたマネキンは動けない……ウィンドウ越しに彼を見つめながら、マネキンは悲劇だと嘆きます。
そして、巡ってきた桜の季節。彼は恋人と笑顔でマネキンのいるショーウィンドウの前を通ります。「彼女がいたのね、そうよ、あなたは魅力的だもの」「お幸せにね」とウェディングドレス姿のマネキンは2人を祝福するのでした。彼はマネキンを見つめていたのではなく、ウェディングドレスを着たマネキンに、彼女を重ねて見つめていた……のですね。
かなわぬ恋、立場の違いに触れた漫画を読んだ人たちからは「切ない」「最後、マネキンが笑っているのがいい」「優しい世界」という共感のリプが集まりました。たったガラス1枚を隔てたこちら側とあちら側の世界のなんと遠いことでしょう。そして、人間に似ているのに人間にはなれないマネキンの心。とても切ないけれど、好きな人の幸せを願うのは人間もマネキンも同じなのかもしれません。さいとうジェームズさんの漫画やイラストはTwitterからどうぞ。
画像提供:さいとうジェームズ(@sai10james)さん
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未見のかたは、ぜひ映画を見てからご覧ください。
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