「在留カード渡さないと帰さない」 日本eスポーツ史上に残る“最悪”の汚点、「League of Legends」国内リーグで何が起こったか(3/4 ページ)

» 2018年05月21日 19時00分 公開
[池谷勇人ねとらぼ]

ライアットゲームズ「真摯に受け止め、再発防止に務める」

 Dara選手はPENTAGRAMだけでなく、リーグ(LJL)を運営するライアットゲームズの姿勢も強く問題視しています。ライアットゲームズにも同様に問い合わせを送ったところ、次のような回答がありました。


LoL Dara選手引退問題 ライアットゲームズ公式サイト。「LoL」の開発・運営を行うと同時に、国内公式リーグ「LJL」の運営会社でもある

―― PENTAGRAMによる問題行為について、いつごろ把握し、ライアットゲームズとしてどのような調査を行いましたか。

ライアットゲームズ:今回の事案についてライアットゲームズが把握したのは12月下旬です。調査方法は、関係者からの聞き取りおよび、証拠の提出依頼、外部法律事務所による検証を行いました。

―― LJLが2月に発表した内容と、PENTAGRAMが発表した内容とでは一部食い違っている部分がみられます。PENTAGRAMの発表文には「※上記内容につきましては、ライアットゲームズ様の許可を得てリリースさせて頂いております」との記載もありますが、この内容に対しライアットゲームズとして掲載許可を出したのはなぜでしょうか。

ライアットゲームズ:ライアットゲームズでは、事実・証拠に基づいた調査を行い、その概要を、2月5日に発表した「ペナルティについて」で発表いたしました。“PENTAGRAM側の説明”については、PENTAGRAM側から独自に説明を公表したいので許可してほしいと依頼があったため、公表に関しての許可を出しましたが、最終的な掲載内容に関してはPENTAGRAMの意向・主張が含まれているものと認識しています。


LoL Dara選手引退問題 一部で問題視されていた「※上記内容につきましては、ライアットゲームズ様の許可を得てリリースさせて頂いております」という記述(PENTAGRAM公式サイトより)

―― Dara選手は「LJLに失望した」とツイートしていますが、これについてどう受け止めましたか。

ライアットゲームズ:Dara選手の証言やSNS上の発言から、LJLに失望したという感情は察するに余りあるものがあります。しかしながら、LJLとしては客観的事実、ルール、法的慣習に基づき処分内容を判断しました。今回の一連の対応について、Dara選手の十分な納得感を得られずに、結果として引退をご決断されたことは非常に残念に感じております。

―― 問題の発覚が12月下旬、ライアットゲームズから処分の発表があったのが2月です。詳細な経緯をコミュニティーに対しすぐに公開しなかったのはなぜですか。

ライアットゲームズ:各関係者への調査を個別に行う必要があることに加え、証拠に基づいた法的な判断を外部法律事務所と検証した上で、公表できる状況になり次第公開いたしました。

―― PENTAGRAMからDara選手に対し、給与の未払いがあった点について把握していますか。

ライアットゲームズ:把握しております。ただし、給与の支払いに関しては、選手と所属チーム間での事案であるため、ライアットゲームズから詳細をお伝えすることはできません。

―― 今後LJLとして、再発防止や選手の人権保護などの対応を行う予定はありますか。

ライアットゲームズ:今回の事案は外国人選手の在留カードという固有のものではありますが、問題の本質としては全選手・関係者に起こりうる不道徳行為であったと認識しております。そのため、チームへのコンプライアンスの啓発をあらためて徹底するとともに、全選手に向けた相談窓口を開設する予定です。

―― 事件は国内外のメディアからも大きな反響があり、LJLファン以外からも非難の声があがっています。これについて見解をお聞かせください。

ライアットゲームズ:LJLとして、このような事案により国内外からの注目を集めてしまったことを不本意に思い、真摯に受け止めております。関係者ならびにファンの皆さまにはご心配ならびにお騒がせしてしまい誠に申し訳ありません。今後は再発防止に努め、健全なリーグを運営していくべく最大限の努力をしてまいります。


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