「私はロボットではありません」――本当にそう言い切れる? よく見る認証システムがSF漫画へ発展
あれ、俺、本当にロボットじゃないんだっけ。
» 2018年05月21日 20時00分 公開
[沓澤真二,ねとらぼ]
Webサービスにログインするときは、機械的なアクセスを防止する認証システム「reCAPTCHA」に、「私はロボットではありません」の項目へチェックを入れるよう求められることがあります。この文言を題材にしたSF漫画を、漫画家の皆本形介(@mnmtksk)さんがTwitterで公開しました。日常的な描写から哲学的な問いが生まれる、不思議な作品です。
物語は兄弟がPCに向かう場面から。サイトに認証を求められた兄が、「自分が本当にロボットじゃないとどうして言える?」と手を止めています。「ずっと人間だったろ」と弟にツッコまれても、「作られた記憶かも」と疑うのをやめない兄。「何の疑問も持たずチェックを入れることこそ、非人間的な思考停止ではないか」と主張します。
そんな兄をたしなめ、弟は「反ロボット」を掲げるレジスタンスのサイトへ登録するよう催促。この世界はロボットに支配されており、2人は抵抗運動へ参加しようとしていたのでした。
弟に説得され、兄はいよいよ認証にチェック。この星を機械の手から奪い返すと決意します。しかし、「……そうだね兄貴」と答える弟の瞳には、どこか人間離れした光がまたたいているのでした。つまり兄は「私“は”ロボットではありません」と答えられたが、弟は違うということか……。
真意を明確にしないまま、物語は閉幕。ロボットが弟になりすまし、兄を使って人類陣営を調査しようとしているのか――解釈は読み手次第です。
画像提供:皆本形介(@mnmtksk)さん
(沓澤真二)
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