「匿名は自殺者を産む」という絶望から生まれたやさしさ ネガティブな内容はAIが削除する質問サービスが深い
リリース後からアクティブユーザーは増え続けているとのこと。
Diver Downが公開したTwitterの匿名質問サービス「マシュマロ」(@marshmallow_qa)が、注目を集めています。その最大の特徴は「悪口が来ない」ことで、ネガティブな内容の質問はAIが届く前に削除するとのこと。やさしい。
「マシュマロ」は見た人から匿名のメッセージを受け取れるサービスで、迷惑であったりネガティブであると報告されたメッセージは運営によって内容・送信者が厳しくチェックされます。詳しいルールは秘密とのことですが、悪質さの度合いによっては、誰にメッセージを送ってもこっそり削除される悲しいユーザーになるとのこと。
このシステムの評判が良いためか、公式によるとリリースされた2017年11月からアクティブユーザーが1度も減ったことがないそうです。
そしてこの「マシュマロ」のもう1つの特徴は、「やさしさ」にかなりのこだわりを持っていること。例えば公式サイトを開くとトップページには以下のように書かれています。
傷つく人を減らしたい
匿名のメッセージは怖い。
素敵な本音と一緒に、最低な悪口が届く。
でもマシュマロなら怖くない。
匿名のメッセージを受け付けるのに、悪口は来ない。
そんな安全な場所がマシュマロです。
また、公式Twitterアカウントの過去の投稿をさかのぼって行くと「やさしさ」に対する深い姿勢が見られます。特に「深い」と感じたものを、幾つかご紹介いたします。
マシュマロが「やさしさ」にこだわるのは、絶望から生まれたサービスだからです。
匿名サービスは常に自殺者を生むツールですが、お金になるので多くの企業や開発者は本気でその事実と向き合いません。
そこに絶望したので、匿名なのに「やさしさ」を提供して、誰も死ななくしてやろうと思ったのです。
マシュマロは開発方針は極めてシンプルで、ひたすら「やさしさ」を提供することを目指しています。
そして今いるユーザーへの「やさしさ」ももっと高めたいと思っていますが、新しい「やさしさ」のあり方も開拓していきたいと考えています。
マシュマロの真の価値はAIでもなく、Twitter特化の仕様でもありません。
「『やさしさ』とは何か」を常に考え続ける覚悟です。
マシュマロは未来をよりやさしくして、人々に安心と自由を与えることを目指しているのです。
そして特に「やさしさ」を感じたのは、「返信に100文字しか打てないのは不便なのでもっと文字数制限を緩和してほしい」という要望に対するその回答。普通ならシステムやトラフィック的にできるかできないかで返答するところですが、「マシュマロ」は違いました。
よりクリエイティブなやり取りを促進するためにも、文字数の上限を突破したいとは思っています。
ですが「100字しか打てない」という言い訳をなくしてしまうことは本当に「やさしさ」なのかと悩んでいます。
素晴らしい! これにはもう、膝を打つ思いでした。「長文には長文で返さなければならない」という思いを抱いてしまいやすい文字でのやりとりに一石を投じるこの考え方には頭が下がる思いです。本当にやさしい。
数多くある匿名質問サービスですが、匿名であるがゆえノイズを送る人も増えやすいもの。AIを駆使した「やさしさ」が、真にあるべき質問サービスの姿となっていくのかもしれません。
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