WWFジャパン、絶滅危惧種ニホンウナギへの早急な対策求める要望書を農水相に提出
ニホンウナギの国際的な資源管理の強化と、国内シラスウナギ採捕・取引の管理強化を求めています。
環境保全団体のWWFジャパンとその野生生物取引監視部門であるトラフィックは、「すでに資源枯渇に陥っていると推定される」として絶滅危惧種のニホンウナギに関する対策を早急に実施するよう求める要望書を農林水産大臣に提出したと発表しました。
ワシントン条約事務局が2018年5月22日に公開した報告書では、2014年に日本・中国・韓国・台湾でシラスウナギの池入れ上限が設定されたものの、その設定上限78.8トンに対して、実際の東アジア全体の池入れ量が41トン未満と大幅に少ないことが指摘されています。これについては以前から「設定されている池入れ量の上限が高すぎる」「科学的根拠に基づいていない」等の問題が指摘されていて、さらに池入れ量の過大・過少報告も危惧される中、その正確性を担保できなければこうした現在の管理の仕組みは実効性を伴わないとの考えを示しています。
また報告書では、こちらも以前から指摘のある「稚魚の違法採捕・取引」に関して、台湾だけでなく中国からも多くの稚魚が日本含む他の東アジアの国・地域に密輸されている可能性も指摘。2017年に発表された「日本の水産物市場における、IUU漁業リスク」でも、日本に輸入される魚種のうち、ウナギの違法・無報告・無規制(IUU)漁業由来のリスクが最も高くなっているとしています。
これらの背景から、国際的な資源管理の強化および、国内シラスウナギ採捕・取引の管理強化に関する計6点の対策(以下)を日本政府に要望したと発表しました。
1.国際的な資源管理の強化について
i) 科学的知見に基づき、かつ、予防原則に従い、採捕量に紐づける形で東アジアにおいてニホンウナギの稚魚の池入れ量を設定すること
ii) 上記の池入れ量制限の順守を担保するための法的枠組み(地域漁業管理機関等)を東アジアで導入すること。その際には、生息国・地域、養殖国・地域だけでなく、稚魚の取引ハブとなっている香港も枠組みに含めること
iii) 日本に輸入されるシラスウナギについては、上記の枠組み及び各国・地域の採捕・国内取引・輸出に関する法制度に則ったものであることを、透明性のある手段を用いて担保すること
iv) 上記が実現できない場合には、ニホンウナギの実効性ある資源管理措置の確立、導入が可能となるまで、国際取引の規制措置としてワシントン条約への掲載を検討すること
2.国内シラスウナギ採捕・取引の管理強化についてi)ニホンウナギの資源状況が極めて悪く、かつIUU漁業が横行し、都道府県を超えて幅広く取引されていることを踏まえ、国内のシラスウナギの特別採捕については、都道府県知事から農林水産大臣に許可権限を移管すること
ii)シラスウナギの採捕から池入れに関わる全ての個人、事業者等を対象として、採捕者、採捕日・取引日、採捕・取引量、取引元・取引先を電子的な方法で報告することを義務付ける漁獲証明制度を導入すること
WWFジャパンおよびトラフィックは、「資源管理の面からも、国際的な課題となっているIUU漁業の撲滅という観点からも、日本政府はこうした指摘を十分に考慮し、違法採捕・取引に対し、早急な対策を導入することが必要です」と、危機感をあらわにしたコメントをしています。
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