“シミがベリベリ剥がれるクリーム”はウソ 漫画村関与の代理店が偽装広告作成、販売元は「広告見たことない」(2/2 ページ)

» 2018年06月08日 21時30分 公開
[Kikkaねとらぼ]
前のページへ 1|2       

H社「そのような広告は見たことがない」

 こうした情報を受け。編集部では「塗るだけでシミが剥がれるシミ消しクリーム」の販売元、H社に取材を申し込みました。

――H社の「塗るだけでシミが剥がれるシミ消しクリーム」についてお伺いしたいのですが、当該商品の訴求ページ(広告)はA社グループに制作を依頼したものですか。

H社の広告担当者はい。

――広告には「シミが剥がれる」という表現がありますが、実際にはドライフルーツなどを用いて演出しているとの情報が寄せられているのですが。

H社の広告担当者私の方では何も把握していませんでした。

――A社グループがそういった訴求のページを作っていたことは把握していましたか。

H社の広告担当者分からないです。うちは基本的に代理店さんに全ておまかせしてしまうので、(広告代理店が)どんな広告をやっておられるのかまで把握していません。

――なるほど。当該のクリームについては「シミが剥がれるクリーム」として販売しているものということで間違いないでしょうか。

H社の広告担当者(シミは)剥がれはしないです。

――剥がれないんですか。当該のクリームの名前で検索してみたら「シミが剥がれる」という表現のページがたくさんできたのですが、それをご覧になったことはないですか。

H社の広告担当者(見たことは)ないです。

――訴求のページが出来上がったあとにA社グループからH社に対して「こんな感じでよろしいでしょうか」というお伺いはないのでしょうか。

H社の広告担当者ないです。

――H社とA社グループは取引が多い間柄なのでしょうか。

H社の広告担当者はい。




A社グループ「(ドライフルーツを使った広告を作ったのは)事実」

 編集部は情報提供の内容、H社からの回答を踏まえてA社グループにあらためて取材を申し込みました。すると代理人の弁護士から、A社グループおよび、H社の社名、「シミが剥がれるクリーム」の商品名を伏せることを条件に回答書が送られてきました。

――「塗るだけでシミが剥がれるシミ消しクリーム」の広告については、A社グループ内で訴求ページを作成しましたか。また、その広告作成時に、自社社員をモデルとしたうえで、ドライフルーツの皮などを用いてシミが剥がれ落ちたような演出をしたことはありませんか。

A社グループ社内調査を行った結果、ご指摘の通り、当該商品の一部広告素材として当社担当者員がモデルとなり、ドライフルーツを用いた演出を行い、記事ページを制作していたことが事実として確認できました。

 当社としましては、上記事実関係が確認できたことから、H社とも協議しながら、本件広告に関する現在具体的な対応について検討させていただいております。

――作成広告の一部で、Facebook・Instagramなどに上がっている写真を無断で抜き取り、作成したと思われる訴求ページが存在していました。A社グループ社内では、著作権・肖像権の取扱についてどのようなレギュレーションを設けていますか。

A社グループご質問を受けて社内調査を実施したところ、広告素材の作成にあたり、Facebook・Instagramなどのページから直接画像等を無断使用していた事実は確認できませんでした。

 もっとも、上記社内調査においては、検索エンジンで画像検索をした結果得られた画像を使用していたという事実も明らかになっております。そのため、上記検索結果にSNSページからの画像が混入していた可能性は否定できません。

 当社では法令遵守の見地から社員研修の際に各種法令の遵守に関する研修を行うなど、社員の法令遵守精神の育成に努めてまいりましたが、制作の現場での著作権・肖像権の取扱いについては、具体的なレギュレーションを設定しておりませんでした。

 つきましては、本件を機に、当社としても著作権・肖像権の取扱いについてもレギュレーションを設け、権利侵害の発生を未然に防ぐ体制を構築していきたいと考えております。

――これまでに消費者庁などから訴求ページについて問い合わせや指導を受けたことはありますか。

A社グループA社及び、グループ会社であるB社に対し、消費者庁を含む行政庁より直接問い合わせや指導を受けた事実はございません。




大阪府「広告を依頼した広告主に一定の責任」

 回答書で虚偽広告の作成を認めたA社グループですが、広告主のH社に責任はないのか。また法律上こうした表現の広告は問題がないのか。厚生労働省の監視指導・麻薬対策課に問い合わせました。

 担当者はあくまでも広告や商品の実物を見なくては判断がつかないとしたうえで、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」の第66条では誇大広告を禁じる記述があるとのこと。もし違反が認められれば、二年以下の懲役、もしくは二百万円以下の罰金、またはこれを併科される可能性があることになります。

 また大阪府健康医療部薬務課にも見解を聞いたところ、「仮にそのような広告が存在しているとした場合、広告主が『広告代理店が勝手にやったこと』と主張したとしても、究極的には広告を依頼した広告主に一定の責任があると考えられる」とのこと。広告代理店の関与については、「まずは広告主に事情を聞き、その事情によってケースバイケースで対応することとなるだろう」とのことでした。

(Kikka)

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/22/news047.jpg 刺しゅう糸を20時間編んで、完成したのは…… ふんわり繊細な“芸術品”へ「ときめきやばい」「美しすぎる!」
  2. /nl/articles/2412/18/news207.jpg 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」【大谷翔平激動の2024年 現地では「プレー以外のふるまい」も話題に】
  3. /nl/articles/2412/21/news040.jpg 友達が描いた“すっぴんで麺啜ってる私の油絵"が1000万表示 普段とのギャップに「全力の悪意と全力の愛情を感じる」
  4. /nl/articles/2412/22/news034.jpg 後輩が入手した50円玉→よく見ると…… “衝撃価値”の不良品硬貨が1000万表示 「コインショップへ持っていけ!」
  5. /nl/articles/2412/21/news019.jpg 毛糸6色を使って、編んでいくと…… 初心者でも超簡単にできる“おしゃれアイテム”が「とっても可愛い」「どっぷりハマってしまいました」
  6. /nl/articles/2412/22/news036.jpg 「これは家宝級」 リサイクルショップで買った3000円家具→“まさかの企業”が作っていた「幻の品」で大仰天
  7. /nl/articles/2412/21/news023.jpg 「人のような寝方……」 “猫とは思えぬ姿”で和室に寝っ転がる姿が377万表示の人気 「見ろのヴィーナス」
  8. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  9. /nl/articles/2412/17/news042.jpg 山奥で数十年放置された“コケと泥だらけ”の水槽→丹念に掃除したら…… スッキリよみがえった姿に「いや〜凄い凄い」と210万再生
  10. /nl/articles/2412/22/news020.jpg 余りがちなクリアファイルをリメイクしたら…… 暮らしや旅先で必ず役に立つアイテムに大変身「目からウロコ」「使いやすそう!」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」