コラム
» 2018年06月09日 11時00分 公開

「安室透に出会ってから世界がきらきらして見える」安室の女の胸の内(1/2 ページ)

「隣の安室の女」の信仰告白。

[ちおる,ねとらぼ]

 「安室透」ブームがとどまるところを知りません。安室をメインキャラクターに据えた劇場版コナン最新作『ゼロの執行人』は興行収入78億円突破の爆発的ヒット。彼が表紙を飾った雑誌の売り切れが続出したり、もう1つの“顔”である「降谷」を刻んだハンコが売り切れたり、バーボン樽で貯蔵した日本酒がランキング1位になったり――と、至るところで安室が経済を動かしています。

 そのブームをけん引しているのは、『ゼロの執行人』を見たあとに安室にハマった「安室の女」たち。しかし、一言で「安室の女」と言っても、安室への愛の注ぎ方はみなそれぞれです。

 いわばアイドルにハマるように好きになった女、映画を見終わって「そういう意味なら私は安室の恋人だわ」と思った女、作中の男性や女性キャラとの組み合わせで燃える女、安室と自分が恋人同士になった世界を繰り広げる女……。

 100人の女がいれば、安室の愛し方は100通りあります。では“お隣の安室の女”は、どんな風に安室を愛しているのか? 「安室透に出会ってから世界がきらきらして見える」と真剣な顔で語るちおるさんに、安室との出会いと安室との日々について切なる思いを語ってもらいました。

「安室のいい女」を目指すちおるさん。左の薬指に輝くのは“ゼロ”

水曜日の朝、唐突な出会い

 水曜日だから映画館行くか、くらいのノリだった。『ゼロの執行人』が流行っていて、安室透がかっこいいと騒がれていることもちらっと見聞きしていたけれど、どこか他人事のように眺めていた。

 コナンに「安室透」というイケメンが登場したことも前から薄々知ってはいたし『純黒の悪夢(ナイトメア)』もテレビで見ていたけれど、「いまこんなかっこいいサブキャラいるんだー」くらいのもので、安室透に対してそこまで興味があったわけじゃない。

 とりあえずレディースデーだから映画館行きたい、今回のコナン映画おもしろそう、というだけのモチベーションだったから、安室さんとわたしが出会ったのは偶然みたいなものだ。

 それを思うと、人って本当にいつどこで恋に落ちるかわからない、と少し怖い。

安室透のどこが好きかって聞かれると言葉にできないけれど

 軽い気持ちで劇場に行ったのに、序盤から心がざわざわした。サミット会場の爆発後、右頬に大きなガーゼを貼って喫茶ポアロの前を掃除している安室透。コナン君の会話を盗聴している時の安室透の冷たい顔がローアングルで美しくも怪しく映し出された時にはどきりとした。え、安室さん……さすがに敵ではないと思うけど、この人一体何を考えてるの? 何をしてるの? きれいな光と影のある構図のなかで、もういやらしいくらいに美しく描かれる安室透のことを、じっと追ってしまう。

 決定的だったのは、今回の劇中で話題になったセリフ「僕の恋人は……この国さ」を聞いた瞬間だった。息が止まった。なんだかすごく一方的な愛し方で切ない。彼は途方もなく孤独な人なんだと思った。恋人=好き同士、共に支え合う者同士、のようなイメージを持っていたけれど、彼にとっては「恋人=自分がこの手で守る対象」で、何の見返りも求めない人なんだ。だって国からの見返りって何。国と両想いってどういう状態。わからない。恋人と呼びつつ、それは片想いなんじゃないかと思った。

 今回の劇中でも、公安である彼は真意を明かせなくてコナン君や部下から誤解されたりしている。それでも本人は全く気にする様子がなくて、ああ本当に自分のことより公安としての職務に没頭してるんだな、って感じだった。彼は誰からも理解なんて求めていない。それに、「僕の恋人はこの国だ」と言う彼の覚悟なんてきっと誰にもわからない。わたしだってそんな彼の恋人にも理解者にもなれそうにないけれど、どこかでそっと寄り添っていたいな、と思った。

 名探偵コナンというコンテンツが長期連載している国民的作品であることや、安室透がブームになっていることはとても幸せなことで、劇場を出たその足で単行本の1〜94巻まで大人買いして読みふけり、二次創作を漁り、いろんな角度から彼のことを知っていくにつれますます気持ちが高ぶっていった。

安室さんが載っている本と、人生で初めて買ったサンデー
コナンカフェにも行って、安室さんグッズを買いまくった。品薄の中で手に入れた安室さんたち

 少し手持ち無沙汰になると安室透の画像を見てしまったり、誰もいない部屋で「安室さん……」とため息をこぼしたり、あの人のことを理解してあげられないわたしは彼のことを透とか零とか下の名前で気安く呼べない、そんな距離感になれないと悩んだり、朝に目が覚めただけで果てしないほど幸せな気持ちになったりした時、あれ、今、恋してるかもしれない、と自覚した。

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