NHK解約しないと死後も受信料が発生? 「亡き母の受信料を督促された」ツイート話題に NHKに聞いた

「亡くなって何年もたつ母宛に、NHKから多額の受信料の督促状が届いた」というツイートに驚きの声。

» 2018年07月01日 22時00分 公開
[黒木 貴啓ねとらぼ]

 「亡くなって何年もたつ母宛に、NHKから多額の受信料の督促状が届いた」

 そんなNHK受信料に対する嘆きのツイートが、3万回近くリツイートされるなど注目を浴びている。母の家には死後誰も住んでおらず、NHKの電波を受信できる環境にもなかったと説明したにもかかわらず、コールセンター側は「死後の分まで払え」との姿勢を崩さなかったという。

NHK 受信料 契約者 死亡 支払う 義務 一人暮らし 独身 親族 話題のツイート(画像加工は編集部によるもの)

 一人暮らしの親族が亡くなって、NHKの受信契約を解約せずに長期間放置するというのはよくありそうなケースだ。その場合はツイート主のように、解約していない間の受信料を支払うよう督促されるものなのだろうか。前に亡くなったことを証明しても支払う義務は発生するのか。NHK広報部に詳細を取材した。

NHK 受信料 契約者 死亡 支払う 義務 一人暮らし 独身 親族 受信料を請求するNHKのイメージ

「死後の分まで払えの一点張り」に批判の声

 話題のきっかけとなったツイートは次のような文だった。

 「亡くなって何年も経つ母宛にNHKから未払いだと多額の督促状が届いた。家にはもう誰も住んでいないし、屋根には地デジ化前のVHFアンテナしかない。何故今更こんなものが届くのかと電話をすると死後の分まで払えの一点張り。おまけに家族の転居先の情報を全部渡さないと解約手続きが出来ないそう」(原文ママ)

 ツイートは拡散されるとともに、「ひどい」「鬼畜すぎるのでは」「不安になった」とNHKコールセンターの対応に非難や疑問の声が次々と寄せられた。「私の叔父の家も本人が亡くなり一年たった頃に滞納の通知が来ました」「全く同じ経験をしました。NHKは死人からも躊躇なく徴収します」と、同様の督促状を受け取ったという意見も集まった。

 しかしこのようなケースで本当に契約者や親族に受信料は発生するのだろうか。

 日本放送協会放送受信規約によればNHKの受信契約を解約する場合、その理由を含めた届け出をNHKに提出し、受理された日に解約が認められるとある(第9条)。例外として「契約者が非常災害により前項の届け出をすることができなかったものと認めるときは、当該非常災害の発生の日に解約されたものとすることがある」とも記されているが、死去した場合については特に書かれておらず不透明だ。

NHK 受信料 契約者 死亡 支払う 義務 一人暮らし 独身 親族 日本放送協会放送受信規約の第9条

死亡と一人暮らしが証明できれば 死亡した月で解約扱いになる

 一人暮らしの契約者が亡くなった場合、解約はどうなるのか――NHK広報部に質問状を送ったところ、基本的には次のように対応を行っていると文書で回答が返ってきた。

  • 受信契約を解約する場合は、「日本放送協会放送受信規約」に基づき、NHKへの届け出をいただいています。
  • 一人暮らしの受信契約者が亡くなった場合は、ご家族や親族の方などから届け出で解約の手続きをいたします。
  • 一人暮らしのご契約者本人がお亡くなりになった場合については、公的な証明書類を提出いただくなどしたうえで、個別のご事情を詳しくお伺いして、適切な対応をとることとしています。
NHK 受信料 契約者 死亡 支払う 義務 一人暮らし 独身 親族 NHK広報部からの回答

 詳しく電話取材したところ、結論から言えば「契約者の“死亡”と“一人暮らし”が確認できた場合は、亡くなった当月を解約扱いとするので、届け出までの期間の受信料は発生しない」とのこと。

 本来であれば契約者が亡くなった場合、親族や大家さんなどから届け出をもらった時点で解約となるが、やはりさまざまな事情で亡くなってから期間を置いて連絡するケースが発生する。そういうときは死亡証明書などを提出してもらいつつ、契約者が本当に一人暮らしだったのか、同居人がいたのではないのか、個別に状況を確認していくのだという。

 一人暮らしだったか精査するのは、NHKの受信契約は“世帯別”になっているからだ。契約者が亡くなっても家庭に受信機があり、他に誰か住んでいる場合は、契約の主体はその同居人へと変更されるので受信料は請求される。

 もし契約者の死亡と一人暮らしを確認できた場合は、死亡したと証明される日時の当月で解約扱いとなる。届け出までの間の受信料が発生しないだけでなく、例えば契約者が生前に口座からの自動引落で支払っており、亡くなってからも引き落とされてしまっていた分は過払い扱いとして、返金するよう対応しているという。

 広報の回答と話題のツイートに食い違いがあるが、「現場では常に今説明したような対応をしています」と担当者。

 ツイートの「死後の分まで払えの一点張り」といったような対応が実際にコールセンターで行われていたのか調査したが、「残念ながら特定できませんでした。1日何千件と電話が来るので、Twitterにある情報だけだと確認が非常に難しいです」。NHKのマニュアルと現場とで認識に違いが生まれている可能性もあるが、確認しようがないとのことだった。

 いずれにせよ「一人暮らしの契約者が亡くなった場合」は、しっかり証明できれば亡くなった月で解約扱いとなる。高齢化社会、同様のケースは今後も多く発生していきそうなので、不当に支払いすぎてしまわぬよう気をつけたいところだ。

黒木貴啓


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2409/18/news028.jpg 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
  2. /nl/articles/2409/18/news190.jpg 人気格闘家、アイドルと2ショット写真披露するも……表情落差がすごいアイドルにファンから励まし「仕方ない。そこでは勝てない。試合で勝とう」
  3. /nl/articles/2409/18/news137.jpg 森口博子、飛行機内でまさかのアクシデント 「気圧でこんな事に」……ビショビショになってしまった姿を見せる
  4. /nl/articles/2409/17/news102.jpg そうはならんやろ “0円の画材”と“4万円の画材”、それぞれでジョーカーを描いてみた結果に驚き【海外】
  5. /nl/articles/2409/19/news146.jpg 大沢たかお、「キングダム」で20キロ増→近影に驚きの声「王綺将軍とのギャップ……」「随分体型が変化」
  6. /nl/articles/2409/19/news049.jpg 使用済みタオルはどこに置くのが正解? ホテル従業員に“神客”と喜ばれる「チェックアウト時の行動」はこれだ!
  7. /nl/articles/2409/18/news164.jpg 売上7億円超の人気漫画『小悪魔教師サイコ』作画家・合田蛍冬氏が出版社を提訴した訴訟が和解 同一原作の後発漫画が出版されトラブルに 出版社は謝罪
  8. /nl/articles/2409/19/news019.jpg 洗濯機から発生する“わかめ”を一発で撃退できる方法! 「早くやれば良かったと後悔」する掃除術が超簡単
  9. /nl/articles/2409/17/news187.jpg 「高くて買えないので作った」 “自作過ぎるPCパーツ”が脱力感あふれるアイデアで反響「超低コスト、超軽量!!」「消費電力0」
  10. /nl/articles/2406/25/news020.jpg 雑草だらけで荒れた庭を、素人夫妻がDIY→2年後…… 目を疑う変貌ぶりに「お見事としか言いようがない」「外国の映画に出てきそう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  2. 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  3. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  4. 「僕ですかこれ」 垢抜けたい男性が“劇的イメチェン”→その大変身に「すげええ!」「泣けたわ」と仰天
  5. 第5子妊娠中の宮崎麗香、子どもたちとの“奇跡の1枚”が撮影される ギャップ満載な“現実”ショットも話題に
  6. そうはならんやろ “バラの絵”を芸術的に描いたら……“まさかの結果”が200万再生 「予想を超えてきた」【海外】
  7. 天皇皇后両陛下の那須静養、愛子さまが天皇陛下のため蚊を手で払う場面も…… “仲むつまじいショット”が約240万再生
  8. 「脳がおかしくなった」 新宿駅を出る→“まさかの光景”に思わず三度見 「意味わからん」「田舎者にはマジでダンジョン」
  9. 合宿前の兄たち、0歳末っ子と離れたくなくて…… メロメロな“別れの光景”に「あーもうなんて尊い」「幸せ」430万再生突破
  10. 雑草だらけの庭が“たった1台の草刈り機”で…… “見事な変化”に7000万再生 「よくやった」「まさにプロ」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」