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» 2018年07月02日 11時00分 公開

コンピュータ将棋が変えた人生――「プロの先を行く研究」で知られるアマチュア・suimonに聞く情熱の源泉(3/3 ページ)

[橋本長道,ねとらぼ]
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suimonの見る将棋界

――注目しているプロ棋士はいますか。

suimon:豊島先生の角換わり、増田先生の雁木、大橋先生の横歩取りなどです。特に増田先生の将棋に注目しています。

――増田先生の将棋観は面白いですよね。今後の将棋の序盤戦術はどのように推移していくでしょうか。

suimon:横歩取りは青野流、勇気流などの対策で後手が苦しい状況です。やはり、角換わりを中心にまわっていくのではないかとみています。また、振り飛車が復権することも考えられます。

――ソフト同士で指すと、振り飛車は居飛車に負けてしまうと聞きますが。

suimon:差が出るとしても評価値で100程度なので、人間同士の将棋では振り飛車はまだまだ有力であり続けると思います。

――最近のコンピュータ将棋の棋力の伸び方についてどう考えていますか。

suimon:驚異的なスピードで棋力が向上しています。elmoの登場から流れがさらに加速したように感じます。まだ壁にぶち当たったという感じはしないですね。これからさらに強くなるのではないでしょうか。

――コンピュータ将棋の登場による将棋界の変化について教えてください。

suimon:そうですね。これはアマチュアの世界の話なのですが、地方のレベルが上がってきたと思います。簡単に代表になれる県がなくなってしまいました。コンピュータ将棋を使うことで、差がなくなってきているのだと思います。

――suimonさんの今後の活動について教えてください。

suimon:書籍については第二弾の構想があります。プレイヤーとしては35歳ぐらいまでは挑戦を続けたいです。35歳までは強くなれると考えているので。

 現在31歳のsuimonは今年度のアマ竜王戦の三重県代表の座を勝ち取っている。30歳を超えてアマ全国レベルの壁を破って強くなる例は少ないが、suimonは数少ない例外だ。コンピュータ将棋の発達によって、今後も信じられないような上達を遂げるアマチュアが出てくるのではないだろうか。




 コンピュータ将棋の進化は、アマチュアがトッププロに匹敵する研究が行える環境を生んだ。現在の将棋界ではさまざまな境界が曖昧になってきている。

 suimonは将棋界におけるブログや書籍での新しいタイプの表現者の代表だ。他にも、将棋YouTuberによる動画配信や、アマチュアによる電子書籍の出版など境界線を飛び越える人達が出てきている。彼らの話を聞くのはそれだけで心躍る経験だ。

 拙コラム「15年後の感想戦」ではこれからも「将棋界の片隅で何かとんでもないことを始めている人」に話を聞き、記事を書いていきたいと思う。


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