上川法務相「慎重にも慎重な検討を重ねて執行を命令」 オウム真理教元幹部7人の死刑執行受け、ネットの声は
Twitterでは「死刑執行」「#オウム真理教」「教団元代表の松本智津夫死刑囚の刑」「麻原彰晃」などがトレンド入り。
オウム真理教の元教祖・松本智津夫元死刑囚ら7人の死刑が7月6日午前に執行されたことを受け、上川陽子法務大臣が同日昼12時45分ごろから会見を開いた(関連記事)。
上川法務相は、死刑執行に至った経緯について以下のように述べた。
上川法務相会見より抜粋
判決などでも指摘されていることですが、(オウム真理教による)これらの犯行は松本がオウム真理教を設立してその勢力を拡大し、さらには救済の名のもとに日本を支配して、自らその王となることまでをも空想して、小銃の製造、サリン・VXの製造といった武装化を進め、その中で、その妨げとなるとみなしたものは教団の内外を問わず、これを敵対視し、その悪行をこれ以上積ませないように「ポアする」、すなわち殺害するという身勝手な教義の解釈のもとに、命を奪ってまでも排斥しようとして、殺人・殺人未遂等に及び、一部の者に対しては、教団で製造した化学兵器であるサリンや、VXを用いるまでし、さらにサリンを用いて2度にわたり、不特定多数の者に対する無差別テロに及んだものでした。
これらの長期間にわたる一連の犯行は、組織的、計画的に敢行されたものであるとともに、過去に例を見ない、そして今後二度と起きてはならない極めて凶悪重大なものであり、我が国のみならず、諸外国の人々をも極度の恐怖に陥れ、社会を震撼させたものでした。
特にこれらの犯行にサリン・VXといった化学兵器までもが用いられたこと、また一般市民を対象とした無差別テロが行われたことは世界にも衝撃を与えました。
これらの一連の犯行では27名もの方の尊い命が奪われ、また一命はとりとめたものの多くの方々が障害を負わされ、中には重篤な障害を負われた方々もおられました。一連の犯行によって命を奪われた被害者の方々、そのご遺族、また一命はとりとめたものの障害を負わされた被害者の方々、そのご家族が受けられました恐怖、苦しみ、悲しみは、想像を絶するものがあります。
そしていずれのものについても裁判所における十分な審理をへたうえで、最終的に死刑が確定したものです。
本日の死刑執行につきましては、以上のような事実を踏まえ、慎重にも慎重な検討を重ねたうえで、執行を命令した次第であります。
ネットも「死刑執行」関連一色に
7月6日に死刑が執行されたのは。松本元死刑囚の他、井上嘉浩元死刑囚、中川智正元死刑囚、早川紀代秀元死刑囚、遠藤誠一元死刑囚、土谷正実元死刑囚、新実智光元死刑囚ら7人。
早朝、死刑執行の手続きが取られたとの報せが入ると、テレビはオウム真理教のニュースで埋め尽くされた。またSNSにもさまざまな意見が溢れ、Twitterでは「死刑執行」「#オウム真理教」「教団元代表の松本智津夫死刑囚の刑」「麻原彰晃」などがトレンド入りした。
多かった意見は7人が同日に死刑執行されたことについてで、「異例」との声も多い中、「共犯者の死刑執行は同日が慣例」「オウムの死刑囚といえど同日執行の原則は崩さない、つまり『特別扱いはしない』という姿勢のあらわれなのであれば、それは評価できることだと思う」といった意見もあがった。
また当時はオウム真理教についての報道が過熱していたと振り返る人も多く、参議院議員の和田政宗氏は「メディアは猛省が必要」とした他、今回の報道についても「死刑執行のたびに執行シールをボードの顔写真に貼っていくテレビ番組の感覚はさすがについて行けない」など、死刑執行の情報が事前に漏れたことや、執行をリアルタイム報道したマスコミの姿勢に疑問を覚える意見も少なくはなかった。
また、オウム真理教を題材としたドキュメンタリー映画「A」「A2」を監督した森達也氏が主張している、「松本死刑囚の拘禁反応を治療すべき」「(拘禁反応により)受刑能力は失われていたのでは」という意見について、同意する意見も見られた。
なかでもASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル、後藤正文氏の「拘禁反応で訴訟能力を失ったまま(と言われている)での死刑執行。真相は闇のなか。とにかく全方位に後味が悪い。ちなみに彼らを擁護しているわけではありません」とツイートは多くの“いいね”を集めている。
(Kikka)
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