「私の偏差値は○○万です」 地球上で自分1人だけが問題を解いたら、偏差値はいくつになるのか

偏差値○○万も夢じゃない……?

» 2018年07月08日 11時30分 公開
[QuizKnockねとらぼ]

 テレビのクイズ番組では、頭がいい人の肩書でよく「偏差値100!」などと煽っています。なかなか出ない数字だからこそ、強さの証として通用する数字ですね。

 しかし、誰しも強みや得意分野というのを持っているもの。何かで新発見をしたり世界一になったりしたら、そんな高偏差値も取れてしまうのかもしれません。


自分だけが解ける問題

 いま、地球上の75億人に対して、1問100点で全1問の100点満点のテストを出したとしましょう。

 ひょんなことから「自分だけが分かる問題」が出題されたとしたら、自分だけが100点で、ほか75億人は0点という状況が起こり得ます。どんな問題かは別として……。

 この、自分が100点、ほか75億人が0点であるとき、偏差値はいくつになるのでしょうか。


偏差値の計算方法

 偏差値はどう求まっているのか、丁寧に説明していきましょう。「数学がとてつもなく苦手」という人は、下のほうの計算結果まで飛ばしてください。

 そもそも偏差値は、下の画像の計算式から求められます。



 Xに「自分の得点」を、μ(ミュー)に「平均点」を入れる、という説明まではみなさんも分かると思います。では、その分母にある「σ(シグマ)=標準偏差」はどうでしょうか。

 標準偏差とは、言うなれば「みんながどれくらい平均点から離れているかの平均」です。平均点に近い得点の人が多ければ小さく、平均点から遠く離れた得点の人が多ければ大きくなります。



 正確には「分散の平方根」が標準偏差となるので、単に距離を平均するだけではありませんが、イメージしやすい説明はこんなところでしょうか。

 つまり、この例でいうと偏差値とは、「平均点をとったときには50に、全員の得点の平均点からの距離の平均と同じだけ平均点より高い点のときに60(低い点のときに40)になる」ように換算した数値です。

 ※偏差値とは、ある数値がその対象の中でどれくらいの位置にいるかを表した指標であり、身長などにも用いることができます。

 さて、あらためて計算式を見てみると、自分の点数が平均点と同じであったり、標準偏差がどんどん大きくなっていくと、偏差値は50に近付きます。

 逆をいえば、「自分の点数が平均から遠く離れている(Xがμよりとても大きい/小さい)」かつ「標準偏差が小さい(σが小さい)」ほど、偏差値が大きく/小さくなることが分かります。



 これに従うと、「自分が100点で、ほか75億人が0点」のときの自分の偏差値は、とんでもなく高くなることが期待できそうですね。

 上の説明にあるように、偏差値というのは周りの得点に大きく左右される指標です。自分が平均を大きく上回ったとしても、ほかに平均を大きく上回った人がたくさんいれば、偏差値はそれほど上がりません。逆にいえば、平均を大きく上回れる人が少ないテストで平均を大きく上回る点を取れば、簡単に偏差値は上がります。

 テレビで紹介される「偏差値○○!」というのは、それがどんな受験者層のテストで出た数値かによっては、実はそれほどすごくはない可能性もあるのです。


で、結果は?

 計算式の文字に当てはめる数を求めていくと、平均点μは「100 ÷ 7500000001=およそ0.00000001333……」、標準偏差σはおよそ0.00115470053……。

 ここから計算すると、75億人が0点で自分だけ100点をとったときの偏差値はなんと、86万6075。偏差値100なんて目じゃない!



 ちなみにこのテストでは、0.0000000133 + 5 × 0.00115470053…… = およそ0.005773515点をとると、偏差値100をたたき出せてしまいます。100点満点のテストで1点未満でも偏差値100とは、これいかに……。


君も今日から偏差値86万!

 これは簡単に示せることですが、「自分以外の75億人全員が0点」という条件が変わらないと仮定すると、自分の点数がどんな正の数であっても、偏差値は86万6075で変わりません。

 つまり、「自分だけが問題を解いて、世界中のほかの人は誰も解けない」とか、「自分だけが1回成功して、ほかの人は1回もできない」ような偉業を成し遂げたら、それは偏差値86万6075といえないこともありません。

 もちろん、なんでも偏差値を計算してくればよいという話ではないでしょう。しかし、何か「自分にはできて、ほかの人には一切できないこと」を探してきて「偏差値86万」を自称してみるのも、話のタネにはいいかもしれません。

制作協力

QuizKnock


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」