岩手県ではお盆になるとお墓に昆布を乗せる? 珍しい風習も現地民は「当たり前だと思っていた」
なぜ墓石に昆布なのか。
岩手県の一部ではお盆になるとお墓に昆布を乗せて水をかける――というツイートが話題になっています。なぜ墓石に昆布を乗せるのか、お寺や行政に聞いてみました。
話題になっているのは、漫画『放課後×ポニーテール』などで知られる漫画家の田中てこ(@tanakateco)さんのツイート。会社でお盆の話題になり、「東京では7月にお盆をやる」「長崎で精霊流しをする」と盛り上がっていた際に、「お盆と言えばお墓の上に昆布ですよね!」と田中さんが発言すると空気が一変。「何を言ってるの……? 昆布を……墓に……?」と、ちょっぴり引かれてしまったようです。
しかしこの反応には田中さんもびっくり。「生まれてこのかたずっと……ずっとこれが全国共通だと思ってた……お墓にでっかい昆布置いて上からお水かけるのは地方の風習だったなんて…ショックがでかい……」とそのときの心境をつづっています。
田中さんの言う「お墓の上に昆布」とは読んで字のごとくで、墓石のてっぺんに乾燥昆布を乗せて、水やお茶、日本酒で戻すこと。なんともミスマッチにも思えるこの組み合わせですが、ねとらぼ編集部が花巻市に確認したところ、「そうした風習はある」との回答。担当者によると「確かにお盆によく見かける光景」とのことでした。
それにしてもなぜこうした風習が残っているのか。花巻市のお寺を取材したところ、「最近はやる人が減ってきてはいるが、要はお供え物の一種でしょう」とのこと。あくまでも解釈の一つとしつつ、山のもの、海のもの、野のものの何かしらをお供えする中で、海のものを選んだ際、精進的な解釈から魚などを殺生することが難しいため、「昆布」がお添え物として選ばれた可能性があると語りました。
なお、乾燥昆布をわざわざ水で戻して墓石に貼り付けるのは、「風などで飛んで行くことを防ぐ目的が大きいのでは」ということでしたが、明確な理由については分かりませんでした。
地域などによってことなるお盆の迎え方。あなたの住むエリアではどんな風習がありますか?
(Kikka)
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