創元推理文庫に「FGO帯」が登場! 企画のワケを東京創元社に聞いてみた(2/2 ページ)
さらに、今回対象となった6冊のほかにも「FGO」ファンにオススメの本を教えてもらいました! 帯はなくても、いずれもFGOの世界をより深く楽しめそうなラインアップです。
『名探偵群像』
さきほど、歴史と虚構の交差をFateシリーズの魅力のひとつとして挙げました。Fateシリーズの生みの親である奈須きのこさんが、山田風太郎さんの伝奇小説『魔界転生』のオマージュとしてゲーム『Fate/stay night』を構想したと仰っているように、似た趣向が凝らされている作品は、実は小説にもいくつかございます。
まずご紹介するなら、シオドー・マシスンというアメリカの作家の『名探偵群像』です。本書は「歴史上の有名な人物がそれぞれの危機に際して、一生に一度だけ名探偵として活躍する」というコンセプトのもと書かれた11編の推理小説が収められていて、各編の邦題も「名探偵○○○○(人名)」で統一されています。
例えば1編目は「名探偵アレクサンダー大王」。FGOのみならず『Fate/Zero』を読んだり見たりした方も興味を持っていただけるのではないでしょうか。本作は偉人が名探偵というワンアイデアにとどまらず、史実を踏まえた事件や謎解きが用意されています。アレクサンダー大王のほかには、レオナルド・ダ・ヴィンチ、そしてフローレンス・ナイチンゲールが探偵役を務めています。それでいて各編30頁前後とコンパクトなことも、お薦めしやすいポイントです。
『シャーロック・ホームズたちの冒険』
歴史と虚構が交差する趣向の作品は、ほかに田中啓文さんの『シャーロック・ホームズたちの冒険』がございます。
歴史上実在した著名な人物や虚構のキャラクターが探偵役を務める短編集で、題名にもあるホームズや、かの有名な怪盗紳士アルセーヌ・リュパンの活躍譚のほか、忠臣蔵の最中に実は密室殺人が起きていたり、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が自ら集めた「怪談」を合理的に解き明かしたりと、一風かわった趣向の推理短編がそろっています。とりわけ、アドルフ・ヒトラーが〈シャーロック・ホームズ〉シリーズの一作『バスカヴィル家の犬』を読んでいたという談話から想を得て書かれた「名探偵ヒトラー」は、戦局を左右しかねない大事件にヒトラーが名探偵となって狂気の推理劇を繰り広げる壮絶な1編です。
今年『シャーロック・ホームズたちの新冒険』という同じコンセプトの新作が刊行されましたので、併せてお薦めしたい作品です。
『シャーロック・ホームズの栄冠』
そして、FGOをプレイされている方に何をおいてもお薦めしたいのは『シャーロック・ホームズの栄冠』。当代随一のシャーロッキアン(ホームズ愛好家)である作家・北原尚彦さんが自ら選んで翻訳したホームズ・パスティーシュのアンソロジーです。
単にパスティーシュ/パロディーと言っても、目利きの方が選んでいるだけあって、その質の高さとバラエティの豊かさは折り紙つきです。シャーロック・ホームズが好きで正典はすっかり読み終えてしまった、という方も存分に楽しめると思います。
特に亜種特異点の「悪性隔絶魔境 新宿幻霊事件」をプレイ済みの方は、本書に収録されている1編「小惑星の力学」という題名に聞き覚えがあるのではないでしょうか。「新宿幻霊事件」の真相の一部に触れるので多くは申し上げませんが……必読です!
黒後家蜘蛛の会シリーズ
「小惑星の力学」に同じく某英霊がお好きな方にオススメしたいのが、アイザック・アシモフというアメリカ作家の〈黒後家蜘蛛の会〉というシリーズ。知的階級に属する六人の会員が月に一度晩餐会を開いて、ゲストが持ちこむ不思議な話をおのおの推理する連作短編集で、現在創元推理文庫よりリニューアルして刊行中ですが、その第2巻の最後を飾る作品が「終局的犯罪」といいます。概念礼装の名称にもなっているのでごぞんじの方もいるかと思いますが、当に〈黒後家蜘蛛の会〉の面々が「小惑星の力学」について議論するという話です。
『ラヴクラフト全集』
亜種特異点「禁忌降臨庭園 異端なるセイレム」には、アメリカの作家H・P・ラヴクラフトが生み出した〈クトゥルー神話体系〉のモチーフがちりばめられているので、興味をお持ちの方は『ラヴクラフト全集』(全7巻+別巻2巻)をお手に取ってみてはいかがでしょう。ちなみに本章に登場するラヴィニア・ウェイトリーは、全集第5巻所収の「ダニッチの怪」に登場しています。
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