「このまんがに、無関心な女子はいても、無関係な女子はいない」りぼん編集部異例の絶賛「さよならミニスカート」はどんな物語なのか
「この連載は、何があろうと、続けていきます」。
少女漫画雑誌「りぼん」9月号(集英社、8月3日発売)で始まった牧野あおいさんの新連載「さよならミニスカート」が大きな話題になっています。新連載としては異例の特設ページがオープンし、りぼんの相田聡一編集長による「この連載は、何があろうと、続けていきます」という“激推し宣言”が掲載されているのです。
相田編集長は「このまんがは、異例です。面白さも異例ですが、何よりも私たち編集部のココロの動かされ方もまた、異例でした」「このまんがに関しては、何があろうと、読者のみなさんに面白さが伝わるまで、連載をし続けていきます。それくらいの覚悟を示せるまんがと出会ってしまったのです」と絶賛。
さらに「少女たちだけではなく、いつかの少女たち、今は大人の女性になった、かつての『りぼん』読者たちをも大切にすることができるまんが」「このまんがに、無関心な女子はいても、無関係な女子はいない」と、幅広い年代に響く作品であると力強くオススメしています。
「りぼん」9月号でも、巻頭カラー&一挙65ページの大ボリュームでスタート。「超待望の登場! このお話の展開を、誰にも話さないでください」とのアオリ文を入れています。Web特設ページや「少年ジャンプ+」「LINEマンガ」などのマンガアプリでは1話の3分の1ほどが分割して掲載されています。
主人公は神山仁那。高校で1人だけ、スラックスで通学している女の子です。黒髪ショートカットで目つきは悪く、男子に対しても女子に対しても心を閉ざしています。そんな彼女に対して、男子の一部は「俺 あーいう女一番苦手 アレが得意な男とかいんのかよ(笑)」と毒づき、女子たちは「高1にして中2病かよ」と遠巻きにしています。
「神山さんってどうしてスカート履かないの? 神山さんって実はスタイルいいよね!? もったいなよ〜っ」「…もったいないって何? 自分にはそれ以外無いってこと?」
彼女がスラックスを履いているのはなぜなのか。彼女に一体何が起こったのか。それは1話の中盤で明かされます(ここではネタバレは控えておきますので、本誌やデジタル配信で確認してみてくださいね)。キーワードとなるのは、半年前に起こった“人気アイドルグループ「PURE CLUB」握手会での事件”です。
突然の理不尽な暴力に遭ったとき、同じくらい理不尽な「言葉の暴力」を浴びせられることもある。「大したことじゃない」「強くなれ」と、被害を小さくしようとする声もある――そんな状況下で、どうやって立ち上がり、立ち向かうのか。おそらく実際の事件に想を得て作られた「さよならミニスカート」は、そんな物語になっていくのではないでしょうか。
その他の主要人物は、仁那のクラスメイト2人。柔道少年の光は、ある会話をきっかけに仁那の中で“特別な人”となっていきます。そしてクラスでも「かわいい」と評判の長栖未玖は、「男の子の理想」を体現するような女の子。……でもそれって、本当にいいんでしょうか?
「りぼん」は小学生〜中学生を対象とする少女漫画誌。ちなみに記者は昔、りぼんを愛読する「りぼんっ子」でした。『こどものおもちゃ』に生き方を教わり(目には目ん玉、歯には歯ん玉)、『神風怪盗ジャンヌ』に恋愛観をインストールされました。それらの作品は今読んでも同じくらい面白いですが、小学生のころに読めたのは幸せなことだと思っています。「さよならミニスカート」はもしかしたら今の読者にとって、大きな影響を与える特別な作品になるのかもしれません。
なお余談ですが、本誌では、ギャグ漫画『HIGH SCORE』(1995年連載開始)と『アニマル横町』(2000年連載開始)がまだまだ超現役で連載中。かつての記憶と全く変わらない雰囲気に尊敬の念が湧いてきます。
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