FGO新ボードゲーム あるキャラを引けないと公式ルールで遊べない事実にファン戸惑う【追記あり】

Twitterで公式が「サイトのはあくまで推奨ルール」と呼び掛けたところ、さらなる波紋を呼ぶ事態に【2018年8月10日:追記あり】。

» 2018年08月05日 21時05分 公開
[黒木 貴啓ねとらぼ]

 人気スマホゲーム「Fate/Grand Order」(FGO)の新プロジェクトとして、8月1日に発売された対戦型ボードゲーム「Fate/Grand Order Duel -collection figure-」(FGO Duel)。現時点ではあるキャラクターを引き当てない限り公式ルールで遊べない仕様になっていることが発覚し、ファンを戸惑わせています。

 発売元のアニプレックスは対応として8月3日、公式Twitterで「コスト制限は推奨ルール」「(コストは気にせず)お手持ちのサーヴァントでお楽しみください」と呼び掛けましたが、かえって波紋を広げる格好となっています。

FGO Duelメインビジュアル

 FGO Duelは、FGOの世界観やバトルシステムを再現したボードゲーム。プレイヤーは「サーヴァント」と呼ばれるバトルキャラクターのミニフィギュアを3騎用意し、コマンドカードやスキルカードを使って他のプレイヤーと戦います。商品はミニフィギュア1騎(ランダム)、コマンドカード5枚、ステータスカード1枚、スキルカード1枚(ランダム)がセットで1200円(税込)。対戦するには最低でも3セット以上購入する必要がありました。

公式サイト「遊び方」にある、使うものの説明

 ところが発売後、購入者がある問題に気付きます。このゲームでは各サーヴァントに「コスト」と呼ばれる数字が0〜5の範囲で設定されています。

公式サイト「遊び方」には、「以下のルールを守り、パーティを作りましょう」「3騎のサーヴァントのコストの合計は11以内」とある

 公式サイトのルールには、3騎のコストの合計は「11以内」でなければならないと書いてあるのですが、発売された第1弾のサーヴァント8種類のうち、7種類のコストは4もしくは5。3以下は「マシュ」というコスト0のサーヴァントのみです。つまりこのマシュを引き当てない限り、3騎のコストの合計が11を超えてしまい遊べない仕組みになっているのです。

第1弾のラインアップ。このうちコストが3以下なのは、マシュの1種のみ

 少なくとも8種のうち1種を当てないと遊べない、しかも商品は1個1200円……これはなかなか出費がかさみそうな仕様です。Twitterではこの点に気付いて「悲しい事実がわかり絶望中」「8箱買ってマシュ引けませんでした」と報告したツイートが、1300件以上リツイートされました。

 一応公式サイトの情報を見る限り、9月5日に発売される第2弾ではラインアップ5種類のうち3種類のコストが3以下となっており、「合計11以内」で3騎の編成を組みやすくなるもよう。しかし1カ月近く「マシュがいないと遊べない」状況が続くのは、すぐにボードゲームとして遊びたい人にとってはなかなか厳しいかもしれません。

 この点に対し問い合わせは多かったらしく、FGO Duelの公式Twitterは8月3日に「『マシュがいないと遊べないんですか?』というご質問をよくいただきますが、コスト制限は推奨ルールとなります! お好きなサーヴァントの組み合わせでもお楽しみいただけますので、まずは是非、お手持ちのサーヴァントで遊んでみてください!」と発表。

 つまり公式サイトに書いてあった「コスト合計11以内」ルールは絶対ではなく、あくまで推奨しているだけなのでコストは考えないで自由に遊んでください、ということですが、逆にこの対応が反感を買うことに。「そうなら初めから公式サイトにその旨を書いといてください」「これは支離滅裂な発言」「公式が初っ端からルールブレイカーしてどうすんね!」と否定意見が寄せられています。

 確かに公式サイトの遊び方で「以下のルールを守り、パーティを作りましょう」「3騎のサーヴァントのコストの合計は11以内」と書いておきながら、「実は推奨ルール」は説明不足というか後付感が否めない……。その場にいる人たちだけで楽しく遊べる独自ルールが設けられるのもボードゲームの醍醐味ではありますが、サイトのルールを見て、コストを順守しなくてはとマシュを引き当てることに必死になってしまった人がいたと思うと、不親切だったかもしれません。

 とはいえ第2弾では低コストのサーヴァントが手に入りやすくなりそうなので、マシュがなかなか出ない人は第2弾を待ちつつ、割り切って非推奨ルールで楽しむのが吉といえるでしょう。サイトで公開されているルールはどこまでが推奨なのか、今回の件をきっかけにルール変更はありえるのか。ねとらぼではアニプレックスに取材中です。

2018年8月10日11時35分:追記

 FGO Duel公式サイトは8月9日、公式サイト「遊び方」の「3騎のサーヴァントのコストの合計は11以内」の項目に、「対戦相手とご相談の上で、コストを緩和してお楽しみください」という注釈を追記しました。公式Twitterは8月3日の発信内容について、「誤解を招く表現があり申し訳ございませんでした」と謝罪しています。

 またねとらぼ編集部から発売元のアニプレックスに質問を送ったところ、以下のように回答をもらいました。

―― 本家FGOではサーヴァント1、2騎のみで遊ぶことができます。FGO Duleでもサーヴァント1、2 騎だけで遊ぶことはできるのでしょうか。それとも3機固定は絶対なのでしょうか。

 FGO Duelは各プレイヤーが3騎のサーヴァントで遊ぶゲームとなります。

―― FGO Duelでは今後、公式サイトに提示しているルールを元に公式試合や大会を開催する予定はありますか?

 現在、大会などの開催を検討しております。

―― 第2弾以降で、マシュ以外に低コストのサーヴァントが出る予定はありますか。

 すでに発表しております第2弾では、アステリオス【コスト 1】、エウリュアレ/ジル・ド・レェ(術)【コスト 3】を、第3弾ではメドゥーサ/ジル・ド・レェ(剣)【コスト 3】をラインアップしております。また、第4弾以降におきましても、幅広いコストのサーヴァントをラインアップする予定です。

―― マシュ以外にコスト0のサーヴァントの追加予定はあるでしょうか。

 現時点では追加の予定はございません。

―― 本件についてFGO Duelを遊ばれる方へ何かコメントがございましたらお願いします。

 第2弾以降も引き続きサーヴァントのラインアップ拡充を予定しております。なお、コストが11に収まらない場合は、対戦相手の了承を得た上でコストを緩和して本ゲームをお楽しみください。

黒木貴啓


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