東京五輪のあおりで「2020インターハイ」が大ピンチ 全国各地の分散開催となり中止の危機も(1/2 ページ)

いまだ4つの競技開催地が決まっていません。

» 2018年08月11日 11時29分 公開
[辰井裕紀ねとらぼ]

 2020年東京オリンピックのあおりで、同時期に予定されていたインターハイ(高校総体)が開催危機に陥っています。運営する全国高等学校体育連盟(以下高体連)は特別基金を募っていますが、目標7億円のうち、まだ3364万円ほどしか集まっていません。


2020年インターハイ開催危機 まだ3300万円強しか集まっていない(公式HPより)

 高体連事務局長の西塚春義さんが苦しい胸の内を明かしてくれました。


五輪開催で、インターハイのための宿泊施設がない……

 もともと2020年のインターハイは「北関東総体」として茨城、栃木、群馬、埼玉の4県で予定されていたものの、五輪開催が決まりそれが暗転。なにせインターハイは選手や監督、役員ら3万6000万人がのべ20万泊をする高校スポーツの祭典です。五輪に押されて必要な数の「宿泊施設」が取れなくなり、他地域を含めた分散開催をせざるを得なくなりました。

 そのため北関東4県で11競技を行い、ほか19競技はその他の県で行うことに。しかし、持ち回りの開催ではどうにかお金を出してくれた自治体側も、イレギュラー開催の今回は拒絶するケースが続出しています。

 インターハイの1競技の開催は平均4000万円ほどかかるため、降って湧いたようなイベントに税金は出せないということです。そのため、19競技を行う各自治体の負担を軽減するために立ち上がったのが、前述の「2020インターハイ特別基金」なのです。


2020年インターハイ開催危機 開催地の費用負担を軽減するための特別基金

2020年インターハイ開催危機 東京オリンピックとパラリンピックの間を縫うように開催する

大会規模の大幅縮小に踏み切る

 さらに大会規模の縮小にも踏み切りました。まず仮設の施設は使わないこと。冷房が入っていない体育館に仮設の空調を入れる、待機をする場所がない体育館にプレハブのようなものを作るだけでも1000万円ほどかかってしまうそうで、そういった設備を使わなくてもいい体育館を全国から選びました。

 なおインターハイでは全国各地から審判に来てもらうのが通例ですが、できるだけ近場で審判を集めたり、予選リーグを行わずに最初から決勝トーナメントを行うなどの工夫をしています。それでどうにか例年の半額ほどの費用計画でおさめた開催地もあるほど。

 さらに県や市町村の負担を減らすため、高体連、各スポーツの専門部、各スポーツ協会が多額のお金を出して、なんとかこの急場をしのごうとしています。あまりに開催地選びが難航した末、県と市町村は全くお金を出さず、高体連や協会らが全額を負担する競技も数多いのだとか。ただしその負担は大きく、基金の少なさが響いています。


2020年インターハイ開催危機 寄付団体には愛工大名電で知られる名古屋電気学園、ヨネックスなどが並ぶ

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/18/news202.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
  2. /nl/articles/2412/20/news023.jpg 60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
  3. /nl/articles/2403/21/news088.jpg 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
  4. /nl/articles/2412/21/news038.jpg 皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
  5. /nl/articles/2412/21/news056.jpg 真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
  6. /nl/articles/2412/21/news088.jpg 71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
  7. /nl/articles/2412/20/news096.jpg 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  10. /nl/articles/2412/17/news195.jpg 「ほぼ全員、父親が大物芸能人」 奇跡的な“若手俳優の集合写真”が「すごいメンツ」と再び話題 「今や全員主役級」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」