映画「カメラを止めるな!」パクリ疑惑に公式が反論 「『パクった』といった事実は一切ございません」

円満に解決してほしいなあ。

» 2018年08月21日 19時35分 公開
[福田瑠千代ねとらぼ]

 都内2館の上映から口コミで人気に火が付き、上映館数が190館以上にまで拡大するなど異例のヒットとなっている映画「カメラを止めるな!」。そんな同作に対し、週刊誌『FLASH』(光文社)が「パクリだ」とする記事を掲載、インタビューを受けた演出家の和田亮一さんも自身のブログで不満を訴え、波紋を呼んでいます。これに対し、映画の製作を手掛けたENBUゼミナールが反論コメントを公式サイト上に掲載しました。


映画「カメラを止めるな!」パクリ疑惑に公式が反論 「『パクった』といった事実は一切ございません」 「FLASH」に掲載された和田さんのインタビュー(※リンク先に「カメラを止めるな!」のネタバレが含まれています)

 和田さんは「カメラを止めるな!」に「原案」としてクレジットされている舞台「GHOST IN THE BOX!」の演出を手掛けた人物。「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督も、インタビューや映画のパンフレットなどで同舞台に影響を受けたことをたびたび公言していました。

 ところが和田さんは8月21日に発売された『週刊FLASH(9月4日号)』の取材に対し、映画が自分には無断で作られたものであり、「(最も評価されている)構成は完全に自分の作品だと感じました」と主張。弁護士に相談の上、訴訟の準備を進めていると明かしました。

 さらに和田さんは自身のブログ上で、現在映画に出ている「原案」というクレジットも8月3日の拡大上映時に映画プロデューサー側に要求していなければ表記されなかったものであり、「原作」ではなく「原案」と表記されたことは不服と表明。映画自体は「本当に面白いです」としながらも、「僕や劇団員のみんなが協力してあの映画になったと思ってる人がたくさんいます。僕は一切協力していません」と、あらためて無断で製作されたことを強調しました。





 これらの記事は早朝からWeb上で大きな感心を集め、Twitterのトレンドでも「パクリ」が上位にランクインする事態に。この状況を受けて、同日17時ごろに「カメラを止めるな!」の製作を手掛けたENBUゼミナールがコメントを発表しました。

 ENBUゼミナールは『FLASH』の記事が「不正確なもの」であると前置きした上で、同映画が「GHOST IN THE BOX!」の舞台関係者に敬意を表す意味で「原案」という表記を採用したと説明。その上で、映画はあくまで上田監督による脚本、監督、編集に基づいており、法的に「著作権侵害」が生じていたり、「GHOST IN THE BOX!」を「パクった」という事実は一切ないと否定しました。

 さらに、現在舞台関係者とクレジットを含めたその他の条件や対応について協議中だったにもかかわらず、舞台関係者との協議過程の内容を含む記事がセンセーショナルな形で掲載されたことに対し「強く憤りを感じます」と批判しています。


ENBUゼミナールのコメント全文

「カメラを止めるな!」に関するご連絡

2018年8月21日 株式会社 ENBUゼミナール

 この度、8月21日発売の「FLASH」9月4日号に、「独占スクープ 大ヒット映画をめぐる著作権侵害疑惑『カメラを止めるな!』は私の作品を無断でパクった」と題する記事(以下「本記事」といいます)が掲載されましたが、本記事の内容は不正確なものです。

 本記事にも指摘がありますように、「カメラを止めるな!」(以下「本映画」といいます)は、舞台「GHOST IN THE BOX!」(以下「本舞台」といいます)より着想を得て企画・製作したという経緯がありました。そのため、当方としましては、本舞台に敬意を表す意味で、本映画を8月3日より拡大上映する際に、本舞台関係者の方々に対し、そのクレジットとして「原案:劇団PEACE『GHOST IN THE BOX!』」という表記をご提案させていただきました。

 もっとも、その一方で、本映画は上田監督自身による脚本、監督、編集というように、本舞台とは独自の形で製作を進め、ストーリーは本舞台と全く別物である上、脚本の内容も異なるものですから、本映画について、本記事の見出しに掲載されているような、法的に「著作権侵害」が生じていたり、本舞台を「パクった」といった事実は一切ございません。

 また、当方としましては、本舞台関係者の方々と都度協議を行っており、クレジットを含めたその他の条件や今後の対応についても協議を進めようとしていたところでした。

 それにもかかわらず、このような「著作権侵害」や「パクった」といったようなセンセーショナルな見出しや、未だ確定してもいない本舞台関係者との協議過程の内容を含む記事が掲載されたことに強く憤りを感じます。

 本記事の掲載により、本映画のファンの皆様、関係者の皆様には、ご心配・ご迷惑をおかけすることになり、心よりお詫び申し上げます。

以上

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