「自分の好きなものをやりたいだけ」 「水曜日のダウンタウン」の企画がヤバいのは演出の藤井健太郎がヤバいから説(3/4 ページ)

» 2018年10月02日 11時00分 公開
[イッコウねとらぼ]

―― 番組が始まるとき、「攻めていこう」というような姿勢で始めたわけではないんですか。

藤井: いや、全く無いですね。別に攻めているとも思っていないですし、面白いと思うものをやっていたらそう言われることもあるだけで。別に普段からそうしようと思っているわけではないです。

―― あくまでも面白いものを追求しているんですね。

藤井: 面白いもの、自分の好きなものをやりたいというだけじゃないですかね。……でも攻めているという表現をあえて使うのであれば、笑える番組って基本的には攻めてるものなんじゃないですか? 昔だって一番笑える面白い番組は、その時代には「刺激が強い」と言われてた気がしますけどね。ほぼイコールなんじゃないですか。あとは新しいことですよね。新しいパターンのまだ誰もやっていないことをやれば、当然、怒られる可能性があったり思いもよらぬ反応が返ってくる可能性はある。

―― 影響を受けた番組はありますか?

藤井: 子どものころは「元気が出るテレビ」が好きでした。単純に面白かった番組という意味では「ごっつええ感じ」が過去No.1だと思います。ただコントがメインだし、芸人さんのものという感じがするじゃないですか。“番組作りの面白さ”という部分に目が行ったのは「電波少年」ですね。「ごっつええ感じ」は出演者自体が面白いという感じですけど、「電波少年」は裏方が面白くしているっていう感じがありました。

―― 「水曜日のダウンタウン」では、番組ロゴやオープニング映像も特徴的ですよね。音楽の面でも「PUNPEE」(パンピー)さんを起用したり。

藤井: 面白いことが最重要なんで、別にカッコよくなくてもいいんですけど、ダサいのはよくないと思うんですよね。極端にダサかったら面白さも削がれちゃうと思います。あとは、番組の中身もそうですけど、できれば他でやってないことをやりたいじゃないですか。

 ビジュアル的に優れた番組はやっぱり好きなんですけど、でも昔から、ダウンタウンさんとか松本さんの番組はビジュアル面も優れているものが多いですよね。フジテレビの「一人ごっつ」「IPPONグランプリ」「すべらない話」とか、今だったらAmazonの「ドキュメンタル」もそうですけど、「面白くてカッコいいのが最高だな」っていうのはありますよね。


水曜日のダウンタウン

―― オープニングでいうと、スペシャルの時に曲を変えたり、いろいろな仕込みを入れていますよね。

藤井: そうですね。基本は前のスペシャルからそのスペシャルまでの間のことをネタにして落とし込んでいますね。僕とPUNPEEくんの共作じゃないですけど、彼がリリックを書くときにうまく入れ込んでくれることもあるし、僕からアイデアを出すこともあるし、という感じですかね。

―― オープニングの音楽ではなぜPUNPEEさんを起用したんですか?

藤井: 単純に音楽的に好きだったからというのと、あとは、合いそうだなと思ったというか、ああいうナードな感じと、多趣味な感じとか、歌詞に込めるユーモアとかが自分と感覚的に合いそうだと思ったからというか。同じヒップホップでも不良性が強いものはバラエティ番組とは相性が悪そうじゃないですか。最初はナレーションまでやってもらおうと思ったんですけどね。

―― え、そうなんですか?

藤井: こんなにVTRの割合が増えるとも思ってなかったんで、少ない分量のナレーションだったらいいかなと思ったんですけど。たくさんのナレーションを読むのはプロのナレーターさんじゃないと厳しい面も多いんですけど、ポイントでしかナレーションを使わない番組だったら新しいことをやるほうがいいかなぁと。一回本人にチラっとやってみてもらったときにあまりハマりがよくなかったのと、VTRの量も増えていったんで結局なくなったんですが。



「オンエアではカットだけど」というノリの部分を本当にカットする

―― ナレーションでいうと、VTR中のほんのちょっとしたナレーションの一言が面白かったり、浜田さんが漢字の「枯渇」を読めなかった様子をそのまま放送したり、他の番組にはない面白さがあるなと感じます。藤井さんのツイートにもありましたが、普通MCが漢字を読み間違えたりしたら、普通は撮り直すものなんですよね。

藤井: それは、僕というよりは浜田さんの問題ですけど、いい意味でカッコつけないというか。「あそこ切っといてくれ」とも言われなかったですし、撮り直しも要求されなかったので。

―― そんな理由なんですか(笑)。

藤井: あのミスがしっかり笑いになってるじゃないですか。「だせえと思われるよりも、笑いが生まれたということをちゃんと優先するんだな。カッコいいな」とは思いますけどね。ああいうときに「切っといて」と言うタレントさんもやっぱりいますから。

―― 「水曜日のダウンタウン」では、VTRの内容についてスタジオでツッコむというシーンも多いですが、あれはやはりダウンタウンのお二人への信頼というか……。

藤井: もちろんそうですよ、「拾ってくれるだろうな」と思って、ツッコミなしでは成立しないようなネタもVTRに入れてます。いい素材を渡せば必ず笑いに変えてくれるという信頼はあります。


水曜日のダウンタウン

―― 「VTRでボケる」のはあまり他の番組で見ないような演出だなと思うんですけど、藤井さんの中で独自の演出をするときの基準のようなものはあるんですか?

藤井: 自分の面白いと思った部分をチョイスしているだけですけど……あぁ、「他でやってないからやろうかな」というのはありますね。例えば、バラエティで「オンエアでは今のとこカットだけどね」みたいなノリってあるじゃないですか、でも「あれカットだけどね」発言をオンエアするときは、当然「カットする」って言った当該の部分もオンエアしてるじゃないですか。

 だから、そんなテレビのあるあるを逆手に取ってというか、本当に切るパターンも何回かやったことありますね。ハンバーグ師匠のネタを切ったのは、スピードワゴンの井戸田さんがプレゼンターとして登場して、ハンバーグ師匠でひとネタやったあと、卓に置いた帽子を「あ、それ繋がらなくなるからどかしといて」ってダウンタウンさんに言われたときですね。「切られてる想定の話」をするのは本当は「切らないのを想定して逆算した話」じゃないですか。そこを本当に切るというのは1個裏をかいているというか。あんまり他で見たことないですね。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news042.jpg 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  4. /nl/articles/2411/14/news090.jpg ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  5. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2411/13/news162.jpg 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  9. /nl/articles/2411/14/news035.jpg 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  10. /nl/articles/2411/12/news194.jpg 「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた