帰る場所が思い出せないサラリーマン……なぜか大人ばかりが集まる「迷子センター」の漫画が不思議で切ない

迷子の大人たちの切ない事情。

» 2018年10月24日 20時00分 公開
[林美由紀ねとらぼ]

 普通は迷子になるといえば子どもですが、ここに集まってくるのはなぜか大人ばかり――そんな謎の「迷子センター」を描いた漫画がちょっと不思議でちょっと切ないです。Twitterで10万回近くリツイートされるなど人気を集めています。

 主人公の女の子は学校帰り、道端に座り込むサラリーマン風の男性を見つけます。「おじさんどうしたの?」と声をかけると男性は「迷子」と返事。なんでもお家の人のことすら忘れてしまっているようで、女の子は迷子センターへ連れて行くことにします。


迷子01 おじさん迷子なの?


迷子02 まいごセンターには大人がたくさん

 しかしなぜか、施設には大人たちがいっぱい。受付のおじさんは「みんな迷子だよ」「帰り方を忘れちゃったんだ」と説明します。実はおじさんももともと迷子だったらしく、居付いているうちに受付をすることになったんだとか。

 女の子はセンターを見回していると、パパが好きな歌手に似ている男性を発見。サインをお願いしたところ、その男はペンを走らせたあとで「そうだ…… 俺は今井コーシローだ…」と自分の存在を思い出します。今井さんは「もう帰れる気がする」と女の子にお礼を言って、どこかに帰って行ってしまいました。受付のおじさんにも名前を調べてあげる約束をして、女の子も帰宅することに。


迷子03 パパがファンの歌手がまいごセンターに


迷子04 歌手の人が自分の名前を思い出した


迷子05 受付のおじさんも自分の名前を思い出せないらしい

 しかし家に着くと不思議なことが。さっき書いてもらったサインをお姉ちゃんに見せると、「ニセ者だよ、その人」「だって今井光志郎ちょっと前に死んじゃったもん」と教えてくれます。え、じゃあさっきの男性は一体何者だったんだ……?


迷子06 このサインは偽物?


迷子07 パパはロック歌手になろうとしてじぃじと大喧嘩

 今井光志郎の流れから、話題は父方のおじいちゃんの話に。物心付く前に亡くなってしまったため、これまで女の子は「おじいちゃん」という存在は母方の1人しかいないと勘違いしていましたが、実は2人いたことをたった今知ります。

 「たしか赤ん坊のあんたを抱っこしている写真が……」とお姉ちゃんが昔のアルバムを取り出したところ、お母さんの夕飯に呼ぶ声が。2人が出ていったあと、無造作に置かれたアルバムのページがめくれて現れたのは、迷子センターの受付のおじいちゃんが赤ちゃんを抱く写真なのでした。あの人は、女の子の父方のおじいちゃんだったのか……!


迷子08 じぃじ……。

 今井光志郎といい受付のおじいさんといい、このお話に出てくる「まいご」の大人たちはこの世での生を終えた人たち。つまり、迷子センターにいた人たちは亡くなって成仏できない人たちだったんですね。「大人の迷子センター」の謎は解けたけれど、そこにいる人たちがもしかしたら何かしらやり残したことがあったのかもしれない……そう思うと何とも言えない気持ちに。この漫画を読んだ人からは「あれは伏線だったのか」「安らかに」など、さまざまな感想が届いています。

 作者の漫画家・皆本形介(@mnmtksk)さんは、現在マガポケで『バトルアリーナ』を連載中。以前紹介した創作漫画「私はロボットではありません」も今回の作品と同じように、日常のちょっとした不思議からドンデン返しが起こるストーリーが魅力となっています。


迷子09 次に会う時には名前を教えてあげるのでしょうか。

画像提供:皆本形介(@mnmtksk)さん



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2408/31/news036.jpg 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほどの変貌が379万表示「そこだけボッ!ってw」 半年後の現在について聞いた
  2. /nl/articles/2408/30/news121.jpg 「地獄絵図」「えぐすぎやろ……」 静岡・焼津市の地下歩道が冠水 “信じられない光景”にネットあぜん
  3. /nl/articles/2408/31/news073.jpg 「よくこんなものが……」 米不足でメルカリに米出品→疑問の声も 運営は“禁止出品物”に「然るべき対応」
  4. /nl/articles/2408/31/news025.jpg 次男に塩対応の柴犬、いよいよ次男の帰省最終日を迎え…… 本音が出た瞬間に「不意に泣かせるのやめて欲しい」と感動の声
  5. /nl/articles/2408/30/news017.jpg 最上位グレードのハイエースを“50万円の底値”で購入したら…… 驚きの実物に「ある意味最強」「正直、羨ましい」
  6. /nl/articles/2408/30/news188.jpg 実写「着せ恋」、キャストに物議 海夢の再現度が高すぎるタレントを推す声あがる 「逆になんであかせあかりさん以外の人……」
  7. /nl/articles/2408/29/news193.jpg 「なんで欲しいと思ったんですか?」 酔った勢いで購入 → 後日届いた“まさかの商品”に反響 「理性あったら買わないw」
  8. /nl/articles/2408/28/news142.jpg 明石家さんま、69歳バースデー迎え長男から幸せ呼ぶ“輝かしいプレゼント” 同席した元妻・大竹しのぶは「最高の笑顔でした」
  9. /nl/articles/2408/31/news084.jpg 仕事早いな! 大谷翔平の愛犬“デコピン”、大反響の始球式がさっそくTシャツ化 「こ、これは……」「欲しい!」と爆売れの予感
  10. /nl/articles/2408/30/news113.jpg 「これ600円なの?」 大谷翔平が長く愛用しているデコピンの“おやつ入れ”、始球式で注目「おそろだった」「真美子さんが選んだのかな」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  2. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  3. 「苦手な芸能人は誰?」 あのちゃん、女性芸能人を“実名で即答” 「ここ最近で一番笑った」「強すぎる」
  4. ホテルでチェックアウト、忘れ物で多いのは? ホテル従業員が教える「圧倒的に多い忘れ物」
  5. 乳がん闘病中の梅宮アンナ、抗がん剤治療で「髪の毛ほとんどなくなっています」 帽子かぶり「ああ、来たか」
  6. 「キティちゃんのお面だと思ったら……」 ひっくり返すと“まさかの正体”に11万いいね
  7. 「凄すぎる…」「ガチで滝」 “市ケ谷駅の冠水”が衝撃与える 階段に大量の水が流れる様子も…… 東京メトロに経緯を取材
  8. 「早すぎます」「一体なにが」 52歳ボディービルダー、訃報1週間前に最期の投稿で“人生初の試み” 恋人は「亡くなる数時間前まで普通にお出かけも」
  9. お盆で帰省した次男に、柴犬も猫もまさかの反応→どちらも豹変して爆笑 「涙出てきました」「おもろ可愛過ぎ(笑)」
  10. 着陸する戦闘機を撮ったはずが…… タイミングが絶妙すぎる1枚に「一部の専門家には貴重な一枚」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」