最高すぎて完全に恋に落ちた 隧道マニア監修の「横須賀トンネル旅」やってみた【追浜編】:横須賀トンネルめぐり1日旅(1)(3/4 ページ)
浦郷隧道:大正と昭和の比較が楽しいトンネル
国道16号で横浜方面から横須賀市に入ると、横須賀中心部までのおよそ5キロの区間に8本のトンネルが次々と現れます。そのトンネル群の1つ目が「浦郷隧道」です。
こちらは「双頭トンネル」です。双頭トンネルとは2本並んで口を開けているトンネルのこと。2本のうち内回り(横浜→横須賀方向)が浦郷隧道になります。
デザインは典型的な「冠木門式」。左右に立派な柱が見え、坑門の周囲はレンガが六重になった「六重巻きレンガアーチ」。それ以外にはコンクリートブロックが使われています。先ほどの図に当てはめると、まさに大正時代のトンネル。確かに浦郷隧道は大正14年(1925年)にできました。
双頭トンネルのもう一方も見比べましょう。こちらは「新浦郷隧道」といいます。同じ場所にあるので、同じ時期に造られた同じものと思ってしまいますが、よーく見るといろいろと違います。まず素材がコンクリートです。穴の周囲の凹凸もコンクリートで作られたただの飾りです。それもそのはず。造られた年代がまったく違うのです。新浦郷隧道は道路の複線化のために後から増設されたトンネル。昭和36年(1961年)にできました。
浦郷隧道は「大正」を感じさせる要素が強く残っているトンネルです。ここは国道16号。交通量もめちゃくちゃ多い場所。「こんなに古いトンネルが今も第一線で活躍していることが浦郷隧道の凄さ」だと平沼さんは評しています。双頭のため、大正と昭和の違いを分かりやすく比較できるのもいいですね。
浦郷隧道のトンネルカードをゲット!
浦郷隧道のトンネルカードは、追浜駅から徒歩2分「中華料理 杏花飯店」で「トンネルチャーシュー麺(1000円 税込、以下同)」を食べると入手できます。
杏花飯店は、店内に表彰状やトロフィーがずらっと並ぶ中華料理店。化学調味料とはレベルが違うという本物の鶏ガラスープに、上等のしょうゆをちょいと入れた、猫舌に優しい温度の上品なスープでした。よく食べる口あたりなのに小麦の香りが違う中華麺。高級中華料理店でしか嗅いだことがないスパイスがほのかに香るチャーシューもウマい。贅沢なラーメンです。聞けば、チャーシューはかまど焼きなのだそうです。
浦郷隧道のトンネルカードをゲットしました。裏にはトンネルの解説も書いてあります。寝る前に眺めれば、トンネルの思い出と、ラーメンの味、ダブルで思い出せます。
筒井隧道:「穴の形」が気になりすぎるトンネル
さて、本日紹介する最後のトンネルは「筒井隧道」です。このトンネルはとにかく穴の形がブッ飛んでいて個性的。横幅約4メートルに対して、高さが約7メートルもあります。
筒井隧道は明治38年(1905年)にできました。もともとは高さも普通な平凡な形をしていました。しかし、昭和8年(1933年)の改修で「のっぽな姿」になりました。一体なぜなのでしょう。
理由は、この場所ならでは地形のせいです。トンネルの前後は下り坂になっています。この坂をなだらかにするために、トンネルの路面を掘り下げました。でも天井はそのままなのでニョーンと下に伸びたというわけです。トンネルのすぐそばにある民家には「石の階段」が取り付けられています。以前は路面がこの高さまであったことが分かります。
明治時代、筒井隧道が開通して周辺地域は住宅が集まるようになったそうです。筒井隧道は自動車がすれ違えないほどの狭さです。けれども交通量は多く、取材時も5分に1台は通っていました。小さなトンネルですが重要な存在なんですね。
筒井隧道のトンネルカードは?
さて、この筒井隧道のトンネルカードを入手するなら、追浜駅から徒歩5分の「寿徳庵 追浜店」で「筒井隧道野菜天ざるそば(972円)」を注文しましょう。
寿徳庵さんのそばは自家製麺。製麺所を持っているそうで、作ったらすぐに店へ持ってきているそうです。
そして、天ぷらはサックサク! 揚げたてはいいですね。サクサクなのに中身はほっこり。かぼちゃも甘くてほくほくでした。驚いたのがブロッコリーの天ぷら。天ぷらに合うんですね。ホックホクでした。
トンネルヌードルを食べに来るお客さんは結構いるそうです。「隧道ファン」多いんですよ。
今回紹介した3本めぐりは徒歩で行くのがお勧めです。平沼さん監修の横須賀トンネルマップの中の“谷戸の古隧道をめぐるコース”を、追浜駅から京急田浦駅までゆっくり歩くのもいいでしょう。
(次回予告)まだ続きます、横須賀トンネルめぐりの旅
トンネルカードグルメとトンネルめぐりの旅の第1弾、いかがでしたでしょうか? トンネルカードになった愛すべきトンネルは全部で10本、残りは7本です。実は平沼さんからは残る7本の熱い情報も既にいただいています。
つまり、この企画、続きます。
情報を先出しすると、廃線の平面交差が見られるトンネル、今は使われていない廃トンネル・通称「お化けトンネル」などワクワクなトンネル話がいっぱい。次回もお楽しみにー。
「第2弾 横須賀トンネルカード」 キャンペーン
実施期間:2018年10月6日(土)〜2019年2月28日(木)
対象店舗:市内10店舗
主催:横須賀集客促進実行委員会(横須賀市、横須賀商工会議所、京浜急行電鉄)
公式サイト:ここはヨコスカ「第2弾横須賀トンネルカード」
監修:平沼義之氏 プロフィール
千葉県松戸市生まれ、東京都日野市在住。TV出演で注目を集めている廃道&隧道愛好家、フリーライター。WEBサイト「山さ行がねが」主宰。
「国道? 酷道!? 日本の道路120万キロ大研究」「廃道踏破 山さ行がねが」シリーズ(いずれも実業之日本社)などを執筆。最近は、廃道や隧道をテーマにしたトークイベントやツアーガイドも行っている。
(高橋ホイコ)
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パッと見て全体像が分かるー。
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