先輩、結局そういうことしたいんですか、学校で。 アニメ「やがて君になる」4話(1/2 ページ)

キスする際は周りに注意しようね!

» 2018年10月26日 23時00分 公開
[たまごまごねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

やがて君になる (C)2018 仲谷 鳰/KADOKAWA/やがて君になる製作委員会

 人を好きになるって、なんだかとっても難しい。「やがて君になる」(原作アニメは、思春期に体験する「止められない恋」と「恋がわからない」気持ちを繊細に描いた作品。しっかり者なのに好きな人に甘えてしまう先輩と、人を好きになれない後輩の、ちょっぴり厄介なガールズラブストーリー。


やがて君になる


今までのあらすじ

 高校一年生の小糸侑(ゆう)と、二年生の七海燈子。クールで優等生な燈子だが、侑のことがすっかり大好きになり、デレデレに。

 侑は、人を好きになって夢中になる感覚がわからない子。先輩に対して、嫌ではないけど大好きではない、くらいの距離を取りつつも、押しの強い先輩に流されるはめに。

 生徒会長になった燈子。意外と彼女が弱いと気付き始めた侑は、サポートをしようと思い切って生徒会に入る。燈子の「好き」はどんどん強くなり、侑に近づきたい思いは暴走気味になっていく。


ノンストップ燈子先輩

 侑のことが大好きすぎる燈子は、選挙演説の際の応援責任者に一年生の侑を抜てきしました。ぶっちゃけ半分くらい私利私欲。

 グイグイ迫りまくる燈子。一緒に登下校をする、侑にぴったり寄り添う、こっそり侑の実家の店を訪れる、などなど。別にストーカー気質だとかではなく、ただ単に好きな人ができてドキドキしているのがうれしい、という無邪気なものです。


やがて君になる 好き嫌い以前に、単純に邪魔(2巻P8)

 学校の廊下を歩いていると、ニコニコしながら侑にくっつこうとしてくる。それ好き云々じゃなくて、ちょっと邪魔だよ! しかも無自覚。有能生徒会長のポンコツっぷり、漏れ始めています。

 今までは「侑の前でだけ」だった彼女の本当の姿。ただ学校内のいたるところでダダ漏れ寸前なのはちとまずい。


やがて君になる 注・ふたりは付き合っていません(2巻P22)

 生徒会室に二人きりでいたとき、燈子先輩は言います。

 燈子「ねぇ侑 キスしたい」

 この人何言ってるんだろう……。そもそもまだ付き合っていない。ここは学校であなたは生徒会長。「好きでいるだけでいい」と侑に発言したばかり。燈子先輩の言動は、ここしばらくでかなりシッチャカメッチャカになりつつあります。「特別」を見つけちゃったもんだから抑えが効かなくなっていますし、その感覚自体を楽しんでいる様子。


やがて君になる 先輩のまぶしさがちょっと複雑(2巻P24)

 自分が散々「欲しくなっちゃう」と言っているのに、侑に対しては「好きじゃないのにキスしたいとか 侑えろい」とこぼしてしまう燈子先輩の感覚。要は「欲しくなる」のは恋愛的感情で、キラキラフワフワした素敵なもの、というのが燈子先輩の捉え方なのでしょう。その一方で、キスや性的接触を「好き」以前に求めるのは「えろい」と考えている。

 恋愛感情と性的欲求が、頭の中でうまく結び付いていないようです。だからこそ最後の歯止め(無理やりはしないとか)はギリギリかかっているんでしょう。不意打ちでキスしたときのことは、さすがにダメだった、と思っているようですし。


このドキドキは誰のせい?

 燈子先輩の「侑がいつも許してくれるからもっと欲しくなっちゃう」「侑のせいだよ」という発言。先輩ヒートアップしすぎだよ、少し冷静になろ!?

 ただ、彼女が甘えてしまう気持ちがわかるような侑の言動、かなり多いです。


やがて君になる こういう態度取られたら甘えたくなるのはわからんでもないよ!(2巻P20)

 生徒会の仕事が一段落し、燈子先輩だけが学校に残ったとき。帰ろうとした侑は、チラリとこっちを見た燈子先輩を見て、居残りすることを決めます。先輩が子犬のようだからとはいえ、流されやすすぎるにもほどがある。

 先輩も、「私用でパソコン使ってく」と言っておきながら、実は家に自分のがある、という策士っぷり。侑は残ってくれるに違いない、とわかっての言動です。まあ、残るんだけど。


やがて君になる 二人の顔の差をじっくり見比べよう(2巻P27)

 じゃあ先輩がキスを持ちかけたときの反応はどうだったのか? 「別に嫌なわけじゃない」というのがアンサー。要は「許可」です。

 だから、キスする瞬間の二人のテンションの違いが興味深い。燈子先輩はドキドキ恋する乙女状態。目をつぶっています。一方侑はほとんど頬も赤らめず、近づいてきた燈子先輩の顔をじーっと見て、冷静に「まつげ長いな」なんて思ったりしています。


それって普通ですかね

 学校でのキスはさすがにうかつと言うか無防備というか。同じ生徒会・槙に見つかっていました。

 この槙という少年がたまたま一人で見たのが良かった。人の恋をこっそり特等席で見ていたい、自分は混じりたくない、という傍観者的立ち位置の子。安全です。今まで二人の価値観の中で混乱していた侑と燈子先輩の関係を、第三者から見るとどう感じられるのかを気付かせる存在になりました。


やがて君になる ある意味見られたのが一人で良かったというか……(2巻P50)

 槙が「見ちゃった」と言ったときの侑の反応。ここで彼女がまっさきに心配したのは、燈子先輩が苦しむのではないか、ということでした。自分の心配を一切していない。

 侑「七海先輩には言わないで 見ちゃったってこと」「余計なこと言って怖い思いさせたくない」

 槙視線・視聴者目線だと、この思いやりの様子は、形はわからないけれども「侑は燈子が好き」と受け取れてしまう。「嫌いじゃない」という段階ではない。これを槙は「七海先輩のこと特別なんだなぁって」と表現します。

 この作品において、好きとか恋とかよりも重視されるのは「特別」です。定義のできるものではありません、だって人それぞれ特別の意味違うもの。一つじゃない人だっている。理屈じゃなく、自分の気持ちが突き動かされる存在がいれば、それは特別。


やがて君になる 普通じゃないと思うが(2巻P60)

 そして「特別」の反対語として侑が使うのが「普通」。この普通は、マジョリティというよりも「すごくない」「変わっていない」というネガティブな意味で使われているようです。あとは、困ったときの逃げでよく使う。

 槙と話したことで、普通じゃないことに気付き始めた侑も、何かが変わりつつあります。

 余談ですが、単行本のおまけイラストに、生徒会の入口にカーテンをつけるよう燈子先輩に言い出す侑が描かれています。ってことは、またキスされても見つからないように、ってことなの? えっ、そこ退ける方向じゃないの?? どうやらすっかり流されているようです。


       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/28/news029.jpg 「言葉が出ない」 TDL「スペース・マウンテン」現在の状態は…… 変わり果てた“衝撃的な姿”が423万表示
  2. /nl/articles/2412/25/news213.jpg 「やりすぎだろ」 M-1王者が通販サイトでの「非公式グッズ」販売に抗議…… 運営謝罪「申し訳ございませんでした」
  3. /nl/articles/2412/26/news108.jpg 藤本美貴、“豪華なクリスマス夕食”公開 2枚目には夫・品川庄司の“激変した姿”も……「一瞬びっくりした」
  4. /nl/articles/2412/26/news028.jpg パパに娘を任せて風呂から先に出たママ、ふと浴室を振り返ると…… 衝撃展開が400万表示「ホラーすぎ!」「うちの子も……」
  5. /nl/articles/2412/25/news171.jpg ホロライブ・鷹嶺ルイ、クリスマスイブに“悲しすぎる理由”で配信を終了し泣く 「そんなことある?」「悲しいエンディングでしたね…」
  6. /nl/articles/2412/26/news122.jpg 生え際が後退し、数年髪を切ってない男性を理容師がカットしたら…… 驚がくの大変身が1400万再生「彼の人生まで変えちゃった」「すごすぎて涙出た」【米】
  7. /nl/articles/2412/26/news110.jpg 辻希美の長女・希空、“完成度高いクリスマスケーキ”披露 杉浦家6人そろった“豪華すぎる料理”にも反響
  8. /nl/articles/2412/23/news193.jpg 【編み物】淡い色の毛糸を時間をかけてひたすら編むと 芸術品のような仕上がりに脱帽「美しすぎる」
  9. /nl/articles/2412/18/news171.jpg “27歳差夫妻”、妻の母親に妊娠報告したら……涙を浮かべて まさかの「パパと同い年のおばあちゃん!」が誕生
  10. /nl/articles/2412/24/news037.jpg 毛糸で作ったお花を200個つなげると…… “圧巻の防寒アイテム”完成に「なにこれ作りたい……!!」「美しすぎる!」と100万再生【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  3. 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  4. 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に【大谷翔平激動の2024年 「お菓子」にも注目集まる】
  5. 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  6. “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  7. 「バグってる」 シャトレーゼの“864円で買える”「1人用クリスマスケーキ」に大絶賛の声 「企業努力すごい」
  8. 「昔モテた」と言い張るパパ→信じていない娘だったが…… 当時の“驚きの姿”が2900万再生「おおっ!」「マジかよ」【海外】
  9. トイレットペーパーの芯を毛糸でぐるっと埋めていくと…… 冬に大活躍しそうなアイテムが完成「編んでるのかと思いきや」【海外】
  10. “月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」