結婚前の女性が昔の恋人と再会……その行方は? ラストが重く刺さる漫画「鯖とコーヒー」

ずしっと来る読後感。

» 2018年11月01日 20時00分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

 6年ぶりに再会したかつての恋人同士を描いた短編作品「鯖とコーヒー」を、漫画家の奥香織(@okukaori1124)さんがTwitterで公開しました。2人の距離感を、絶妙な“間”で描いています。


アイキャッチ 再会の場所は、思い出の喫茶店。彼女が頼んだのは昔からのお気に入り、「鯖とコーヒー」

 「長い間待たせてごめん」と健治が訪れたのは、昔ながらの静かな喫茶店。奈央子は長らくの疎遠をとがめずに、会えて良かったと再会を喜んでいます。そんななか、健治が言いよどみながら口にした言葉は、「婚約おめでとう」。奈央子は一瞬、複雑な思いを表情に見せながら、元恋人からの祝福を受け入れました。


1P

2P

3P

4P

 少々気まずい空気が流れたとき、奈央子が注文していた、サバの塩焼きとブレンドコーヒーを店員が持ってきました。不思議な組み合わせながら、彼女にとっては昔からのお気に入りの様子。これをサカナに、2人は交際していた6年前の思い出を語り合います。


5P

6P

 すると突然、健治は「おれたちが付き合っていたことを、ヒロムは知っているのか」と問います。奈央子と婚約者のヒロムは、健治も一緒のサークル仲間だったのです。しかし奈央子は「もう昔のことだから」と話題を打ち切り、2人の別れを振り返ります。


7P

8P

9P

 実は6年前、健治はエベレストの単独登頂に挑戦していました。そしてそのころ、奈央子は彼の子どもを身ごもり、流産していたのです。重大な事実を初めて知らされ、健治はうろたえることに。


10P

11P

12P

 「私だって健治を待てなかった。結局、合わなかったのね」と別れた要因を語る奈央子に、健治は反論。自分は登頂を成功させて日本に帰ったらプロポーズするつもりだったと告白します。ただし、「滑落するその瞬間まで」は……!? では、ここに無事でいる健治は何者なのか。


13P

 健治はあらためて、「おれと一緒に来てくれよ」と告白しますが、奈央子の返事は「無理よ」。現実を受け入れた健治は、「一度くらいサバとコーヒーを一緒に食っとけばよかった」と語りながら、奈央子の幸せを願うのでした。


14-15P

16P

17P

 「ありがとう。健治もゆっくり眠ってねー……」と、奈央子が言った先には誰もおらず、コーヒーが湯気を立てるのみ。彼女はヒロムからの着信を受けると、「健治の遺体が“昨日”発見された」ことを伝えるのでした。つまり、奈央子は喫茶店に、ずっと1人でいたのです。きっと、健治への思いを整理するために、脳内に彼を描きながら。


18P 冒頭の「長い間待たせてごめん」の真意がラストで

 微細なタッチで男女の機微を描き、意外なラストで重い読後感をもたらしたこの漫画。作者は「やわらかスピリッツ」にて、「ゼロから始める事故物件生活」を連載中です。


作品提供:奥香織(@okukaori1124)さん

(沓澤真二)


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/01/news003.jpg パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  2. /nl/articles/2412/03/news179.jpg 「口座や住居が……」 坂口杏里、SNSで“重要個人情報を垂れ流し” 「かなりまずい状態」「大丈夫じゃなさそう」心配の声
  3. /nl/articles/2412/03/news184.jpg 部屋中に“まさかの原因”で「虫が大量発生」 松井珠理奈「寝るのも怖い」と自宅で大パニック ファンから対処法募る
  4. /nl/articles/2412/04/news067.jpg 「価格崩壊ヤバい」 セカストで2150円で買った“破格の掘り出し物”に「やっす……」「こういう事あるんすね」
  5. /nl/articles/2412/04/news110.jpg ニトリの“3990円デスク”が在宅ワークにぴったり 収納力抜群のコンパクト仕様に「サスガ、お値段以上」
  6. /nl/articles/2412/01/news031.jpg 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  7. /nl/articles/2412/03/news188.jpg 「どういう神経してるの」 有名音楽評論家、過去の“万引き”を告白…… 「盗んだレコードで評論とは」批判殺到
  8. /nl/articles/2412/04/news084.jpg 大谷翔平、“仲間たちとのショット”に反響 幸せそうな表情に「これはすごい!」 妻・真美子さんとの“家族ショット”も
  9. /nl/articles/2412/03/news187.jpg ホロライブ・天音かなた、実母が“警察が動く犯罪に巻き込まれていた”ことを明かし視聴者騒然 「泣きながら電話かかってきた」
  10. /nl/articles/2412/04/news197.jpg 辻希美の高2長女・希空のデビューについて杉浦太陽が語り涙…… 赤ちゃん時代の姿や秘蔵エピソード明かす「そういう世界に入る気ない、と言われていた」
先週の総合アクセスTOP10
  1. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  2. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  3. 「中学生で妊娠」した“14歳の母”、「相手は逃げ腰」妊娠発覚からの経緯を赤裸々告白 母親の“意外な反応”も明かす
  4. 勇者一行が壊滅、1人残った僧侶の選択は……? 「ドラクエでのピンチ」描くイラストに共感「生還できると脳汁」
  5. 「笑い止まらん」 海外産アプリで表示された“まさかの日本語”に不意打ち受ける人続出 「何があったんだw」
  6. パパが好きすぎる元保護子猫、畑仕事中もくっついて離れない姿が「可愛すぎる」と反響 2年以上がたった現在は……飼い主に話を聞いた
  7. アグネス・チャン、米国の自宅が“度を超えた面積”すぎた……ゴルフ場内に立地&門から徒歩5分の豪邸にスタッフ困惑「入っていいのかな」
  8. 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  9. 「車が憎い」 “科捜研”出演俳優、交通事故で死去 兄が悲痛のコメント「忘れないでください」
  10. PCで「Windowsキー+左右矢印キー」を押すと? アッと驚く隠れた便利機能に「スゲー便利」「知らなかった」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」