密室殺人だ → 壁ボコーン! →密室じゃなくなった 全てを力で解決する漫画『脳筋ワトソン』がよく見ると何も解決してない
一緒に行動するのやめよう。
すがぬまたつやさん(@sugaaanuma)による4コマ漫画『脳筋ワトソン』が全てを筋肉とパワーで解決しているようにみせかけて大体ホームズの邪魔をしています。やはり殺人事件は筋肉では解決できなかったんや……。
ワトソンの元ネタは、英国の小説家、アーサー・コナン・ドイルの小説「シャーロック・ホームズ」の主人公であるホームズの友人。多くの作品で語り手となり、読者と同じ目線で現場を見る重要な人物です。
そんなワトソンを、大変マッスルでマッシブでマイティな筋肉こそ全てな男にしてしまったのが、今回の『脳筋ワトソン』です。まず筋肉ムキムキながら上半身裸にサスペンダーというスタイルからすでにおかしいのですが、言動はパワーですべを解決しようとするまさに筋肉の申し子としか言いようのない大変シンプル思考となっています。
ホームズが死体の前で「ワトソン君、こいつは密室殺人だ」と述べる推理小説のお約束的展開が発生すると、ワトソンは秒で壁に裏拳をぶちかまし破壊。「これで密室じゃなくなった。もう密室殺人は起きない」と何も解決していない解決策を提示すると、ホームズは動揺しなら「そう……だね」と同意を示します。全然「そうだね」じゃない。
ホームズが関係者たちの前で「犯人はこの中にいる」と告げると、突如ワトソンが容疑者の1人にパンチ! さらに残りの関係者たちにも1人残らずパンチ&パンチ! 全員をのしたところで一言、「連帯責任だ」。ホームズは(犯人探そうよ……)と震えています。頼むから止めてくれ。
また、容疑者がホームズの推理に対し「私はその時間駅にいた、犯行は不可能だ」とアリバイを主張すると、ワトソンは死体からナイフを「ズボ」っと引き抜き窓から全力でシュート! そのまま駅の看板に「ダーン!」と突き刺さり、「可能だが?」と見事アリバイを崩します。が、ホームズから「ワトソンくん……それは君だからだろ」と冷静に突っ込まれるのでした。筋肉推理こわい。
ホームズの推理に容疑者が「私が犯人という証拠はあるのか!?」と食って掛かると、ワトソンは「俺の筋肉が反応している」と震える大胸筋を証拠として提示。容疑者が「そんなのが証拠になるかあ!!」と叫びますが、この一言にワトソン激怒! 「……そんなの?」と犯人の画面をアイアンクローで締め上げ片手で体を持ち上げると、「すっすいません……私がやりました……」と自白させてしまいます。無理やり事件を解決してしまいましたが、その後ろで証拠を手に持ったホームズがすごい顔でやりとりを眺めているのでした。その心境やいかに。
本物と違い語り手にしたら話が確実に破綻しそうな『脳筋ワトソン』ですが、現在その30まで公開中。どこまでも筋肉で全てを解決しようとする男の真っすぐな戦いをぜひ御覧ください。
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