47年ありがとう「6000系」 「東京メトロ綾瀬基地」イベントに潜入、あの名車・設備の裏側大公開(1/3 ページ)
東京メトロの「メトロファミリーパーク in AYASE 2018」へ行ってきました。
2018年11月11日、東京メトロ千代田線を約半世紀、47年間走り続けた「東京メトロ(営団)6000系電車(以下、6000系)」が引退しました。長く活躍し、多くの人に愛されたことから、引退までの1カ月間は特別な運転スケジュールが組まれ、また最終日の11月11日は綾瀬駅に別れを惜しむファンが大勢訪れたほどでした。
あぁぁ、もう一度6000系を見たい……。そんな人のために(?)、いやいや、それだけではない鉄道ファンやその家族、近隣住民などに向けて施設を一般公開する広報イベント「メトロファミリーパーク in AYASE 2018」が2018年11月18日に行われました。
普段利用する身近な公共交通機関の裏側とは。あの広大な施設には何があり、どんなことが行われているのか。整備工場の設備や作業、そして引退したあの車両を間近で愛でてきました。
「車両展示会場」に千代田線の歴代車両がそろい踏み
東京メトロ千代田線・北綾瀬駅(東京都足立区)の近くに「東京メトロ綾瀬車両基地(以下、綾瀬車両基地)」があります。綾瀬車両基地は「千代田線」と、有楽町線、副都心線、南北線を管理する車両基地(綾瀬車検区)および車両工場(綾瀬工場)を総称した拠点。担当路線の多さとともに、敷地面積14万1810平方メートルと東京メトロの車両基地の中でも最大規模を誇ります。
入っていきなり歴代の車両がズラリ並んだ「車両展示会場」が涙もの! つい先日、現役を引退した6000系には「47年間ありがとう」の特別エンブレムとリボンが掛けられていました。
左端は展示車両の中で最も古い「千代田線5000系(営団5000系電車)」。1969年の千代田線開業とともにデビューした歴史のある車両で、東西線などでも同型車が使用されました。そのクラシックなスタイルに渋い魅力があります。
その隣が「千代田線6000系」です。
5000系に比べると車両前面の見た目からかなり違ったのですね。先頭車両の非常扉が、5000系の真ん中から、6000系は進行方向の右側にオフセットされています。その分運転席がやや広く、大きく見やすそうな一枚窓で構成しています。
また車体の素材も、5000系の鋼鉄に対し、6000系はアルミ合金を本格導入し、以降に製造された車両の標準型となった車両でした。また、回生ブレーキとチョッパ制御方式を世界ではじめて採用した省エネルギー車両でもありました。
最後は千代田線で2018年現在活躍する現役車両「千代田線16000系」。2010年に営業運転を開始しました。前面がより丸みを帯びたデザインとなっています。6000系に比べて前面のガラスの割合も増え、運転席からの視認性はさらに良くなったそうです。
ガラスといえば16000系は客室にも幾つかの「透明」が。座席の端にある袖仕切りや仕切り扉、頭上の荷棚などにガラス素材を用いて、圧迫感を軽減する工夫を設けています。
車両は「ガソリンスタンド洗車機の親分のような機械」で日々洗車されている
続いてそんな16000系を使って行われたのが「車両洗浄乗車体験」です。毎日酷使される地下鉄がきれいで、安心して使えるのはなぜでしょう。もちろんですが、日々洗浄されているからですね。これだけの規模ものを「きれいに保つ」のは、とても大変なこと。詳しくは大掛かりな手洗い洗車の様子も見学した「東西線深川車両基地」に潜入した様子もご覧ください。
では巨大な「機械式洗車機」までレッツゴー。
洗車機はレールを挟むように配置されています。ガソリンスタンドの洗車機は機械が動きますが、鉄道用のそれは車両がゆっくり通過することでブワァァァァと洗われる仕組みです。
今回は洗浄中の様子を車内から見学できました。車両は時速5キロ以下の定速で進入。側面のブラシが始動しつつ水を噴射。「グワングワングワン!」と大きな音を立てながら、壁面や窓ガラスを清掃します。洗車時間は1編成当たり5分ほど。終わってみると電車はすっかりきれいになっていました。
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