親子で考えた漫画「おばけのユター」にほっこり 悪そうだけど優しいオバケがくじけそうな人々を癒やす
ワルぶってるけれど、本当はよい子なんだな。
『きょうの横山家』などのエッセイ漫画で、親子の暮らしをユーモラスに描いている横山了一先生。今度は息子さんと一緒に考えた漫画、「おばけのユター」を公開しました。口は悪いけれど涙に弱くて世話焼きなユターが、悲しい人々を癒やして回ります。
おばけのユター
「人間をおどかして泣かすのが生きがい」とうそぶいて、夜空を飛び回るユター。さっそく女性を見つけると、泣かせてやろうと窓の外からのぞき込みます。ところが彼女は仕事でイヤな目に遭ったのか、「もう会社に行きたくない」と既に泣きじゃくっていたのでした。
「ママが作ったシチューが食べたい」と泣く様子を見て、鍋に火をかけるユター。「泣いてる女をさらに泣かすほど鬼じゃあねーぜ……」と、作ったシチューを残して去るのでした。やだ、イケメン……!
おばけのユター 「いんふるえんさー」編
第2弾の「いんふるえんさー」編では、ユターが漫画家志望の女性を発見。彼女は伸び悩んでいて、SNSに絵を投稿しても出版社に漫画を持ち込んでも、結果を出せていないようです。
もう実家に帰るしかないのかと涙する様子を見て、ユターは彼女のツイートをリツイートしました。すると、一夜が明けるうちにその投稿は3万リツイートをオーバー。彼女にはアンソロジー本への参加依頼まで届いていました。「ただのきっかけだ。あとはオマエ次第だぜ……」と言い残して去るユター。実はSNSへの強大な影響力を持っていたようです……ジャスティン・ビーバーみたいなオバケだな。
同作に登場するユターは、横山さんの息子・ゆうたくんが「漫画に出してほしい」と提案し、横山さんと一緒に考えたキャラクター。いたずら好きでちょっと情に厚い性格が良い味を出しています。
人間を泣かせてやると言いながら、結局世話を焼いて去っていくユターの姿に、「むしろ読者が泣く」といった声が多数寄せられました。「結果的に感動で女性を泣かせたのでは?」と解釈する人も多いようです。
作者:横山了一
1978年生まれ、北海道釧路市出身。2002年に『熱血番長鬼瓦椿』(週刊ヤングマガジン)連載デビュー。妻は漫画家の加藤マユミ(@katomayumi)。妻子との日常を描くエッセイ漫画『きょうの横山家』や、オタクが戦国時代で活躍する『戦国コミケ』など、幅広い作風で知られる。
Twitter:@yokoyama_bancho
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