今振り返るコンビニ統廃合の歴史。セーブオン、スリーエフ、am/pm……思い出のあのチェーンはなぜ消えたのか?(4/6 ページ)
冷凍弁当のam/pmも消える
「am/pm」は、冷凍状態の弁当を解凍して食べる「とれたてキッチン」のおいしさが評判でした。筆者もカレーライスが好きで、家から離れた店舗へも良く通っていたことを思い出します。ほかにもコンビニの商品を家やオフィスへ60分ほどで届ける「デリス便」などが喜ばれていました。
しかし赤字に苦しみ、当時の消費不振もあって経営が行き詰まったam/pm。そこでam/pmが展開していた首都圏での勢力拡大を狙う、ファミリーマートに買収されたのです(エコノミスト 2009.12.1)。
買収時点で1107店あった店舗はみるみるうちにその姿を減らしていき、最後は2011年12月10日大阪府内の2店舗が閉店し、コンビニ弁当界の雄はその幕を下ろしました(読売新聞 2011.12.13)。
店内キッチンが充実したローカルコンビニ2店舗も消滅
「ココストア」は1971年に愛知県春日井市で1号店を出した、コンビニ界の草分け的存在でした。店舗内にキッチンをもうけ、できたての弁当や総菜が売りでしたが苦戦が続き、店舗は減少傾向にありました。
そんなココストアが、2001年に買収していたコンビニが「エブリワン」。1994年に今はなき九州の地場スーパー「寿屋」系のコンビニとして生まれたチェーンです。ワインの量り売りやお店で焼くパンの充実など大手にはできない独自の手法で勝負してきました。地元農家の米の消費を増やすため、熊本県立鹿本農業高等学校が部活動で開発した米粉パンを売り出すなどの地域密着企画も行っていたのです。
しかし競争激化で単独での生き残りは厳しいと判断した模様で、2015年12月1日にココストアは、ファミリーマートと合併。その後、2016年8月末にエブリワンは完全閉店。2016年10月31日にココストアも後を追うように消滅。最後の店舗は、ココストアが特に愛された地域といわれる、沖縄の宮古島でした(両店の一部はRICストアに変更)。
業界4番手、ついに吸収される
「サークルKサンクス」は、サークルKとサンクスが一緒になってできたコンビニです。
サークルKはアメリカ発祥のコンビニで、1980年に愛知県名古屋市で1号店がオープンしました。コンビニ業界で先駆けて出された焼き鳥や、ボリュームあるのり弁当などが魅力のチェーン。
サンクスも同じく1980年に宮城県仙台市で1号店をオープン。コンビニスイーツの先駆け「シェリエドルチェ」の展開、300円台の割安弁当を発売、大手コンビニで初めての携帯電話の店頭販売を行うなどの取り組みを行っていました。
しかし最大手・セブン-イレブンの急伸などに個別では太刀打ちできなくなり、サークルKの地盤であった地元愛知県ですら、その勢いに屈するようになってきました。そこで2店は2004年9月に「サークルKサンクス」として合併します。
合併当時、社長の土方清氏は2004年9月22日の日本経済新聞で「イス取りゲームに残った席はせいぜい3つか4つ」と語っていました。
ですがそのイスは、4つではなく3つでした。店舗数業界第4位のサークルKサンクスは2016年2月、ファミリーマートに吸収合併されることが発表されたのです(関連記事)。
徐々に店舗は減少。去る2018年11月30日に最後の3店が営業を終え、その役目を終えました。
6000以上もの店舗数を抱えたコンビニチェーン、前代未聞の消滅。それはセブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの完全なる三強時代の幕開けを告げるものとなりました。
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