『SFマガジン』の「百合特集」号 予約殺到で発売前に重版決定 「発送が遅れる場合がある」のアナウンスも
担当者「今年最大の部数を用意したのに」。
» 2018年12月18日 17時13分 公開
[黒木 貴啓,ねとらぼ]
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12月25日に発売される早川書房のSF専門誌『SFマガジン』の2019年2月号で、女性同士の関係性を扱う創作ジャンル「百合」が特集される。同誌では2018年最大の部数を用意していたが予約が殺到し、発売前に早くも重版が決定。早川書房の公式サイトで注文殺到により「発送が遅れる場合がございます」と異例の告知を出している。
百合特集は、2018年に百合とSFがさまざまな形で接近したことを契機としたもの。収録しているのは、宮澤伊織さんや森田季節さん、草野原々さんといった作家による百合SFの短編小説。他も『コミック百合姫』編集長へのインタビュー(聞き手&構成:柴田勝家さん)や、「百合SFガイド2018」などさまざまな企画が組まれている。
同誌の発売前重版は、2011年8月の「初音ミク」特集以来2度目。特集の担当者によれば、Amazon.co.jpでは予約開始から一晩で数百冊の予約注文が来たほか、各書店からも数十〜数百冊の仕掛け販売をするという声がかかっていることから発売前重版を決定したという。価格は1296円(税込)。
収録内容
Short Stories
- あなたは探している。誰もいなくなったこの世界で、逢ったこともない誰かを/「キミノスケープ」 宮澤伊織
- 恋人に伝えられる言葉は、毎日一文字ずつ減っていく――彼女と彼女との四十九日/「四十九日恋文」 森田季節
- この孤独な宇宙には、どこまでも「理由」が満ちている。哲学的ハード百合SF/「幽世(かくりよ)知能」 草野原々
- 私とお姉様の体に流れる血は、どうして同じではなかったのでしょう――/「彼岸花」 伴名 練
- これは私と先輩の、かけがえのない存在をめぐる旅・特集読切コミック/「ピロウトーク」 今井哲也
Articles
- 「10th Anniversary」シライシユウコ
- 「〈コミック百合姫〉編集長インタビュウ」聞き手&構成:柴田勝家
- 「月村了衛インタビュウ」聞き手&構成:青柳美帆子
- 「百合と異界は児童小説の……」令丈ヒロ子
- 「花に埋もれて死ね または今、ミニシアターで何が起こっているのか?」将来の終わり
- 「このSFが百合としてすごかった 〜2018」いとう階
- 「百合SFガイド2018」青柳美帆子/いとう階/乾 智志/鯨井久志/佐野泰之/将来の終わり/鈴木 力/谷林 守/俳乱土/林 哲矢/隼瀬茅渟/伏見 完/冬木糸一/古脇瓊児
連載
- 「小角の城 第51回」 夢枕 獏
- 「《椎名誠のニュートラル・コーナー》第64回」
- 「インデギルカ号」 椎名 誠
- 「先をゆくもの達〈最終回〉」神林長平
- 「マルドゥック・アノニマス」〈第24回〉 冲方 丁
- 「マン・カインド〈第7回〉」藤井太洋
- 「幻視百景〈第16回〉」酉島伝法
連載コミック
- 「と、ある日のまっくらけっけ」宮崎夏次系
読切
- 〈ヒューゴー賞/ネビュラ賞受賞〉映画に出てくるような理想のインディアン体験を提供する男。彼のまえに、ある日現れたのは……/「本物のインディアン体験TMへようこそ」 レベッカ・ローンホース/佐田千織訳
- 〈ヒューゴー賞受賞〉忠勤せよ! 艦内最古の多機能ボット、ボット9は害獣駆除を命じられたが……/「知られざるボットの世界」 スザンヌ・パーマー/中原尚哉訳
- 娘を亡くして博物館惑星に移住した画家の連作、「不見の月」に込められた想いとは?/「博物館惑星2・ルーキー 第六話 不見の月」 菅 浩江
- 「2018年度主要SF賞受賞作リスト」編集部=編
表紙イラスト:シライシユウコ
表紙デザイン・色ページレイアウト:岩郷重力+WONDER WORKZ。
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