野生のペンギンが目の前に 南極観測船「ふじ」の漫画が過酷な環境なのにほっこりする
南極を身近に感じます。
南極観測船・砕氷艦「ふじ」の活躍を描いた漫画がTwitterで人気を集めています。
ふじが最初に南極に向かったのは1965年(昭和40年)。拠点となる昭和基地は1962年から閉鎖されていたため、隊員たちの作業は掃除からスタートします。
そんな中、つないであったはずの犬、ブルとホセが1羽のペンギンをくわえてやってきます。思わず青ざめる隊員さん。ぺ、ペンギンさん、やられちゃったの?
ブルとホセはお利口なワンちゃん。元気がないペンギンを見つけて連れてきてくれたのです。南極では生物に危害を加えたり環境を壊したりすることが禁じられているとのこと。託された隊員さんだけでは対応が決められないので、ベテランの観測隊長さんやお医者さんに相談します。しかし今は大掃除の真っ只中。つれない返事しか返ってきません。
頭上にカモメまでやってきて大騒ぎになる中、反省の言葉を口にする隊員さん。そのときペンギンが目を覚まして立ち上がり、嘔吐してしまいます。
調べてみるとペンギンが吐き出したのはビニールゴミ。エサと間違えて飲み込み、消化不良を起こしていたようです。すっきりとした様子のペンギンに「間違って食べないようちゃんと掃除しておくから」と誓う隊員さんなのでした。
この漫画を描いたのは、Twitterユーザーのうみ(@umi_sousaku)さん。題材になっているのは1966年に発売された書籍『「ふじ」南極航海記』です。今回紹介したエピソードはフィクションとのことですが、昭和基地には本当にたくさんのペンギンがやってくるそうです。
ブルとホセは実際に活躍したワンちゃん。ハスキー犬の父と樺太犬の母から生まれた2匹は南極の寒さの中でも元気です。彼らにとっての試練は南極に向かう途中で通過する赤道付近の暑さなのでした。
その他のエピソードは「モーメント」にまとめられています。日本を出発する所から時系列に並べられた漫画は読みごたえたっぷり。家族が「ふじ」の関係者という人からのコメントや、書籍化を希望する声も寄せられています。
画像提供:うみ(@umi_sousaku)さん
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