一般色覚者にはほぼ分からない“小さくて大きな違い” JIS改訂で「日本社会における色のルール」はどう変わったのか(2/3 ページ)
“カラー化”された安全色
そもそも人間が色を認識できるのは、錐体という視細胞があるからです。多くの場合、この錐体は3種類機能していて、乱暴に言うと一般色覚者は「3つの原色を持つ3色覚の世界」。強度の色弱で、錐体のうちの1つが全く機能していない場合、「2つの原色を持つ2色覚の世界」になります。
美術の授業を思い出してみてください。3原色を均等に混ぜると色味がなくなって、灰色や黒色になりますよね。同じように2色覚の場合は、2つの色がバランスした地点に、“色味が感じにくいゾーン”があります。従来の安全色では、緑色がこのゾーンに入っていました。
「色弱者の見え方シミュレーション画像」によくある誤解
伊賀氏によれば、「このような再現画像は、まるで『色弱者の世界が青、黄、灰色で構成されている』ように見えてしまう。だが、『赤が黄土色になったり、緑が黄土色になったりする』という理解の仕方は、厳密には誤解」とのこと。例えば、同氏が所属するCUDOが開発に協力したIllustrator、Photoshopのシミュレーション機能は、“同じ色に見える複数の色を、便宜的に特定の色で表示する”仕組みになっているという。
「『赤色=緑色に見える人』の見え方を再現するなら、『両方の色を赤色だけで表示する』『緑色だけで表示する』のどちらでもよい」というような考え方。つまり、表示される色はあくまでもシミュレーションの都合上選ばれているだけ、というわけだ。このため、「こういった再現画像を見るときは色ではなく、色同士の距離(どれだけ違う色か)に着目してほしい」とのこと。
標識などに色が使われている理由の1つは、色に「目立つ」「人目を引く」という特徴があるから。安全色の赤、緑色は確かに区別しやすくなっていたものの、こういったメリットが生かせておらず、見にくかったんですね。ですので、新しいJIS規格では「色弱者が色味が感じやすい緑色を使う」などの変更が行われています。
―― “安全色がカラー化された”というわけですか。
他の色にも手が加えられているのですが、気付かない人が大半だと思います。一般的な色覚を持つ人にとっては「新旧の色を並べて比較して、やっと気付く」くらいの調整ですから。逆に言うと「既存の色を大きく変えずに、より多くの人が見やすい色を作る」ことができたんですよ。
ここ15年間で発展した「より多くの人に見やすい色の使い方」
―― 半世紀以上前から「色覚の多様性」への配慮が必要視されていた安全色。どうしてそれが今になって、より見やすくなったのでしょうか。
CUDOは「色弱者などにも見やすいように製品の色を変えたいのだけど、どうしたらいい?」といった企業の相談にのっているのですが、新しい色を考えても、結局、変更できないことがあります。よくある理由の1つが「使うべき色が法律で決まっているから」というものです。
―― “個々の企業レベルではどうにもできない問題”になっていた、と。
だから、CUDO内では「社会的に決められている色のルールを変えないと、世の中は変わらないんじゃないか」という声が挙がっていました。もちろん、色弱者などにも見やすいデザインを実現するには、色以外の要素を利用する方法もあるのですが、「色のおかげで一般色覚者に分かりやすいのなら、色弱者だって同じように分かりやすい方がいい」という思いがあります。
2011年にISO規格(国際的に標準化された規格)で安全色の改訂があって、私はそのワーキンググループの日本委員に選ばれ、提言を行う機会がありました。でも、世界の壁は厚かったというか、あまり注目してもらえませんでした。「色に関する社会のルールを変えること」は、まるで遠い夢のような気がしていましたね。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
-
“月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
-
“プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
-
「巨大なマジンガーZがお出迎え」 “5階建て15億円”のニコラスケイジの新居 “31歳年下の日本人妻”が世界初公開
-
100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
-
鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
-
「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開【大谷翔平激動の2024年 「妻の登場」話題呼ぶ】
-
「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
-
日本人ならなぜか読めちゃう“四角形”に脳がバグりそう…… 「なんで読めるん?」と1000万表示
-
家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
- フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
- 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
- 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
- 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
- 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
- セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」