祝ミッション成功「こうのとり7号機」 日本宇宙開発の要「JAXA筑波宇宙センター」に行ってきた(2/3 ページ)
実物と同サイズの「きぼう」の中へ!
H-IIBロケットで打ち上げられたこうのとりは、大気圏を突破したのちロケットと分離。その後、こうのとりは筑波宇宙センターの管制を受けながら、ISSのわずか10メートルまで接近し、結合します。このISSとわずかな距離で接近できるランデブー能力はNASAなどの海外機関でも特に高く評価されているそうです。
結合後には、搭載されていた食糧や各種の実験器具がISSに送り届けられます。この実験器具が運び込まれる場所が、ISS内で日本が製造した宇宙実験棟「きぼう」です。きぼうは宇宙空間という状況を生かし、地上ではできない実験を行う目的で作られました。
この筑波宇宙センターには、展示館中央にその原寸大模型が置かれています。早速中に入ってみましょう!
きぼうの内部は、壁一面に並べられた実験ラックが目に入ります。実験ラックには生物の細胞などを培養する「細胞培養装置」や、新薬や遺伝子解析などの実験で使いやすいきれいなタンパク質を形成する「タンパク質結晶生成装置」、そしてそれらを保存する冷蔵庫や冷凍庫など、多様な器具がそろっています。
ふと天井や壁にある青い突起が目に入ります。実はこれ、宇宙飛行士がつかむ「手すり」です。きぼうは宇宙空間にあるため、体は常にフワフワの状態。船員はあちこちにあるこの手すりをつかんで動きを制御するのです。
きぼうで行われる実験は船内だけにとどまりません。きぼうには宇宙空間で実験ができるプラットフォームが整備されています。宇宙空間は真空状態で宇宙放射線が飛び交う過酷な場所。物質を過酷な宇宙空間に晒すことで、どんな変化が出るのか、ストレスチェックができるようになっています。
宇宙空間に出ることは、宇宙飛行士にとって特に重要ながらも危険を伴うミッション。時にはきぼう船外に取り付けられたロボットアームも併用してミッションを遂行します。このロボットアームはきぼうの室内から操作できるようになっており、宇宙飛行士が船外に出なくてもある程度の作業や実験ができるようになっています。
その他、きぼうのロボットアームは各国で開発された小型衛星を軌道に投入する時にも使用されるなど高い汎用性があるそうです。技術力の高さを示しているといえますね。
宇宙へのロマンをとっぷりと感じつつ、「なぜ宇宙開発なのか」も理解できる見学施設
H-IIBロケットやこうのとり、きぼうなどさまざまな形で成功を収める日本の宇宙開発。そんな中、今目指しているとされるのが有人での月面探査です。2030年代での実現を目指しており、成功すれば約60年ぶりに人類が月に立つことになります。もちろん技術や予算、多くの困難があります。それでも多くの成功を収めた日本なら……! そう思わずにはいられない夢でもあります。
「なぜ宇宙開発なのか。宇宙開発は私たちにどんないいことがあるのか」。そんな数10年後、すぐ近くの未来に思いをはせながら、筑波宇宙センターで宇宙へのロマンをとっぷりと感じてみてはいかがでしょうか
筑波宇宙センター
- Webサイト:http://fanfun.jaxa.jp/visit/tsukuba/index.html
- 入館料:無料
- 開館時間:9時30分〜17時(展示館)
- 所在地:茨城県つくば市千現2-1-1
- 休館日:不定期、年末年始(12月29日〜1月3日)、施設点検日など
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宇宙に行ってもぐでっとしてそう。
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