こうして「平成最後のコミケ」は始まった 知られざる舞台裏「コミケ0日目(設営日)」に密着してみた(1/5 ページ)
コミケ前日に何が行われているか、見て来ました。
2018年12月28日。その日は、「平成最後のコミケ」前日だった。同時に、今の会場、つまりビッグサイト(東ホール)で行われるコミケとしても、今年でいったんは一区切りとなる。
1975年から始まった「コミケ」ことコミックマーケット。言わずと知れた「オタクの祭典」であり、40年以上の歴史をもつ世界最大規模の同人誌即売会だ。
毎回コミケ開催日3日間のにぎわいはTwitterなどでも盛り上がるが、コミケの前日はどんな感じなのか筆者は知らない。今回はコミケ(C95)設営で忙しい12月28日のビッグサイトにお邪魔させてもらった。
朝日に照らされる東京ビッグサイト。27日ごろから予想されていた今季最強の「年末大寒波」の影響もあるのだろう。海が近いビッグサイトでは風も強く、それが余計に寒く感じさせる。周辺のコンビニでは、どこも携帯用カイロが山積みになっていた。
当日、筆者は一般のお手伝いが入れる朝8時を待って入場。人がまばらなエントランス部分、こちらも明日には人の波で埋まる。
取材対応してくれたコミケ準備会スタッフは、28日の深夜0時ごろから作業をしていたのだそうだ。有志のスタッフが作ったという「巨催対」パーカーはシン・ゴジラパロディだ。
祭りの前日のビッグサイト
「平成最後のコミケ」前日のビッグサイトに足を踏み入れる。
広告がすでに設置されているところもあったが、多くの作業はこれからだ。なので、普段見慣れているコミケに比べてかなりさっぱりした光景が広がっていた。
C91のコミケで初設営を迎えた、まだ新しい「東新展示棟」にある東7・東8ホール。
東8ホールはまだほとんど手つかずで、ホールはがらんとしていた。なかなかこんな状態のホールは見る機会がないため興奮してしまった。普段行くときは人が多いからゆっくり建物を見ることがなかったが、ビッグサイトってかっこいい建物なんだなあ……!
開催時のお祭り感があってごちゃっとしたホールもいいのだが、開催前の静寂に包まれたホールはかっこいい。そして同じころ、リンクスペースを挟んで反対側にある東7ホールではがんがん企業ブースを作っている最中だった。
各展示ホールを結んでいる、全天候型で2層構造のメインストリート、ガレリアもこんなにすっきりした姿ははじめて見た。
ホール入り口のシャッターはまだ閉ざされている。この日、こちらが開くのは朝10時だ。
ビッグサイトは2020東京大会で世界各国が報道活動の拠点とする「国際放送センター」(IBC)や「メディアプレスセンター」(MPC)として使用されることが決まっている(関連記事)。なので、ビッグサイト東ホールでのコミケとは今回でしばらくお別れだ。
コミケは東ホールの存在感が大きく、イメージも強かったため、こちらでしばらく開催されないというのは不思議な気持ちだ。卒業間際のクラスのそわそわした空気感と重ねてしまう。今はこうして談笑しているけど、3日後にはここに通う事も顔も合わすこともなくなるのかーみたいな……。まあ、東ホールは戻ってくる(予定)なんだけど。
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