アジアにおける“マーベルの拠点”へ――変化する最新の香港ディズニーランドを体験:邪悪を討て、アントマン&ワスプとともに!(2/3 ページ)
皆さんがマーベルアトラクションを想像すると、真っ先に思いつくのはむしろユニバーサル・スタジオ・ジャパンにある「アメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド 」ではないでしょうか。このオリジナルはフロリダ州にある「ユニバーサル・オーランド」に、1999年にオープンしました。その後2009年、ディズニーがマーベルを買収します。つまり、これはディズニー買収以前のアトラクションなのです。
このとき、ユニバーサルとマーベルは、マーベルアトラクションを持つテーマパークの“一定距離以内”の土地における独占使用権を得たとされています(ディズニー社の株主総会では「ミシシッピー川よりも東側を独占」という表現)。ユニバーサル・オーランドの隣にはウォルト・ディズニー・ワールドがあり、ディズニーに使わせないための契約ともいえるでしょう。そのため、フロリダのウォルト・ディズニー・ワールドではマーベルのコンテンツをいまも利用できない状態が続いています。余談ですが、東京ディズニーリゾートでマーベル仮装ができないことが一部で話題になりました。これもおそらく、ユニバーサルとマーベルが交わした契約が影響しているのではないかと思われます。
そのため、マーベルコンテンツは本家アメリカよりも、契約に関して自由度が高い場所での展開が中心になっているのです。特に香港は先行しており、既に2つのアトラクションが明らかになっているだけでなく、もう1つ「アベンジャーズ」をテーマにしたアトラクションも登場予定です。
そしていま、テーマパークにおけるマーベルユニバースが、「アントマン&ワスプ:ナノバトル!」をきっかけに動こうとしています。映画「アベンジャーズ」内でニック・フューリーが語った「There was an Idea.」に続くアベンジャーズ・イニシアティブが形を変え「グローバル・アベンジャーズ・イニシアティブ」がスタートしようとしています。
映画の世界「マーベル・シネマティック・ユニバース」においては、能力のある人々を集めれば、単体ではなしえない、なにかになれるかもしれないという考え方がアベンジャーズを生み出しました。ところがテーマパークにおけるマーベルユニバース(俗称「イマーシブ・スーパー・ヒーロー・ユニバース」)では、能力のある人々とともに「ゲスト」を仲間にし、行動を共にするという世界線なのです。そのため、映画内では犬猿の仲であったスターク・インダストリーズ/S.H.I.E.L.D.とピム・テクノロジー(アントマン)が手を組んでいますし、「インフィニティ・ウォー」のあの悲劇も回避しているように見えます。
その意味では、実はテーマパーク(香港ディズニーランド)こそが、マーベルの世界に入り込む、一番いい入口なのかもしれません。事前知識も不要ですし、とても楽しいですよ!
香港ディズニーランドの今後――アナ雪エリア登場に加えあのシンボルすらも変化する?
香港ディズニーランド・リゾートはいま、大規模拡張計画のさなかにあります。2018年5月にスタートした「モアナ:ホームカミング・セレブレーション」、そして今回の「アントマン&ワスプ:ナノバトル!」だけでなく、さらに拡張が計画されています。
まずは「アナと雪の女王」をテーマにした新エリア。ここにはアレンデール王国の街並みとともに、2つのアトラクションが登場予定。同じテーマのエリアは2022年に東京ディズニーシーにも登場する予定ですが、どのくらいの違いがあるのか楽しみですね。
そしてもう1つ、香港ディズニーランドでは最大の変化が現れようとしています。中央にあるお城自体が現在建て替え(増築)中で、これが完成するとディズニープリンセスをテーマにした、世界で唯一のキャッスルになるのです。
香港ディズニーランドの大規模拡張計画は、現時点では2023年まで続く予定。これにより、開園当初とは大きく異なるパークになります。
リゾートホテルは香港ディズニーランドホテル、ディズニー・ハリウッドホテルに加え、新たに「ディズニー・エクスプローラーズ・ロッジ」もオープン。個人的にも香港ディズニーランドは「リゾート感を手軽に楽しめる」場所と考えています。ちょっとした旅行としても、どっぷりと家族で楽しむとしてもお勧めできる行き先ですので、ディズニーマニアでなくても、前情報なく楽しめる“ディズニーリゾート”を体験できるのです。
個人的には豪華な香港ディズニーランドホテルを一回体験してほしいですね。公式サイトでは[日本人向けのオファー]も用意されています。
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