フィンランドのベーシックインカム暫定結果 「雇用促進はしないが幸福感は向上」

結果の確証はこれから。

» 2019年02月18日 10時35分 公開
[関口雄太ねとらぼ]

 フィンランドのKela(国民年金局)が試験導入したベーシックインカム(以下BI)の暫定的な結果が発表された。目的としていた雇用促進には効果が見られなかったが、給付対象者の幸福感が向上することが判明している。


「雇用促進はしないが幸福感向上」 フィンランドのベーシックインカム暫定結果 BI給付は幸福感に影響(画像はKelaより)

 本試験は、2017年1月から2018年12月まで、失業手当受給者から無作為に選ばれた2000人を対象に行われたもの。月額560ユーロ(約6万8000円)を給付することで、雇用促進を狙い実施された。今回の発表は1年目のデータを元にしたもの。

 BI受給グループ(失業手当など他の社会保障の受給資格は失われない)と対照グループ(同時期に失業手当を受けたがBIは受け取っていない)を比較し、BI給付が幸福度に影響していることがわかった。健康状態について、「良好」また「非常に良好」と回答した受給グループは55%であった事に対して、対照グループでは46%という結果に。また、受給グループはストレスが非常に強いと感じている比率が17%であったのに対し、対照グループは25%であった。

 1年目のデータでは、雇用促進に関する影響は確認できなかったが、受給者は就職先を見つける自信を手に入れていた。Kelaの主任研究員であるMinna Ylikännö氏が「(BI受給者は)ストレスや集中しづらい、健康問題といった症状が少ないことがわかりました。また、将来や自身の能力が社会に与える影響についても自信を持っています」と述べている。

 本試験結果は2019年から2020年にかけて段階的に公開される予定。2019年春には、ヘルシンキ大学などの学術機関やシンクタンクを交えての評価が始まる。試験結果を踏まえて、フィンランドにBIを本格導入するか検討される。


「雇用促進はしないが幸福感向上」 フィンランドのベーシックインカム暫定結果 今後の社会保障のあり方を考える良い検討材料となりそうです

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2502/06/news004.jpg 14歳のとき、親友の兄と付き合うことになった女性→13年後…… “まさかの結末”に「韓国ドラマみたい」【海外】
  2. /nl/articles/2502/06/news012.jpg 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  3. /nl/articles/2502/07/news019.jpg 台所に立つおばあちゃん、まさかの“巨大生物”をおんぶしながら…… 驚きの光景が100万再生「凄すぎ」
  4. /nl/articles/2502/07/news135.jpg 「なんだこの暗号は……」 マクドナルドの“大人だけが読めるメッセージ”が410万表示「懐かしい〜」「読める人同世代w」
  5. /nl/articles/2502/05/news008.jpg 初心者「マスカットは緑で丸いっぱい描いておけば完成でしょ!」→“絵の先生”がちゃんと描いたら…… “段違いのクオリティー”になるコツが目からウロコ
  6. /nl/articles/2502/06/news035.jpg 【リメイク】着物をカット→ミシンで縫ったら…… “簡単なのにオシャレ”なアイテムが完成! 「私も挑戦してみよう」
  7. /nl/articles/2502/07/news050.jpg たった500円で「トイレのドア開けっぱなし問題」を解決した“神アイテム” 200万再生突破のレビューに「これ買います!」「凄いすごいすごーーい!」
  8. /nl/articles/2502/07/news025.jpg 使い切れず、余ってしまった“ネイル”が…… 驚きのリメイクアイデアに「天才」「試してみたい」と1800万再生【海外】
  9. /nl/articles/2502/06/news043.jpg ズボラ母が5人分サンドイッチを爆速で作ったら…… 目からウロコの時短テクと美しい仕上がりに「信じられない」
  10. /nl/articles/2502/07/news008.jpg 【かぎ針編み】毛糸2玉を100均のジャンボかぎ針で編んでいくと…… 完成した“肌寒いときに便利なオシャレアイテム”が「かわいすぎる」と話題
先週の総合アクセスTOP10
先月の総合アクセスTOP10
  1. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  2. 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
  3. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  4. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  9. 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  10. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議