ニュース
» 2019年02月22日 12時30分 公開

この枠でしかできないことがある――「モテキ」や「ヨシヒコ」のテレ東深夜枠「ドラマ24」、ブレない“核”とドラマの可能性(1/2 ページ)

予算はない。夢はある。

[のとほのか,ねとらぼ]

 ゴールデンタイムに放送されるドラマと比べ、自由度が高く、攻めた作品を多く輩出する独自の姿勢が支持を集める深夜ドラマ。その中でも、テレビ東京の連続ドラマ枠「ドラマ24」は、「モテキ」や「孤独のグルメ」シリーズ、「勇者ヨシヒコ」シリーズなどヒット作を生み出す人気の枠です。

 1月に、漫画『大奥』『西洋骨董洋菓子店』などで知られるよしながふみさんの『きのう何食べた?』(4月スタート)の実写ドラマ化が発表されると、原作ファンも納得のキャスティングが話題を集めた他、「ドラマ24、相変わらずセンス抜群」「テレ東のドラマ24枠だからクオリティは期待できそう!」など同枠への高い信頼をうかがわせる声が続出。なぜ、“ドラマ24”は視聴者の欲求を満たすのか、チーフプロデューサーの阿部真士さんにお話を伺いました。

テレビ東京 ドラマ24 きのう何食べた? 勇者ヨシヒコ モテキ 深夜ドラマ チーフプロデューサー阿部さん

「ドラマ24」のブレない核

――『きのう何食べた』実写ドラマ化で話題になっていました。決定にはどんな背景があったのでしょうか?

阿部チーフプロデューサー(以下、阿部CP): ドラマ化するにあたって、以前から、僕も含め局内のプロデューサーたちで利用許諾を取りに行ったり、他の局も動いていたりしたんですが、よしなが先生のキャスティングへの強いこだわりがおありで、企画の着地までは至っていませんでした。そんな中、今回の制作会社の松竹さんがプロデューサーの松本拓と組んで、「西島秀俊さん(筧史朗役)が出演してくれそうだ」ということになってから、一気に動いた感じでした。

 『きのう何食べた?』ってもう10年ぐらい前からあるじゃないですか。男性が読んでも面白いし、僕の母親世代も連載中に読んでいたので、男女問わず、幅広い世代の人に刺さるんじゃないかなと。ドラマ化には時間がかかりましたが、キャスティングにはよしなが先生も大喜びされていてよかったです。

テレビ東京 ドラマ24 きのう何食べた? 勇者ヨシヒコ モテキ 深夜ドラマ 主演を務める内野聖陽さん(ケンジ役)と西島秀俊さん(シロさん役)
(C)「きのう何食べた?」製作委員会

テレビ東京 ドラマ24 きのう何食べた? 勇者ヨシヒコ モテキ 深夜ドラマ 原作のケンジとシロさん
(C)よしながふみ/講談社


――「実写なんだし、何もこんなに似せなくても……」とおっしゃっていましたね。現在はデリバリーヘルスを題材にした「フルーツ宅配便」が放送中ですが、ドラマ化する作品はどのように決定していますか?

阿部CP: 「フルーツ宅配便」はデリヘルを舞台にした漫画原作ですが、性的な描写は一切なく、むしろデリヘルで働く女性の背景がテーマの人間ドラマです。コミックスの1巻が発売されるやいなやプロデューサーの濱谷晃一が原作権をおさえて、会社に提案しました。ただ、題材が“デリヘル”なので、「地上波のドラマとしてどうなのか?」と社内を説得するのに難航したようです。

 それでも、濱谷が諦めずにすごくやりたがり、「孤狼の血」の白石和彌さんや「南極料理人」の沖田修一さんといった気鋭の映画監督を口説いてきて、さらに俳優の濱田岳さんも口説いて、ようやく会社も企画にGOサインを出しました。たぶん執念ですね、あれは。企画提案から放送まで2年半かかったと聞いています。


――2年半! 他の作品も同じく?

阿部CP: 2年半は長い方だと思います。もちろんそうではないケースもありますが、プロデューサーが“この人とやりたい”と思ったときは相当時間をかけてやるんです。僕も、「野ブタ。をプロデュース」や「Q10」を手掛けた脚本家の木皿泉さんと、Perfume初主演のドラマ「パンセ」を2017年に2夜連続でやりましたが、あのときは神戸に住んでいる木皿さんのところに何度も通って、関係を築いて、ようやくという感じでした。そのときも3年くらいかかりました。

――阿部さんも執念ですね……。作品を決めるときの“核”になっているものって何なのでしょう

阿部CP: 昔と今でだいぶ変わってきている印象があります。ドラマ24は2005年に北川弘美さん主演でキャバクラを舞台にした「嬢王」というドラマから始まったんですが、当時は、テレビ東京のドラマ部自体、連続ドラマの下地がほぼなかったんです。

 そんな中で40分の枠をやろう、という話になったときに、そんなにいいキャストは出てこない。前例がないから。それでも、やるなら面白いことをやりたくて、エッジのたったもの、刺激のある目立ったものというテイストのものをずっと低予算でやってきました。

 予算は少ないですが、他に左右されないスタイルでやっていたら、“この枠でしかできないことがある”と逆にキャストの方や監督が「やりたい」と言ってくれるようになったんですよ。その転機は、やはりドラマ24の通算20作目となった「モテキ」(2010年放送)だったと思うんです。

 大根仁さんが脚本/演出を担当してくださった「モテキ」あたりから、それが映画化にもつながったりして。ドラマ24というほぼ更地から生まれた深夜枠が「もっといろいろできるんじゃないか」とドラマの可能性を広げていったんです。

テレビ東京 ドラマ24 きのう何食べた? 勇者ヨシヒコ モテキ 深夜ドラマ 2011年に映画化も
(C)「モテキ」久保ミツロウ/講談社(C)「モテキ」製作委員会
販売元:東宝

テレビ東京 ドラマ24 きのう何食べた? 勇者ヨシヒコ モテキ 深夜ドラマ (C)三浦しをん2009/文藝春秋 (C)「まほろ駅前番外地」製作委員会2013
販売元:東宝

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2110/20/news075.jpg 「シーンとなった球場に俺の歌声がして……」 上地雄輔、後輩・松坂大輔の引退試合で“まさかのサプライズ”に感激
  2. /nl/articles/2110/19/news191.jpg 【その視点はなかった】古参オタクがネタバレしないのは、優しさではなく単に「初見にしか出せない悲鳴」を聞くために生かしているだけなのでは説
  3. /nl/articles/2110/19/news190.jpg 亀田家の末っ子が「ずっとしたかった鼻整形」公表 「パパは了承すみ?」と父・史郎を気にかける声殺到
  4. /nl/articles/2110/20/news101.jpg 中尾明慶、“新しい家族”の誕生にもう「超カワイイ」 6万円超の赤ちゃんグッズ代にも満面の笑顔 「喜んでくれたらいい」
  5. /nl/articles/2110/20/news089.jpg 保田圭、転倒事故で“目元に大きな傷”を負う 「転んだ時に手をつけなかった」痛々しい姿に心配の声
  6. /nl/articles/2110/19/news043.jpg 「学校であったつらいこと」を市役所に相談したら対応してくれた――寝屋川市のいじめ対策が話題、監察課に話を聞いた
  7. /nl/articles/2110/20/news081.jpg 篠田麻里子、前田敦子とともに板野友美の出産祝い 赤ちゃん抱っこし「こんな小さかったっけ〜ってもう懐かしい」
  8. /nl/articles/2110/19/news188.jpg ポンと押すだけで転売対策できる“転売防止はんこ”登場 「転売防止に役立つハンコは作れませんか?」の声から商品化
  9. /nl/articles/2110/18/news113.jpg 「ちびちゃん自分で書いたの?」 賀来賢人、“HAPPY”全開なイラストへ反響「愛情かけて育てているのが伝わります」
  10. /nl/articles/2110/19/news139.jpg 梅宮アンナ、父・辰夫さんの“黒塗り看板”が1日で白塗りに 今後の対応は「弁護士を入れて双方話し合い」

先週の総合アクセスTOP10

  1. 葉月里緒奈、美人な元マネジャーと“再会2ショット” 「共演した俳優さん達は私ではなく彼女を口説いてました」
  2. docomo×進撃の巨人キャンペーンの商品「リヴァイ兵長フィギュア」が悲惨な出来だと話題に → 公式が謝罪「対応方法を検討しております」
  3. 有吉弘行、妻・夏目三久との“イラストショット”を公開 蛭子能収からのプレゼントに「下書きも消さずにうれしい!!」
  4. 「印象が全然違う!」「ほんとに同じ人なの!?」 会社の女性に勧められてヘアカットした男性のビフォーアフター動画に反響
  5. 梅宮アンナ、父・辰夫さんの看板が黒塗りされ悲しみ 敬意感じられない対応に「残酷で、余りにも酷い行為」
  6. 子猫が、生まれたての“人間の妹”と初対面して…… 見守るように寄り添う姿がキュン死するほどかわいい
  7. 工藤静香、バブルの香り漂う33年前の“イケイケショット” ファンからは「娘さんそっくり」「ココちゃん似てる」
  8. 板野友美、エコー写真とそっくりな娘の顔出しショットを公開 ぱっちり目の美形な姿に「こんな美人な赤ちゃん初めて見た」
  9. 後藤晴菜アナ、三竿健斗との2ショット写真で結婚を報告 フジ木村拓也アナ、鷲見玲奈アナからも祝福のコメント
  10. 「とりあえず1000個買います」 水嶋ヒロ、妻・絢香仕様の“白い恋人”に財布の紐が緩みまくる