“パスワード知るCEO死去”で巨額の仮想通貨引き出せない問題、ウォレットは「空っぽ」だった 深まる謎
つまり、どういうことなのか。
カナダの仮想通貨取引所のCEO(最高経営責任者)が死去し、仮想通貨の保管場所にアクセスするためのキーが不明になり、仮想通貨が引き出せない状態になった問題で、調査の結果、取引所の仮想通貨ウォレット(保管場所)が空っぽだったことが判明しました。英BBCなどが報じています。
この取引所は約11万5000人の1億3700万米ドル相当(約150億円)に上る仮想通貨を保管していたとされ、謎が深まる事態になっています。
発端は、カナダの仮想通貨取引所QuadrigaCXの創設者、ジェラルド・コットン氏が2018年12月、旅先のインドで病死した──ことです。
同取引所が仮想通貨を保管しているコールドウォレット(オフラインの保管場所)へのアクセスキーなどは、セキュリティ上の問題からコットン氏が1人で管理していたということです。ウォレットにアクセスできるキーはコットン氏のノートPCに保存されています。ですが、ノートPCは暗号化されており、ノートPCにアクセスするためのパスワードも持ち主死亡によりに不明に。この結果、巨額の仮想通貨が宙に浮く状態になっていました。
ところが、ここに来て事態は思わぬ方向に転がります。BBCなどが3月5日に報じたところによると、監査を担当する会計事務所アーンスト&ヤングはコットン氏のノートPCへのアクセスに成功。その結果、ウォレットはコットン氏が死去する数カ月前に空っぽになっていたことが判明した、といいます。現時点ではこの仮想通貨の行方は全く分からないということです。
コットン氏は同取引所のアカウントを別名で14も保有していたことが分かりました。これは通常のプロセス外であり、これらを通じて何らかの取引をしていたと見られるということです。アーンスト&ヤングは、これら取引の情報を収集、分析するとしていますが、しばらく時間がかかるとしています。
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